|
テーマ:本日の1冊(3685)
カテゴリ:読書フィクション(12~)
「The MANZAI 6」あさのあつこ ポプラ文庫 ぼくは秋本が好きだ。感謝している。この街に来なかったら、秋本に出逢わなかったら、ぼくはこんな風に前を向けなかった。頭のあげ方を、笑いながら歩くことを、まっ、いいかと開き直ることを、他者の笑いをエネルギーに換えることを、まっすぐに他人に向き合うことを、自分を信じていいんだということを、一人で生きることを、誰かと生きていくことを、お好み焼きの美味しい食べ方を、リフティングのコツを、グラスの洗い方を、キャベツの芯が意外に美味いことを、人間がうざくて熱苦しくて、だからこそ、面白くてかけがえのない存在なのだということを、ぼくは秋本から教わった。みんな、どれもこれも全部、秋本が教えてくれた。 だけど、反対だってあるはずだ。 ぼくが秋本に教えた何かが、与えた何かがあるはずだ。あると信じたい。信じなきゃやってられないじゃないかよ。(184p) 最終巻だから、歩くんが心の中でこんな風に呟いてもいいじゃない。友情の純粋な部分をチラリと見せてくれたって、いかにも気恥ずかしくて本人の前では間違っても気取られてはいけない男の子らしい告白を見せてくれたって、まあ許してあげましょう。 五年前に読み始めたポプラ文庫創刊時のシリーズの結末部分が、ポプラ文庫らしいこのような少年の友情物語で終わってホント良かった。 5巻の正月のドタバタを読んでいた今年の7日までの時に、私の私的リアルでも、やっぱり私の長引いた歯痛や叔母の入院や叔父の兄の急死やなどたった一周間の間に暗くなることもあったけど、そしてこの6巻の中でも親しくなったおばあちゃんの急死や秋本の出生の秘密やらあったけど、私の歯痛は急激に痛みが緩和し、叔母の容態は安定し、お兄さんの葬儀は恙無く済んで、この物語もそれぞれは爽やかに終盤に移った。マア、世の中も物語も完全ハッピィエンドなんてありはしない。 2014年1月12日読了 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年01月30日 13時09分16秒
コメント(0) | コメントを書く
[読書フィクション(12~)] カテゴリの最新記事
|
|