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カテゴリ:労働
29日の肉の日にすき家で「ストライキをしよう」という呼びかけがツイッターで拡散されたらしい。結果は千葉の方で労組に入った1人が行ったぐらいだった。写真は今日の東京新聞より。
本来、ストライキは労組がスト権を投票によって確立して、団体交渉に臨む際に要求を通す手段のために行うものだ。しかし、今回の動きはどちらかと言うとブラック企業ゼンショーに「復讐をしたい」という動機で拡散したみたいだ。「労組に入ろう」というツイートに対して、「労働組合が健全に機能していないからネットで連帯しているんだろう。労組に入ったら反原発運動とかもセットでやらされるよ」等の意見も多く見られたという。もしこれを強行したならば、個人が行うサボタージュになり、解雇や損害賠償のリスクを背負うことになる。首都圏青年ユニオンなどが「静観」したのも当然のことだと思う。 今回の動きに対して識者並びにすき家アルバイト以外は面白がっているだけのような気がしてならない。こんな意見もある。 「山猫ストライキ」という言葉がある。東欧革命を準備したポーランドの「連帯」などが行った違法ストライキである。識者は 明確に思っていないかもしれないが、そんなイメージなのかもしれない。でも煽った多くのツイートを見ると、単に「めんどくさいことはイヤだ」「面白そうだからやっちゃえ」という野次馬メンバーが多かったように思えた。そんなんじゃ世界は変わらない。 ここに、当初復讐的なサボタージュを考えていた労働者が、学習をして労組を作り、合法的なストライキを行い、最初の要求を獲得した事例がある。差し障りがあるので、場所や名前、事業所などは匿名にするが、この前学習会で知った内容をできるだけレポート原文のまま紹介する。これを見ると、そのまま小説になりそうなストライキだと思う。 労組結成までの経過報告 ○○労働相談センター 1.労働相談の内容 「社長の現場の状況を全く無視したトップダウンの作業指示で、現場が混乱状態。下からの意見・要望に全く耳をかさず、私の言う通りにしっかりやれ、というばかり。社長に対する不信感・不満が頂点に来ている。全員でサボタージュすれば少しは事態が打開できるのでは、という意見が多数。どうしたらいいでしょうか」という電話相談。私は即座に「そんなことをすれば最悪の事態になる。会ってじっくり話をしましょう」と応えました。 翌日、事業所の中心メンバー5人が来所。「サボタージュではなく、全員が年休をとって社長と直談判する、というのはどうか?」と提案され、「その手段もリスクが伴う。社長は即座に時季変更権を行使し阻止するだろう。強行すれば、処分、損害賠償請求が来るし、分断・切り崩しが始まることは火を見るより明らか、ここはじっくり腰を据えて労働組合を立ち上げ、団体交渉を通じて問題解決をはかるのが、回り道のようでも結局近道」等々と説得。「どうしても今すぐ解決したいことがあれば、その問題だけに絞って話し合いに応じるように働きかけてはどうか」と逆提案。その場ですぐに社長に電話し、なんとか社長を引き出すことに成功しました。翌日、社長と監査役が職場にやって来て話し合いが始まり「今後は皆の意見も聞こう」という最低限のことだけは認めさせた、という報告を受けました。 長くなるので続きは次回。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年05月30日 20時14分40秒
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