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テーマ:映画館で観た映画(8349)
カテゴリ:洋画(12~)
今月の映画評は「映画で学ぶ緊急非常事態条項」にしました。
「スターウオーズ/エピソード1~3」 来る参議院選挙。万が一自公政権が勝つようなことがあれば、安倍は改憲して緊急事態条項の創設を狙うでしょう。この「スターウォーズ・エピソード1、2、3」(1999~2005)では、いろんな物語が同時並行で進みますが、大きな柱は、1人の政治家が緊急事態条項の制度(非常時大権)を駆使して、ヒトラーみたいに銀河帝国の皇帝になってゆく話です。今回はそこにのみ絞って紹介します。 さて、第一部。最初は銀河共和国の小さな紛争から始まります。議会は討議に時間ばかりかけてなかなか進みません。共和国の一議員だったパルパティーンは「より力ある最高議長を選挙で選ぶ必要がある」と紛争当事国の元老院議員にけしかけます。そして議長不信任案決議を引き出し彼が最高議長に収まるのです。あとでわかるのですが、この時の紛争もこれから起きる戦争も全てパルパティーン、実はフォースの暗黒面を操るシス卿の仕業なのです。 第二部。シス卿は10年かけて銀河共和国からの独立を求める分離主義勢力を育てあげ、内戦の危機が迫ります。物語の主人公ジェダイたちは、警察と裁判所と執行官を兼ねたような超能力組織なのですが、ジェダイだけで銀河の平和と秩序を維持するのは困難になっていました。クローン兵の軍隊が密かに創られます。遂に戦争が勃発。議員が「非常事態なので議長に非常時大権を与えよう。そうすれば軍の創設ができる」と提案、議会がそれを議決します。この非常時大権が自民党の云う緊急事態条項です。自民党案は、この映画よりひどい制度です。内閣が必要と認めれば、議会を経ずに宣言、出来ることも期間も無制限です。 第三部。パルパティーン議長はいったん手に入れた非常時大権を手放しません。彼の陰謀で戦争は長期化します。議長が暗黒卿シスであるとやっと気がついたジェダイたちは、彼の逮捕に向かいます。シスは「元老院は私だ。これは反逆だ」と言い放ちます。議会で最高権力を握った彼のこの言葉、昨年日本の何処かで聞いたような。ジェダイたちに罪を着させて、シスは元老院議会で共和国を解体して銀河帝国の成立を謀ります(議会で決めるのがミソです)。「より安全で、安定した共同体に変わるのだ」とシスは宣言する。それを見た良心的な議員は「自由は死んだ。万雷の拍手の中で」というのです。日本は昨年、安保法制の制定で、その一段階を進みました。参議院選挙という最も民主的な手続きの中で同じことが起きないことを祈るばかりです。(ジョージ・ルーカス監督作品・レンタル可能) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年06月17日 10時52分17秒
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