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2018年02月24日
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「知ってはいけない 隠された日本支配の構造」矢部宏治 講談社現代新書

初めて氏の著作を読んだ。矢部氏は7年前に、あまりにも簡単に鳩山内閣が崩壊したことと福島原発事故の被害者の人権が無視される実態に衝撃を受けて、日本の支配構造を調べてたどり着いた結論を述べている。

ここに書いていることの8割から9割は、私を含めて長いこと平和運動をしている者にとっては常識の部類に入るだろうと思う。では面白く無かったかといえば、大変面白かったと言わなければならない。平和運動家たちがこの数十年間で書いてきた本が、果たして半年間で8万部も売れただろうか。私たちの常識は、国民の常識にはなっていないのである。だから、安保法(戦争法)というとんでもない法律を成立させてしまった。矢部氏の論理の展開の方法は、少なくとも長い戦後のジレンマを破るヒントがあるかもしれない。私はそのようにして読んだ。

例えば私たちは今迄「全ての元凶は安保条約にある!」と声を枯らして叫んできた。国民の反応はほとんど無かった。政府と財界が「安保を破棄するなんてあり得ない」ということを何十年もかけて国民を「教育」してきたからである。この本も、大枠では安保元凶論を書いているのに過ぎないのであるが、私たちの轍は踏まない。矢部氏は今まで書いてきた本の中で、何処が読者の関心を引いたのか、それを強調しながら論理を展開する。

つまり、
○日本の首都圏の空は米軍に支配されている(横田空域)。しかも、支配されているのは、首都圏だけではなく、日本の全ての空であり、必要とされれば日本の全土である(全土基地方方式)。
○その仕組みは、月2回の「日米合同委員会」にある。
と、いうものだ。

「そんなバカな!」とみなさんは言うかもしれない。と受けて、何度も何度も条文や公文書を元に論理を展開する。強調すべきところは必ず太文字にする。強調すべきところは、本文の中で2回は繰り返す。ホントに強調すべきことは、5回ぐらい繰り返したかもしれない。更には章ごとの表紙裏に、内容をマンガで要約してみせる。

こういう(しつこいぐらいの)読者に寄り添う姿勢は、少なくとも私には無かった。

今回の本のいろんなレビューを読んでいると、「砂川裁判の最高裁判決」によって、安保条約(と高度に政治的問題)を日本国憲法よりも上位に置く日本の仕組みができていることへの反応が多かった。
北方領土返還が安保条約の為にムリという仕組みにも反応が多かった。参考にしたい。「なぜか、うすうす感づいていた」という感想も散見する。それこそが、この60年間の運動で宣伝してきた「成果」なのかもしれない。その醒めた意識を「怒り」に変えるのにはどうすればいいのか、まだまだ課題は多い。また、密約の内容では新しく知った部分が多かった。勉強になった。





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最終更新日  2018年02月24日 12時00分13秒
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