「おひとり京都の愉しみ」柏井壽 光文社新書
今回の旅では、この本を1番使うと思っていた。まさに今回は「おひとり京都」だったからである。この本の1番のオススメは冒頭の章だと思い、2日目は下鴨神社周りの散策を最初にした。そこから延々と歩いて北野天満宮まで行った。
結局この日の歩数は3万5千歩ほどになったのだが、ものすごく役に立った部分と、歩いた割には残念な部分が半々だったと言っていい。よって、点数低め。
よかったのは、みたらし団子発祥の店のみたらし団子を食べることが出来たこと(「加茂みたらし茶屋」)。この地域に他にみたらし団子を売っている店はなく、本家宗家を好きな日本人が自他共に認める発祥団子だとわかったし、実際食べてみて形状・味そして店の佇まい共に他と隔絶していた。下鴨神社の御手洗池のぽこぽこと浮かぶ泡を見立てて小ぶりの5つの団子を作り1つを離して頭にして人型にしていた。謂れは鎌倉時代の後醍醐天皇に至る。コレが京都という街なのである。
そこから御霊神社に行く途中に出雲路橋を渡る。ここから見る比叡山から大文字山に至る東山が「もっとも美しいプロポーションを見せる」と著者は書く。理解できなかった。比叡山を眺める『額縁門』の天寧寺にも行ったが「まあそんなもんかな」と思った。
オススメの昼食は、一つは当たり(「淡海」)、一つは見つけられなかった。夕食は、一つは食べることができて(「まんざら亭NISHIKI」)、もう一つ(二ヶ所回ったのだが)は、見つけられなかった。そのうちの一つは既に閉店しているとしか考えられない。著者がこの本の中でも熱を入れて紹介していたのに残念(発刊から10年経っているので仕方ない所もある)。しかも、この2つを探すために1時間半歩いた。少し怨みが点数に入るのも理解してもらいたい。全体的に、一万円コースの夕食は、著者はなんとも思っていないようだが、それは一般庶民の感覚とは違う。もちろん「カジュアル」と表現しているのは、その半額でもOKだ。まだまだ行き損ねた所や、行きたい所は多い。また来たいと思う。