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テーマ:映画館で観た映画(8349)
カテゴリ:洋画(12~)
「アデライン、100年目の恋」 今年最後の映画評では、クリスマスから正月にかけて、恋人や家族で愉しめる、ハリウッド発のラブ・ファンタジーを紹介したいと思います。 2014年の大晦日。年越しパーティーに一人の若く美しい女性が現れます。彼女の名前はアデライン・ボウマン(ブレイク・ライブラリー)。見た目は29歳、しかし実は100歳を優に越えています。1937年のある事故によって歳をとらなくなったのです。しばらくはごまかしていた彼女も、1953年FBIによって拉致されかけて以降は慎重になり、偽名を使い、10年ごとに住居を変えて生きてきました。そんな彼女がパーティーで出会ったエリス(ミキール・ジョーンズ)という青年と恋に落ちて、運命が転回し始めます。しかも、彼の父親(ハリソン・フォード)は、アデラインが過去唯一名前を明かすほどに愛した男性だったのです。 ハリソン・フォードが、初めて息子の恋人としてのアデラインに再会した時、長年連れ添った妻が隣に居る事を忘れるほど驚き、そしてはしゃぎます。私も初恋の女性が当時のままの姿で突然目の前に現れたら、同じ反応を示すかもしれません。 しかし話は、父親の目線からでもなく、何も知らない息子の目線からでもなく、知識だけは増えていくけど常に「時」にとり残されるアデラインの目線から語られています。この葛藤が、今までのラブストーリーでは見た事がなくて、とても新鮮でした。彼女が、歳をとらない女性だということを周囲に悟られないために、いかに知恵を絞り気を配ってきたかは、作品前半で細かく語られています。「好きになっても一緒に歳を重ねられない」時の流れにとり残される苦悩はどんなものなのか、想像力が掻き立てられます。また、彼女の実の娘は83歳なのですが、ベテラン女優のエレン・バースティンが出ていて、「老女が母親を心配する」特異な役を上手く演じていました。 主演女優は映画俳優としては新人で、しかもミステリアスの美しさを持っていて、物語を印象的なものにしていました。80年間に渡って様々なファッションの変遷を1人で体現しているのも見どころです。 (2015年リー・トランド・クリーガー 監督作品DVDレンタル可能) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年12月25日 12時00分08秒
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