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2019年06月16日
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カテゴリ:邦画(12~)
今月の映画評です。


「葛城事件」
川崎殺傷事件というなんともいやな事件が起こりました。明確な殺意を持って、20人をも切りつけ、そして自殺をはかった犯人。その数日後に農水相元事務次官というエリートが、「息子が同じような事件を起こすかもしれない」と言って殺すという事件も起きました。そのような時に思い出したのが、この映画です。
観た時、ものすごくいやな気持ちになりました。葛城稔という青年が、死にたくて死刑にしてもらいたくて無差別殺傷事件を起こした、その顛末を描いた作品です。そこに至るまでの家族の数年間を描いています。青年の父親を三浦友和が演っていて、家父長的なその抑圧が稔に事件を起こさせたかのように描いています。父親は一切法律に反することはしていないし、暴力もほとんどふるいません。けれども、ホントにいやな男なのです。中国料理店で店員にクレームをつける場面でそれが見事に表れていました。あんまり嫌すぎて、この作品を忘れたくて、その年のベスト10にも数えませんでした。あれから3年。こんな事件が起きると、直ぐに思い出す。やはりものすごく力のある作品だったなあと思うのです。
今回の2つの事件と、この作品が似ているわけではありません。断じて似ていません。でも、この作品を紹介するのは、引きこもりといい、家庭内暴力といい、父親の抑圧といい、本人たちでないとわからない実情が描かれているからです。「死ぬのならば1人で死んでくれ」とか「お父さんは正当防衛だ、殺されても仕方ない」とか、軽々しく呟いてはいけないと思うのです。映画は本人たちでないとわからない心情を想像する力をくれます。
シネマ・クレールで観ていて、中途で1人の老人が退館しました。父親のせいで葛城稔だけが壊れていくのではなく、長兄も妻もぐにゃぐにゃに潰れていくのが見えてきた頃でした。その先に無差別殺傷事件が描かれるのは必然でした。私も出て行きたかった。そんな気持ちになったのは初めてです。でも、座っていました。後悔しました。
葛城稔役に若葉竜也、妻役に南果歩、長兄役に新井浩文、稔に押し付け獄中結婚をした若い女性に田中麗奈が演じています。登場人物で1番まともなのが、現実には犯罪を犯した新井浩文だったというのは、何かの符号なのでしょうか?(2016年赤堀雅秋監督作品、レンタル可能)





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最終更新日  2019年06月16日 09時49分08秒
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