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テーマ:本日の1冊(3685)
カテゴリ:読書(ノンフィクション12~)
「京都の路地裏 生粋の京都人が教えるひそかな愉しみ」柏井壽 幻冬舎文庫 京都の旅から帰ってきました。今回柏井さんの新書を4冊持って行ったのですが、結果的に1番役に立った(旅途中、最も鞄から取り出した)本がコレでした。食べ物も、旅スポットも、そんなにテーマが統一されているわけでは無いのですが、所謂観光旅をしない私の好みに合った場所がたくさんあったということなのでしょう。実は、約40年前の受験で兄貴の下宿に宿泊しながらこの時ばかりとまるまる一週間京都を観光しました。そこで銀閣寺、清水寺、金閣寺、嵐山等々の観光スポットは回り尽くしたという自覚があって、その時の旅スタイル、歩き通す旅が最も楽しい発見のある旅として私の身に染み付いたのです。だから、京都に来たらもう有名な場所には行かないことにしています。 京都に着いていの一番に行ったのは、夜な夜な怨みを抱いて通った女の実家の井戸(「鐡輪の井」)です。貴船神社は丑の刻まいりで有名。そこへ、五条上がるのこんな所から毎夜三時間はかけて呪いに行く。しかし安倍晴明の力の前に女は逃げ帰る。そして身を投げた所らしい。ここの井戸の上にペットボトルの水を一晩置くだけで、縁切りの水として霊剣新たかになるらしい。これがまた、地図アプリでピンポイントで場所を示されても見つけられない微妙な場所にあり、本の文章を精読してやっと印を見つけてたどり着いたのです。この井戸にも鍛治屋町敬神会が解説書を置いていた。他の場所も教育委員会の説明板など大抵付いている。しかし、本の解説はそれとは明らかに違う原典から解説しており、安直な所から情報を得ていないこともわかった。 その他にも、土蜘蛛伝説に繋がる源頼光の大蜘蛛退治の蜘蛛塚二つ(上品蓮台寺と北野天満宮の角)、大工の嫁が八百年都を災禍から守り続ける神さまになる「おかめ塚」、実はこちらにも飛梅があり菅原道真産湯の井戸まである「菅大臣神社」、平将門の首が晒されていた場所「神田明神」、猫の恩返しの伝説のある猫寺、全体的に、怨みや不運を避けるための塚や施設が京都には其処彼処にある。京都だから、それが1000年以上伝えられているのが珍しく無いのが、とても珍しいと思った旅でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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私はいまのところ、「京都へ行くぐらいなら奈良へ」という人間なのですが、さすがに面白そうですね。今年から勤務は月と火、週六時間授業になりましたので、暇は出来ましたが、金がありません。それでもやはり人間らしい生活するために近場でもいいから旅をしたいと思っています。まろ
(2019年04月25日 14時49分06秒)
まろ0301さんへ
京都も奈良も千年以上の都ですが、京都は長い間日本の首都だった関係もあって、その歴史の蓄積は、ただもんやありしまへん。「ちょっと前に、あそこからお地蔵さんが掘りだれましてなあ」と言った「ちょっと前」が、豊臣秀吉の洛中洛外がわける堤造営の時のお地蔵さんと分かるまでに、ちょっと時間がかかりました。面白かったです。行く価値ありです。 (2019年04月26日 14時23分56秒) |
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