6854934 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

再出発日記

再出発日記

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

フリーページ

カテゴリ

お気に入りブログ

源氏物語の紫式部日… New! Photo USMさん

クリスティアン・ロ… New! シマクマ君さん

『子供より古書が大… New! Mドングリさん

異人たち★山田太一原… New! 天地 はるなさん

韓国旅行2024春旅2… New! suzu1318さん

カレンダー

2018年07月20日
XML
カテゴリ:洋画(12~)

6月に観たのは、12作品じゃなくて13作品でした。ラスト5作品を紹介します。



「空飛ぶタイヤ」

2016年4月新聞社の調査報道を扱った「スポットライト」の映画の感想を仲間で語ったとき、三菱の燃費偽装問題が起きた。度重なる三菱自動車のリコール隠しであるにもかかわらず、倉敷市はいち早く三菱自動車の全面的な税金投入を決定し、世の中の報道は、三菱労働者の休業生活がどうなっているかに終始した。私は「スポットライト」のジャーナリストと比べて「おかしい!」と文句を言った。「報道すべきは、こんなことではない。なぜ三菱でリコール隠しがなくならないのか。そのことに切り込んだ報道を今こそすべきではないか」映画仲間には、マスコミ関係者もいる。彼は確かこう言ったと思う。「日本では無理だろうね」あの財閥系大企業に逆らう報道をするなんて、ということらしい。この映画の中でも、一旦決まった週刊誌掲載がボツになるのは、グループ全体の広告費のせいだというシーンがある。「おかしいじゃないですか?アメリカに出来てどうして日本で出来ないんですか!ジャーナリストとしてのプライドはどうなるんですか!」私は声を荒げた。しかしそれだけだった。


この映画の中ではホープ自動車の事になっているが、2002年の三菱自動車のタイヤの構造的欠陥で死亡事件が起きたことがモデルであることは明らかである(「この映画はフィクションであり」というお決まりの文句さえ、入っていなかったことに今気がついた。監督が入れたくなかったんだと思う)。構造的欠陥を作ったのは、企業の構造的隠避体質であることを、有る程度は明らかにした作品である。


そして、あるべき会議の記録は、遂に隠して隠して隠し通したので安心していた「上の人たち」の悪事を暴いたのは、会議の記録の暴露だったことが、わかるラスト。それはそれのまま、現代日本の「政治」の構造的隠避体質と同じだろう。


宣伝では、赤松運送の長瀬、ホープ自動車のディーン、ホープ銀行調査部の高橋一生の3人が主要登場人物になっていたが、実は高橋はほとんど関係ない。そして1番のキーマンは、最後貧乏くじだけをひいている中村蒼であるはずなのだが、「現実」と同じように、全然注目されないのである。

(ストーリー)
ある日突然起きたトレーラーの脱輪事故。整備不良を疑われた運送会社社長・赤松徳郎(長瀬智也)は、車両の欠陥に気づき、製造元である大手自動車会社のホープ自動車カスタマー戦略課課長・沢田悠太(ディーン・フジオカ)に再調査を要求。同じ頃、ホープ銀行の本店営業本部・井崎一亮(高橋一生)は、グループ会社であるホープ自動車の経営計画に疑問を抱き、独自の調査を開始する。それぞれが突き止めた先にあった真実は大企業の“リコール隠し”―。果たしてそれは事故なのか事件なのか。
監督 本木克英
出演 長瀬智也、ディーン・フジオカ、高橋一生、深田恭子、寺脇康文、小池栄子
[120分 ]

http://soratobu-movie.jp/sp/

2018年6月18日
TOHOシネマズ岡南
★★★★



「ワンダー 君は太陽 」

予想されるような陰湿なイジメは、あっさり描かれる。周りの子供も、親も、教師も理想に近いほどの理解があって、酷いのは、イジメを主導した男の子の親ぐらいなものだ。(「これが現実なのよ」)確かにオギーはがんばった。しかし、描きたかったのはおそらくそこではない。


