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カテゴリ:考古学
今年に入って、2日続けての休みが取れなかったのですが、急遽取れることになり、かねて行きたかった丹後の弥生遺跡群に向かうことにしました(ここは交通の関係で、夜に出発というわけにはいかないので、丸々2日必要なのだ。でも、結局高知ほどには大きな収穫はなかったので、連載も4回で終わります)。舞鶴若狭自動車道の西紀(にしき)パーキングで、ちょいと休憩。「泳ぎたこ焼き」に「踊りたこ焼き」。ここは、明石焼ともまた違うこんなものを売り出している。食べませんでした。 綾部で京都縦貫自動車道に移って宮津で降りる。昼飯は手軽な道の駅みたいなところで、海鮮ものを頼んだのだけど、冷凍ものの寿司でした。残念。 そこから、天の橋立を望む。横から見るので、何が何やらわからない(一応半島の突端、つまようじみたいなものが天の橋です)。 多分、この辺りに春の頃に読んだ大風呂南遺跡があるはずだ。 京都府立丹後郷土資料館。弥生遺物の展示は、ここだけのような気がするのでとても期待していたのだが、なんか情熱の感じられないがっかりしたものだった。赤坂今井墳丘墓など、弥生時代最大級の遺跡があるのにもかかわらず、淡々としか書いていない。写真禁止なので、詳しくは述べれない。でも、ともかくここで行きたい遺跡の場所だけは教えてもらった。こういうところが、博物館のいいところなのだ。ここの資料館は、中世以降に力点があったようだ。与謝野蕪村特別展示をしていた。 この資料館は丹後国分寺跡のそばに併設されている。ここから天の橋立も見える。古代においても、この不思議な地形は、有名だったようだ。 そこから遺跡めぐりをする前に、天の橋立ワイナリーに寄る。甘いワインとケーキを買った。ここのぶどうは、牡蠣の貝殻を大量に土壌に蒔いていた。ぶどうつくりはやはりアルカリ性がいいのか。 男山を通り過ぎ、人に聞きながら、丸山墓地の道を少し上がると、大風呂南遺跡(弥生晩期)あとがあった。 鉄塔が立っていた。写真を見ると、ここから遠く天の橋立も一望出来ていたようだ。交通の要を司る王の墓だったのか。この遺跡を嚆矢として、丹後の王墓が始まる。それにしても、(台風が接近していた頃で)ちょうど雨が本降りになった。植物のツルも絡まりびしょびしょになる。 そこから竹の川流域を上る。三坂神社墳墓(弥生後期)。かなり迷う。入り口近くで、バーベキューをしていた家族に場所を聞く。「三坂神社は確かにここだけど、弥生遺跡なんて聞いたことがないわね」地域の人も知らない遺跡というのは、弥生遺跡の宿命である。登ってみると、なんのことはない、反対側から道が通っていて、ホテルや府立マスターズビレッジの施設が建っていた。この施設のために一山削ったのだろう。 説明板もあった。 ここは、山の突端。大風呂南遺跡と同じである。自分のテリトリーを見渡すところに作っている。この頃から、墓に多量の鉄器・ガラス玉が副葬される。王様が出来つつあった頃である。 そして、17号線にずれて、峰山街を抜けると、谷あいに赤坂今井墳丘墓がある。 国の指定になっていて、ちゃんと遺跡は保存されていた。 しかし、国の指定の割には他になんもない。 ここからは、眺望もよくない。テリトリーに作ったのではない。丹後の最後の大王と言われる。何かがあったのかもしれない。 明日、この地域で反原発の学習会があるようだ。文字に地域の怒りがよく出ている。ここは京都だ。しかし、福井の原発銀座はすぐ隣だ。地域に何の益もないのに、不安だけが大きく膨らんでいる。 今日はここまでにして、早いけど帰る。雨がひどくなった。ホテルは楽天で銀水という和風ホテル。まあまあ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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こんばんわ。
考古学関連たくさん書かれていますね。丹後はおぢさんも注目しています。弥生終末期あたりに列島の政治的中心が北九州から近畿に移動していますが、その時に鍵を握ったのがヤマトより一足先に発展した丹後だったのではと思っています。それまで、半島との交易をほぼ独占していた北九州に代わって九州を経由しない交易を他の新興地域が開始して力をつけたのでは?新航路を開拓したポルトガルスペインがベニスに取って代わったような状況があたのではないかと空想します。 原発が不安ですね。福島第一付近のようにならないことを祈るばかりです。 (2016年12月14日 20時04分36秒)
narcisse7さん
ようこそいらっしゃいました。 丹後は行ってみて改めてそのポテンシャルの高さに驚きました。弥生終末期の「大きな戦争を起こさずに日本統一を果たした」国のあり方を想像するのは、私のライフワークです。丹後も絶対一枚噛んでいるはずです。 ただ、一枚噛んだのは、丹後だけではなくて、北九州、出雲、吉備があります。その中で、大和の祭祀に大きな影響を与えた吉備が、1番のキーマンだと私は見ています(^_^;)。 また、おいでください。 (2016年12月16日 19時11分54秒) |
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