6851203 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

再出発日記

再出発日記

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

フリーページ

カテゴリ

お気に入りブログ

プリシラ★プレスリー… New! 天地 はるなさん

徘徊日記 2024年4月… New! シマクマ君さん

緑の村マンション滞… New! はんらさん

韓国旅行2024春旅2… New! suzu1318さん

高齢化の中の高齢化 New! 七詩さん

カレンダー

2016年05月29日
XML
テーマ:本日の1冊(3685)
親鸞上.jpg
「親鸞 完結編(上)」五木寛之 講談社文庫

さて、超エンタメ五木版「親鸞」の完結編である。やっと文庫になりました。

「‥‥わたしは法然上人のお言葉を信じた。いまも信じている。もし、万一、そのお言葉がうそいつわりで浄土などなかったとしても、わたしはすこしも後悔などしない。だまされたと臍をかむこともない。もしあのとき法然上人の教えに出会わなかったら、わたしは生涯、無明の海を漂いつづけたことだろう。つくづくそう思うのだよ」
「はい」
唯円は短く答えて、頭をさげた。親鸞の言葉の全てが完全に理解できたわけではなかったが、親鸞が自分を正面から受け止めてくれている、ということだけは、はっきりとわかった。(380p)


完結編では、遂に親鸞、唯円、善鸞という倉田百三「出家とその弟子」の主要人物が勢ぞろいする。いわゆる「善鸞事件」を縦糸に、親鸞の「思想」の完成形を横糸に描いて行くのだろうと予想される。

しかし、親鸞の「教行信証」は、親鸞の迷いの所産として扱われるし、上に引用した親鸞の言葉は、正に唯円の「歎異抄」の中の「たとい法然聖人にすかされまいらせて、念仏して地獄に堕ちたりとも、さらに後悔すべからず候。」の場面である。私は唯円がこれを聴いて、はっと自分の信仰が大きく進む場面を想像していた。しかし、完結編に至っても、唯円はおろか親鸞さえもまだ迷っているのである。これが五木版親鸞なのか。

今回、「青春編」で登場した懐かしい人々がたくさん出てくる。一度は親鸞(範宴)に恋していた覚蓮坊(良禅)が、親鸞を徹底的に憎む役割で出てくる。善鸞も倉田版のようなどうしようもない人物ではない。また、黒面法師も名前だけは上巻で登場する。青春編で投げかけられた問いは、完結編で全て回収されるのか、上巻を読む限りは、まだ一切わからない。片鱗しか見えない。不安である。

2016年5月27日読了





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2016年05月29日 23時33分41秒
コメント(0) | コメントを書く
[読書フィクション(12~)] カテゴリの最新記事


キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

永田誠@ Re:アーカイブス加藤周一の映像 1(02/13) いまはデイリーモーションに移りました。 …
韓国好き@ Re:幽霊が見えたら教えてください 韓旅9-2 ソウル(11/14) 死体置き場にライトを当てたら声が聞こえ…
韓国好き@ Re:幽霊が見えたら教えてください 韓旅9-2 ソウル(11/14) 死体置き場にライトを当てたら声が聞こえ…
生まれる前@ Re:バージンブルース(11/04) いい風景です。 万引きで逃げ回るなんて…
aki@ Re:書評「図書館の魔女(4)」(02/26) 日本有事と急がれる改憲、大変恐縮とは存…
北村隆志@ Re:書評 加藤周一の「雑種文化」(01/18) 初めまして。加藤周一HPのリンクからお邪…
ななし@ Re:「消されたマンガ」表現の自由とは(04/30) 2012年に発表された『未病』は?
ポンボ@ Re:書評「図書館の魔女(4)」(02/26) お元気ですか? 心配致しております。 お…
むちゃばあ@ Re:そのとき 小森香子詩選集(08/11) はじめまして むちゃばあと申します 昨日…
KUMA0504@ Re[1]:書評「どっちがどっち まぎらわしい生きものたち」(02/26) はんらさんへ 今気がつきました。ごめんな…

バックナンバー

・2024年04月
・2024年03月
・2024年02月
・2024年01月
・2023年12月
・2023年11月
・2023年10月
・2023年09月

© Rakuten Group, Inc.