非常にテンポいい演出。明るさを強調。うまく行き過ぎが、少し心配。


途中で数回語り手が入れ替わる。オギー、姉、友達、姉の友達。友達までならば、観客の我々も彼らの善意は予想の範囲内だ。けれども、姉の友達までになると、その心の内を映画を通じて見ないことには、その美しい顔の容姿の下の淋しい心はわからない。でも、「よく見る」そうすることによって、「理解し合える」ことを押し付けがましくはなく、描くことに成功している。小学5年の修了式の表彰を、クライマックスに持ってきて少しうるっとこらせるのは、オギーの障害が、発達障害や吃りなど、誰にでもあり得ることをみんな承知しているからではある。

(ストーリー)
10歳のオギー・プルマン(ジェイコブ・トレンブレイ)は、普通の子には見えない。遺伝子の疾患で、人とは違う顔で生まれてきたのだ。27回もの手術を受けたせいで、一度も学校へ通わずに自宅学習を続けてきたオギーだが、母親のイザベル(ジュリア・ロバーツ)は夫のネート(オーウェン・ウィルソン)の「まだ早い」という反対を押し切って、オギーを5年生の初日から学校に行かせようと決意する。夏休みの間に、オギーはイザベルに連れられて、校長先生に会いに行く。先生の名前はトゥシュマン(マンディ・パティンキン)、「おケツ校長だ」と自己紹介されて、少し緊張がほぐれるオギー。だが、「生徒が学校を案内するよ」と言われたオギーは動揺する。
監督 スティーヴン・チョボスキー
出演 ジュリア・ロバーツ、ジェイコブ・トレンブレイ、オーウェン・ウィルソン、マンディ・パティンキン、ダヴィード・ディグス、イザベラ・ヴィドヴィッチ、ダニエル・ローズ・ラッセル、ナジ・ジーター
[ 上映時間:113分 ]

2018年6月18日
TOHOシネマズ岡南
★★★★
http://wonder-movie.jp/



「焼肉ドラゴン」

なぜ監督は既に評価の定まっているこの作品を苦労してまで映画化したのだろう?もしかしたら、有名俳優を使えばヒットするかもと考えたのだろうか?それが全然ないとは言えないだろうけど、大きな理由はそれではない。と思う。


いくら演劇で賞を獲っても観た観客数は映画の観客数に遠く及ばない。できるだけ多くの日本人や韓国人に等身大の在日を見せる。それに尽きるのではないか?


多くの日本人に、この作品で在日の真実がわかるとは思えない。あの夫婦、北に行って馬鹿だなあ、という感想がたくさん出てくるのがオチと言えばオチかもしれない。セリフでさらっと出てくるだけなので、若者が在日の不平等に心を砕くかどうかはとても疑問だ(戦中の補償、日本籍問題、済州島事件、強制立ち退き等々)。だけど、親と子の情、男女の愛憎は、万国共通である。井上真央と桜庭みなみ、そしてイ・ジョンウン、キム・サンホがとっても良かった。映画だから出来る、ほぼバイリンガルの会話もとっても自然だった。基本会話が多いので、ハングル初心者にも学習用にとっても良い。


韓国人は顔が日本人そっくりだから、日本人は韓国人の振る舞いが癪に触って仕方ない。もういい加減気がつかなくてはならない。一世二世は、そうはいっても韓国人なのである。外国人なのである。「情」に厚いが、白黒はっきりつけなくては気が済まない。どんなに人前でも、唾を飛ばして喧嘩をする。人と人との距離が近いから、ゴミゴミしたところでも大丈夫だけど、ホルモンとキムチは、やはり韓国人が作った方が美味しいのである。3人の美人姉妹は三つの違う道に進む。それは戦後在日の歴史でもある。在日映画の秀作である。

(ストーリー)
日本万国博覧会が開催された高度経済成長期の1970年、関西地方で焼肉店「焼肉ドラゴン」を営む龍吉(キム・サンホ)と妻・英順(イ・ジョンウン)は、娘3人と息子と共に暮らしていた。戦争で故郷と左腕を奪われながらも、前向きで人情味あふれる龍吉の周りには常に人が集まってくる。
(キャスト)
真木よう子、井上真央、大泉洋、桜庭ななみ、大谷亮平、ハン・ドンギュ、イム・ヒチョル、大江晋平、宇野祥平、根岸季衣、イ・ジョンウン、キム・サンホ
(スタッフ)
原作・脚本・監督:鄭義信

