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2017年06月19日
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カテゴリ:邦画(12~)


「クリーピー 偽りの隣人」
去年観た映画の中で、1番の問題作を紹介します。観たのはちょうど去年の今ごろ。結局、秋の始りの頃まで、この作品のことが頭を離れませんでした。映画的には、決して傑作というわけではありません。黒沢清監督の特徴なのですが、省略があまりにも多くて想像力も膨らませるけど、わかりにくい処もあります。私的には肝になる人心コントロールの道具が安易過ぎる気もしました。
 
これは、ある連続殺人事件を扱った作品です。犯人は最初からあまりにも怪しいので、ここでネタバレしますが主人公(西島秀俊)の隣人(香川照之)です。隣人が誰をどうやって殺したか。簡単にいうと、マインドコントロールで被害者が被害者を殺すのです。そこがこの作品のクリーピー(おぞましい)処であり、なぜ殺したのかを考えると、最もおぞましくなります。観た直後、少し気になって原作の基になった事件を扱ったノンフィクション本を読みました。それがひと夏かけて、この作品のことを考え続けたきっかけになりました。それは「消された一家 北九州・連続監禁殺人事件」(豊田正義 新潮文庫)です。映画では、犯人の娘とされていた澪(藤野涼子)は、時々「あの人父親じゃありません」とはいうものの、自然に親子の振る舞いをしていたし、毎日学校にも通っていました。そこまでマインドコントロールができるものなのか?私はこれだけは映画的「ウソ」だと思っていました。しかし本書を読むと、この事件の生き残りで通報者17歳の少女は小学校と中学校に「通学」していたのです。そして、詳細は省きますが、事実として親子、親戚同士が殺しあっているのです。

映画は、いかにもフィクションみたいに推移して、あっけないラストを迎えます。けれども、その終わりからとんでもないリアルな闇が覗いている事に気がつく。実はそんな映画なのです。

関連書を読んで、私はマインドコントロールが可能ないくつかの法則がある事に気がつきました。密室性、絶対的な権力者、思考能力をなくさせる環境、それぞれを疑心暗鬼にさせ密告を奨励し孤立化させる仕組み、罪の意識の植え付けと殺人に無感覚になる価値観の変換。それらが整うと、人は人を平気で殺すのです。

そういう環境は、過去、日本でも歴史的につくられたことは無かったでしょうか。そうです、戦前の日本が正にそうだったのではないかと、私は思いました。

「クリーピー」は、去年の最もホラーな作品でした。(2016年作品、レンタル可能)





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最終更新日  2017年06月19日 10時39分59秒
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