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2012年07月14日
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カテゴリ:水滸伝

「楊令伝13」北方謙三 集英社文庫

「第一、戦いをやめようと思ったら、やめれるのか。やがて、戦いは起こる。その準備を梁山泊はしている。いいか、いずれ交易は、商隊を出さなくても出来るようになる。西域の国々から、隊商がくる。日本からも、南の国からも、交易船がくる。物が梁山泊に集まり、散っていく。梁山泊には、金銀がのこるだけだ」
「なるほどねえ」
「そんな国を周囲が許すと思うか。税が安く、商いが自由な国を。よってたかって、潰しにかかる。それは、楊令殿も呉用殿も、よくわかっているだろう。どう凌ぐか。楊令殿の頭は、それで一杯のはずだ」
「凌ぎきったら?」
「周囲は、自然に梁山泊になる。そうなるために流れる血は、童貫戦の比では無いだろうが」
「凌げなかったら、潰れるだけかい?」
「その時、私に何が出来るのか。ほかの商人は知らず、紡鵺盛栄に、なにができるか。いまは、そればかりを考えているのだ、私は」
「楊令殿は、北京大名府を、呼延陵に占領させたよ」
「戦をやりたがっている連中を、宥める意味もあったのだと思う。いずれ、周囲が梁山泊と同じようになるか、試しているのだとも思う。呉用殿の考えが大きいだろうが」
「いずれにせよ、戦はある、
とあんたは思っているんだね?」
「思っているよ。生きるか死ぬかの戦いを、梁山泊は通り抜けるしかない」
「底なし沼を、掻き回さなくてもか」
「沼が、口を開けて嗤っているだろう。人の愚かさや醜さを飲み込もうとな」
「わからないよ、あたしには」
「酔っているものな」
「素面だって、わかりゃしないさ」(159p)


梁山泊、金国、斉国、南宗、入り乱れての混沌の中で、岳飛は僅かに蕭珪材に辛勝する。先が見えない戦乱。楊令の理想は、果たして実を結ぶだろうか。

梁山泊から、一番に裏切り者が出るとしたら、戴宗、韓伯竜、そしてこの盛栄を予想していた。処が、この巻で彼らは一様に「漢」を見せる。意外にも最初の裏切り者は「あいつ」だった。思うに、若いということは、こういうことなのかもしれない。
2012年7月3日読了





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最終更新日  2012年07月15日 01時19分54秒
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