6850890 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

再出発日記

再出発日記

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

フリーページ

カテゴリ

お気に入りブログ

緑の村マンション滞… New! はんらさん

韓国旅行2024春旅2… New! suzu1318さん

高齢化の中の高齢化 New! 七詩さん

ピーター・グリーナ… New! シマクマ君さん

マスク、パイナップ… New! ポンボさん

カレンダー

2018年02月12日
XML
テーマ:本日の1冊(3685)
カテゴリ:水滸伝


「岳飛伝15」北方謙三 集英社文庫

 ふり返ると、雄州の城郭に、旗が翻っているのが見えた。
 戦だけではなく、すべてのことが、自分が考えていることの、先へ先へと行く。
 あんなところに、あんな旗を掲げることなど、候真は考えてもいなかった。楊令が帝になるべきだと、酔っては言っていた戴宗のことが思い出される。
 候真は、雄州の城郭に背をむけて、歩きはじめた。
 体術を競った褚律が、心を病んでいる。自分は、ただ酒に溺れている。そして、酔うと、死んだ者のことしか思い出さない。
 老いるとは、こういうことなのだろうか。
 山道になった。候真は立ち止まり、気息を整えて、また歩きはじめた。(389p)

読み終えた。あと二巻だ。それこそ「気息を整えて」読んでいかねばならない。戴宗が酔いながらでしか主張できなかった「楊令戴帝論」は、この水滸伝シリーズが始まった時に多くの読者が「歴史的事実じゃないからあり得ない」とは思いながらも、当然そうなのだろうと思っていた道だろうと思う。それと違う道を模索した為に(何しろモデルはキューバ革命なのだ)、第3部に移って、かなり(おそらく)読者を減らしながらもこういう展開になっている。秦容などは、「中華に二つの国家があっても、国境は有名無実で、やがて消滅する。国家を支えるのは、物流である。」という「くに」を夢想して、その為に「命を投げ出す」覚悟を決めた(323p)。後の世の私などにとっては、それはあまりにも甘い考えの様に思う。しかし、物流そのもの、商品そのものの正体がわかっていなかった時代に、彼らの夢を嗤うことなどができるはずもない。候真の戸惑いも無理からぬことだ。

「自分が死ぬのだろうと思ったとき、それこそが人生なのだと、私には見えてきたのだよ」(247p)

「やるだけやって死ぬ、でも。インコが言う。でも、は崔如が教えたら、いつの間にか言うようになっていた」(353p)

私の人生も、彼らと同じく、未来は見えない。やるだけやって死ぬだけだ。

しかし、褚律が放っておけない(^_^;)。
2018年2月読了





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2018年02月12日 10時15分30秒
コメント(2) | コメントを書く
[水滸伝] カテゴリの最新記事


キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

永田誠@ Re:アーカイブス加藤周一の映像 1(02/13) いまはデイリーモーションに移りました。 …
韓国好き@ Re:幽霊が見えたら教えてください 韓旅9-2 ソウル(11/14) 死体置き場にライトを当てたら声が聞こえ…
韓国好き@ Re:幽霊が見えたら教えてください 韓旅9-2 ソウル(11/14) 死体置き場にライトを当てたら声が聞こえ…
生まれる前@ Re:バージンブルース(11/04) いい風景です。 万引きで逃げ回るなんて…
aki@ Re:書評「図書館の魔女(4)」(02/26) 日本有事と急がれる改憲、大変恐縮とは存…
北村隆志@ Re:書評 加藤周一の「雑種文化」(01/18) 初めまして。加藤周一HPのリンクからお邪…
ななし@ Re:「消されたマンガ」表現の自由とは(04/30) 2012年に発表された『未病』は?
ポンボ@ Re:書評「図書館の魔女(4)」(02/26) お元気ですか? 心配致しております。 お…
むちゃばあ@ Re:そのとき 小森香子詩選集(08/11) はじめまして むちゃばあと申します 昨日…
KUMA0504@ Re[1]:書評「どっちがどっち まぎらわしい生きものたち」(02/26) はんらさんへ 今気がつきました。ごめんな…

バックナンバー

・2024年04月
・2024年03月
・2024年02月
・2024年01月
・2023年12月
・2023年11月
・2023年10月
・2023年09月

© Rakuten Group, Inc.