2018年6月28日
Movix倉敷
★★★★

http://yakinikudragon.com/sp/



「万引き家族」

テレビドラマ「幸色のワンルーム」が誘拐自体を肯定している。助長しかねない、という批判を受けて、1部の放送局の放映を中止した。そのことに関して、その批判に対して「表現の自由の侵害」「コナンなどの殺人を扱った他の作品も悪いことになる」と再批判が起こる。それに対して、当初の批判をした太田啓子弁護士がインタビューに応えている。「殺人、窃盗は、作品の中でも悪いことだという認識が通用している。しかし、この作品の中には、(虐待を受けていた少女が)誘拐された方が幸せになれる、という認識がまかり通る。殺人は世の中がそういう認識を許さないが、誘拐はそういう認識を許すのが現代日本であり、そういう状況がある限りこの作品は放映されてはならない。」と大まかにはそういう反論を行っていた。なぜ長々と、そのことを述べたのか?この作品が誘拐を助長するように描いているからか?そこまではいかなくても、誘拐は結局許されるんだと描いているからか?これが許されるのならば、太田弁護士の論理は通用しないからか?結論的に言えば、映画を見てわかるのは、家族が嫌になったら擬似家族を作ればいいじゃないか、とは決してならない作品だった。ということは、分かる。


もっと大事な視点がある。わたしも微かに覚えている。年金受給者が死んだ後も、それを隠してずっと年金をもらっていた擬似家族の報道を。あれが実はこういう家族だったという問いかけの映画ではない。物事の真実は、いつも「微妙な中」にこそあり、報道で分かった気になってはいけないのである。万引きは良くないことである。これはどう言い訳しようとも誘拐である。だから、主人公は法的に罰せられただけではなく、孤独に独り罪と向き合っている。それでも、その後に、何かをつかんでいる。それはこの家族にしか見えないものであり、いくらにているからと言って昔報道された擬似家族がその景色を観たとは誰も思わないだろう。彼らは確かに観た。その確信を、わたしは映像の中に観る。松岡茉優が無人の引き戸を開けた時、安藤サクラが何なんだろうねと涙を拭ったとき、城桧吏がけじめをつけたとき、佐々木みゆがラスト「外」に何かを見つけたとき。リリー・フランキーだけは何も見つけていないかもしれないが(笑)。


あ、それから、日本の貧困対するセーフティネットの欠如は、思ったよりも実にさりげなく、作られていた。老人の年金受給が2ヶ月で12万円もないことに、若者は気がついただろうか?日雇い労働者が明らかに仕事中事故をしても、労災が下りないのに若者は怒りは湧かないのか。長年勤めている労働者の首切りが平然と行われることに怒りは湧かないのか?さりげなく描かれているので、若者が「政府から助成金もらっているのに、そんな告発映画作っちゃダメだろ」というのは、二重の意味で「忖度」する発言である。バカらしい。


改めていうが、そんなことをいう若者(だけじゃなく大人も大勢いるけど)の殆どは作品を実際に観ずに言っている。映画の批判は、作品を観てからにすべきである。

(STORY)
治(リリー・フランキー)と息子の祥太(城桧吏)は万引きを終えた帰り道で、寒さに震えるじゅり(佐々木みゆ)を見掛け家に連れて帰る。見ず知らずの子供と帰ってきた夫に困惑する信代(安藤サクラ)は、傷だらけの彼女を見て世話をすることにする。信代の妹の亜紀(松岡茉優)を含めた一家は、初枝(樹木希林)の年金を頼りに生活していたが……。
(キャスト)
リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、池松壮亮、城桧吏、佐々木みゆ、緒形直人、森口瑤子、山田裕貴、片山萌美、柄本明、高良健吾、池脇千鶴、樹木希林
(スタッフ)
監督・脚本・編集:是枝裕和
音楽:細野晴臣
撮影:近藤龍人

2018年6月24日
Movix倉敷
★★★★


http://gaga.ne.jp/manbiki-kazoku/



「女と男の観覧車」

ケイト・ウィンスレットに尽きる。見事な存在感。もしかしたらホントにこの女性は「タイタニック」のあと、作品に恵まれなくてやさぐれていたのかな、とうたぐってしまうほどの迫真の演技。ホントはその後何度も女優賞にノミネートし、遂には最優秀女優賞さえ獲ったというのに。


