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2018年07月15日
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テーマ:本日の1冊(2938)

「輝ける闇」開高健

事前に解説や煽り文を見ると、この小説はベトナム戦争を描いているかのようで、実は酷く内省小説なのだ(「人間の闇を探った」)という評価なので、そういうものだと思いながら読み進めると、当たり前だが、そういうテーマはあるにせよ、描いているのは、今までに読んだことのない詳細な「ベトナム戦争小説」だった。

サイゴン近郊の対ベトコン最前線基地の描写は、「地獄の黙示録」で描かれた川沿いに点々と映った米兵基地の内実のように思えたし、サイゴン市内の戦争に膿んだ市民や記者や知識人の描写は、高野秀行「恋するソマリア」の内実をホントにシリアス化した文章、或いは北方謙三「岳飛伝」の小梁山の800年後の姿のようにさえも思えた。

池澤夏樹の指摘する凝りに凝った文体は、私も感じ、感嘆したが、ここでは繰り返さない。

主人公が恋人の素娥(トーガ)に何も言わずに戦線に戻る理由は、なかなか分かりにくい。しかし、その分かりにくさが、小説なのだろうとも思う。軍国少年だった主人公が、途中中断した死に赴く自らの主体を取り戻すのが理由なのだろうか?わからない。もっとも、マーク・トゥーエンの小説を延々解説したくだりを読み飛ばすような読み方しかできなかったわたしが、一発でわかるはずもないのではあるが。

年譜をみると、安保反対集会やベ平連にも参加、一方でアイヒマン裁判傍聴、徳島ラジオ商殺人事件裁判、東京オリンピック、等々のノンフィクションを手がけ、その延長の最後の頂点にベトナム戦争があったことがわかる。まるでこの小説のようだ。体裁は社会派、内実は内省派。

掘れば、もっと面白いのかもしれない。しかしわたしは、此処で撤退する。

2018年7月読了






最終更新日  2018年07月15日 09時50分08秒
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