6856187 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

再出発日記

再出発日記

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

フリーページ

カテゴリ

お気に入りブログ

ネイルとデザート屋… New! はんらさん

消滅自治体の前に県… New! 七詩さん

源氏物語の紫式部日… New! Photo USMさん

ピーター・グリーナ… New! シマクマ君さん

『人間の未来 AIの未… New! Mドングリさん

カレンダー

2016年12月27日
XML
テーマ:本日の1冊(3685)

「日本の現場 地方紙で読む2016」早稲田大学ジャーナリズム研究所編 早稲田大学出版部

459pという分厚い本である。しかし、案外と読みやすい。デザインは、新聞発表時とほぼ同じ一行14字の4段組で通した。各シリーズの終わりに連載時のキャップが取材後記を書いている。わたしたちは新聞を隅から隅まで精読するだろうか?断じて否だ。わたしたちは記事を選んで、読む。すると、「事実」が目に飛び込んで来る。それが多い新聞がいい新聞だ。記者たちが足で書いた、いろんな人々の生の声が向こうの方から飛び込んでやって来る。そんなことをしているうちに、何時の間にか一冊の興味あるところを読み通していた。

地方紙の方が、朝日や毎日、ましてや読売や産経よりも鋭い記事が多いことは、戦争法をめぐる報道をチェックする中でも気がついていた。だから、ここには本にもなっている神奈川新聞の「時代の正体」も入っている。当然沖縄タイムスの「誤解だらけの沖縄基地」も入っている。東北ならではの「挽歌の宛先 祈りと震災」(河北新報)、「賠償の底流 東京電力福島第一原発事故」(福島民報)もある。しかしそれだけではない。新潟日報の「がんと向き合う」では、在宅医療の景色を地域の空気が感じられるまで描いているだろう。信濃毎日新聞は「群青の風 若者×社会」で、ラインでクラスの課題をまとめるやり方に一石を投じた。医療の問題、ひとり親問題、戦後70年の問題、地方の疲弊問題、テーマは全国紙でも扱えるが、アプローチは明らかに地方紙の方が読者に寄り添っていることがわかる記事が次々と目に入る。

良書である。是非とも毎年出して欲しい。

それにしても、百田尚樹の「誤解だらけの沖縄基地」発言を、ひとつひとつ反論している連載は、本土には1/10も伝わっていなかったとつくづく思う。「普天間飛行場は田んぼのなかにできた(だから県民の犠牲は少なかった)」発言にカチンと来た住民が、当時の集落の様子を再現したジオラマを作ったり、「基地の地主はみんな年収何千万」という百田発言にも丁寧に実際とは大きくかけ離れていることを書いている。「辺野古反対運動は日当制」「反対運動の資金源は中国」というとんでも意見にもきちんと取材して答えている。百田が自らの発言を訂正し、謝ったという事実はまだ聞こえてこない。反対に、ネットの世界で、こんな無責任な「意見」が、まだまだ拡散しているのが現実だ。

2016年12月26日読了





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2016年12月27日 18時27分48秒
コメント(0) | コメントを書く
[読書(ノンフィクション12~)] カテゴリの最新記事


キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

永田誠@ Re:アーカイブス加藤周一の映像 1(02/13) いまはデイリーモーションに移りました。 …
韓国好き@ Re:幽霊が見えたら教えてください 韓旅9-2 ソウル(11/14) 死体置き場にライトを当てたら声が聞こえ…
韓国好き@ Re:幽霊が見えたら教えてください 韓旅9-2 ソウル(11/14) 死体置き場にライトを当てたら声が聞こえ…
生まれる前@ Re:バージンブルース(11/04) いい風景です。 万引きで逃げ回るなんて…
aki@ Re:書評「図書館の魔女(4)」(02/26) 日本有事と急がれる改憲、大変恐縮とは存…
北村隆志@ Re:書評 加藤周一の「雑種文化」(01/18) 初めまして。加藤周一HPのリンクからお邪…
ななし@ Re:「消されたマンガ」表現の自由とは(04/30) 2012年に発表された『未病』は?
ポンボ@ Re:書評「図書館の魔女(4)」(02/26) お元気ですか? 心配致しております。 お…
むちゃばあ@ Re:そのとき 小森香子詩選集(08/11) はじめまして むちゃばあと申します 昨日…
KUMA0504@ Re[1]:書評「どっちがどっち まぎらわしい生きものたち」(02/26) はんらさんへ 今気がつきました。ごめんな…

バックナンバー

・2024年04月
・2024年03月
・2024年02月
・2024年01月
・2023年12月
・2023年11月
・2023年10月
・2023年09月

© Rakuten Group, Inc.