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再出発日記

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2018年09月04日
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「アマゾンの船旅(地球の歩き方・紀行ガイド)」高野秀行・文 鈴木邦弘・写真 ダイヤモンド社

「河口から最長源流までローカル船を乗り継いでさかのぼる、6770kmの旅」。91年の発行。高野秀行さんの実質二作目である。後に集英社文庫「巨流アマゾンを遡れ」になった時には、大幅に(しかもカラー)写真が減っているはずなので、絶版になっているこれはかなりレアな本。

文庫本にはないらしいが、巻末40p近く、「地球の歩き方」宜しく具体的な「アマゾンとは」「行き方」「旅に出る前に」「船旅ガイド」「ジャングルツアーについて」「アマゾンの自然」「主な都市案内」「簡単な会話」「参考文献」まである。どうやらそれも全て高野秀行さんが書いていて、普通に書いている処もあって珍しいが、たとえば「ジャリ周辺で"見どころ"とかろうじて呼べるのは、(略)サン・アントニオの滝ぐらい」と普通の「歩き方」では書いちゃダメな表現があり、街の地図も載っているけど、おそらく高野さんがメモしていて「いちおう中心街と呼べるかもしれない」などと書いている。行くつもりは決してないけど(ホントはこんなのを見ると行って見たい気持ちがムクムクと湧くけど)、そんなのを見ているととても楽しい。しかし、もし本気でアマゾン巡りをしようという気が起きたならば、文庫本ではなく、この本を手に入れるのは必須だと思われる。

写真の鈴木さんも、よくこの旅について来たな、と感心する。幻の大魚、ピラクルの真紅の尾っぽの見開き2ページの写真などは、よくこの旅の雰囲気を現している。

「(最後の源流への旅をのぞけば)普通の旅行者が普通に行ける旅である」といちおう高野さんは言っているが、高野基準で「普通の旅」のことを言っており、事前準備に何年もかけない、一週間で終わらすように短い期限も設けない、普通の旅行者リスクも覚悟する、という意味で言っており、ある程度こういう旅に慣れていない人でないとむつかしいだろうと思う。

たとえ「普通の旅」でも、旅にはいつも「ワンダー(驚きの発見)」がついて回る。この本にはどこをめくってもそれがあった。

高野さんのデビュー作は、基本的には大学サークルの報告書(「幻の怪獣ムベンベを追え!」)であり、2作目は旅行のガイド本だった。つまり、型から入ったわけだ。しかし、出来上がったものは規格外のものだった。思うに、世に出る人とはそういうものだろう。

2018年8月読了





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最終更新日  2018年09月04日 07時19分39秒
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