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再出発日記

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2018年07月04日
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「太陽の塔」森見登美彦 新潮文庫
作者のデビュー作である。京都の大学生たちの歯牙ない失恋状態を延々と描写している。或る種の者たちにすれば、聖書のように箴言に満ちた文章であっただろう。

わたしは、この書を紐解きながら或る先輩の事をずっと思い出していた。彼は「世のフラレタリアートよ、決起せよ」と叫んだ。職場の寮で賄いの叔母さんが作ってくれているカレーとご飯を、常にモリモリと盛り、そのことによって世の中の搾取を挽回する計画を立てた。タヌキのような大きな腹を見せながら、顔を突き合わせる度にわたしに党に入れと誘った。わたしは客観的にもその資格があることは認めながらも、その度に断った。党に入ると碌なことはない。岡山市表町商店街で月一回の支部会と称して穴蔵でロックを飲み干す企ての共謀正犯になるどころか、独りその前に女性グループに声をかけなければならないという新入党員鉄の掟なるものを強制させられる。という噂を聞いた。バレンタイン革命なるものを目指しているという噂も聞いた。幾歳月が過ぎ、先輩はとおに職場を辞し、人には言えぬあれもこれもした後に、2年前のバレンタイン・イブの日の凍れる道端で行き倒れになった。危なかったところを生還して、なんと未だにわたしに毎日の如くフラレタリアートの党に加入せよと電話してきている。もちろん、わたしは断っている。

よって、この作品の登場人物たちがクリスマスファシズムに抗して「ええじゃないか騒動」を共謀する、その未来も充分に予想出来たのである。

「幸福が有限の資源だとすれば、君の不幸は余剰を一つ産みだした」





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最終更新日  2018年07月04日 23時14分04秒
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