82歳になって、もはやウッディ・アレンはコメディを作らないのだろうか。長い人生で付き合って来た女たちの、少女のような夢、ぞくりとする色気、悪魔のような嘘、醜い執着、それらをまるでこれでもかという風に遊園地の見世物のように見せる。ここに出ている海岸監視員は、軍役の後に世界を旅した知識人という20代の若者。82歳のウディ自身の分身である。だとすると、彼女に儚い夢を持たせ、そして捨てるのは、彼自身の告白なのかもしれない。


舞台は最初から危うい均衡に成立している。ギャングに追われた妹が、最初追手から逃れるのは幸運以外の何物でもない。そのつかの間の悲劇の間に、妹は中断の学問をして恋をする。そのつかの間の希望は、まるで観覧車が与える美しさのようでもある。ジニーの息子の放火癖は、彼女の抱える人生の罪の(不倫による夫の自殺、諦めきれない女優の仕事、40歳間近という身体の衰え)合わせ鏡である。冒頭の放火にせよ、心理医療者の家への放火にせよ、冒頭か最終には死者を出す大事故を起こしていても仕方なかった。彼女が若者との不倫で夢観たのは、そのつかの間の観覧車の美しさだったのかもしれない。


老いてますます軒昂。ウッディ・アレンは素晴らしい。

(解説)
ウッディ・アレン監督がケイト・ウィンスレットを主役に迎え、1950年代ニューヨークのコニーアイランドを舞台に、ひと夏の恋に溺れていくひとりの女性の姿を描いたドラマ。コニーアイランドの遊園地内にあるレストランで働いている元女優のジニーは、再婚同士で結ばれた回転木馬操縦係の夫・ハンプティと、ジニーの連れ子である息子のリッチーと3人で、観覧車の見える安い部屋で暮らしている。しかし、ハンプティとの平凡な毎日に失望しているジニーは夫に隠れて、海岸で監視員のアルバイトをしながら劇作家を目指している若い男ミッキーと不倫していた。ミッキーとの未来に夢を見ていたジニーだったが、ギャングと駆け落ちして音信不通になっていたハンプティの娘キャロライナの出現により、すべてが大きく狂い出していく。ウィンスレットが主人公のジニーを演じるほか、ミッキー役を歌手で俳優のジャスティン・ティンバーレイク、ハンプティ役をジム・ベルーシ、キャロライナ役をジュノー・テンプルがそれぞれ演じる。

(スタッフ)
監督ウッディ・アレン
製作レッティ・アロンソン
エリカ・アロンソン

http://longride.jp/kanransya-movie/

2018年6月25日
シネマ・クレール
★★★★






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2018年07月20日 07時43分21秒
コメント(0) | コメントを書く
[洋画(12~)] カテゴリの最新記事


キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

永田誠@ Re:アーカイブス加藤周一の映像 1(02/13) いまはデイリーモーションに移りました。 …
韓国好き@ Re:幽霊が見えたら教えてください 韓旅9-2 ソウル(11/14) 死体置き場にライトを当てたら声が聞こえ…
韓国好き@ Re:幽霊が見えたら教えてください 韓旅9-2 ソウル(11/14) 死体置き場にライトを当てたら声が聞こえ…
生まれる前@ Re:バージンブルース(11/04) いい風景です。 万引きで逃げ回るなんて…
aki@ Re:書評「図書館の魔女(4)」(02/26) 日本有事と急がれる改憲、大変恐縮とは存…
北村隆志@ Re:書評 加藤周一の「雑種文化」(01/18) 初めまして。加藤周一HPのリンクからお邪…
ななし@ Re:「消されたマンガ」表現の自由とは(04/30) 2012年に発表された『未病』は?
ポンボ@ Re:書評「図書館の魔女(4)」(02/26) お元気ですか? 心配致しております。 お…
むちゃばあ@ Re:そのとき 小森香子詩選集(08/11) はじめまして むちゃばあと申します 昨日…
KUMA0504@ Re[1]:書評「どっちがどっち まぎらわしい生きものたち」(02/26) はんらさんへ 今気がつきました。ごめんな…

バックナンバー

・2024年04月
・2024年03月
・2024年02月
・2024年01月
・2023年12月
・2023年11月
・2023年10月
・2023年09月

© Rakuten Group, Inc.