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テーマ:本日の1冊(3685)
カテゴリ:水滸伝
「盡忠報国 岳飛伝・大水滸読本」北方謙三編著 集英社文庫 私は確かに最終巻に於いてこうお願いしておいた。「集英社さん!「読本」は出すんですよね⁉︎お願いしますよ!その時は、シリーズを通しての年表と地図をお願いします!」遅れたが読本は出た。一応年表も地図もついている。だから先ずは感謝の辞を述べておく。その上で大きな声で非難したい。私が言ったのは「シリーズを通しての年表と地図」である。大水滸読本と冠している以上は、岳飛伝年表と地図では不足なのは明らかである。私のイメージしていたのは、楊業の吹毛剣獲得の頃から始めて、上に小説上の出来事、下4分の1は中国の正史を載せる。というものである。それが揃って、大水滸伝を多重的に読み直す事ができるだろう。地図は簡単だ。51巻まで作ってきた地図を全て載せればいい。年表は今までの蓄積があるから、編集者にとっては他の駄文を書く時間を省けば簡単だろう。そんなページ数は無いって?冗談は止して貰いたい。山田某という編集者が、今回はページ数が足りなかったので、わざわざ自分の書いた妄想を新たに50ページも書き下ろして、(本篇よりも120円近く高くして)作ったと言ってるじゃないか。私は「怪文書」なるものもホントに妄言であって必要なかったと思う(それを入れれば73pも空きが出来る)。私は99%は異論があると思われる人気ランキングベスト10なんぞも要らなかったと思う。 ただ読み損なっていた、著者が既に亡くなっていた好漢たちに会いに行く「やつら」は、素晴らしかった。いやあ全篇読み応えがあったと思う。特に朱貴の饅頭の秘密が分かったのは良かったし、石勇が知られざる自分の過去を聴いてそして落ち込んでいる場面、扈三娘が著者に聞いた意外な事、著者に自分が死んだ時に弔い酒を飲んでいなかったと告白させた李袞、宋江への想いを正直に語った宋清、等々はとても面白かった。 ひとつ、この本を読んでとっても驚いたことがある。テムジンが胡土児の隠し子であるとかの身も蓋もない展望のことではない。著者が元々構想していた「岳飛伝」では、ある人物に吹毛剣が渡り、その人物が岳飛を切って終わらす予定だったという。ところが、その人物は早々に死んで仕舞ったので胡土児に渡ったらしい。誰なのか?どう考えても出てこない。岳飛を切る事が出来て早々に死んで仕舞った人物?梁山泊第一世代ならばみんな資格があるけれども、老人に岳飛を切らすのか?南宋にそんな人物はいなかったはずだ。李師師?物語がムチャクチャになる。辛晃か?あまりにも小物だ。金国には?ウジュは最後まで生きていた。他には人物はいない。蕭炫材?1番資格があり、話も繋がるけれども、まだ生きているじゃ無いか。蔡豹?蔡豹なのか?でもどうして?ともかく、大きな謎だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年09月09日 08時40分13秒
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