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2019年07月21日
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テーマ:本日の1冊(2993)

「99.9%は仮説」竹内薫 光文社新書
90%は当たり前のことを書いているのに過ぎない(99.9%でない理由をこの後延々と述べます)。けれども何故この本を読む気になったのか?それはオウム事件死刑囚(故)広瀬健一の手記を読んだからである。
広瀬が何故そこまで思いつめてしまったのかは、今はもう聴くことは出来ない。けれども彼は高校生から大学院生になるまで、ずっと「生きる意味」を探していた。「宇宙論のように、全ては無に帰してしまうのではないか。絶対的な価値はあるのか」と探し求め、いったんは無いと諦め、この早熟な知性はそのことにより「生きる意味」さえ見失っていたのである。ところが、たまたまの「宗教的体験」が「絶対的価値」だと勘違いしてしまったのが彼の悲劇の始まりだった。この本の題名で言えば、「0.1%」が麻原彰晃の言うことだと信じて仕舞えば、貴方でさえもポア(殺人)するのに、何の躊躇いも無くなるのかもしれない。私がそう思うのには、根拠がある。麻原彰晃に出会う前の広瀬のように「世の中の真実は、相対的でかつ不可知なのだからわかりようがない。変えようと努力することは無駄である。生きる意味もない」という諦めは、広く広く若者の中に浸透していると思うからである。この本のレビューを見ても、「全て不可知だ」で感想をまとめている人が多い。どうも竹内薫はそう言う考えに結びつく事を書いているようだ、と「仮説」を立ててみた。
99.9%は仮説だから、思い込みで判断しないようにしましょう、と竹内薫は言う。「飛行機が何故飛ぶのか?実はよくわかっていない」という説明はとてもわかりやすく書いていた。
「土地の値段は絶対に下がらない」という仮説が間違っていた、という説明は歴史的事実だからとてもわかりやすい。
では、109-110pにこういう文章があります。「この世には『正しいこと』などなにもない」「時代と場所によって『正しいこと』は変わるのです」。
相対性理論は視点の設定らしい。つまり「ある意味、諦めることが肝心なんです」。(190p)
それを突き詰めると、著者は「誤解を恐れずにいうと、人殺しですらある意味では悪じゃない可能性がある」(199p)という「仮説」を立てます。「ある意味」という条件として戦争を引き合いに出している。しかし、反証手続きは一切やっていない。もしやろうとすれば、この本の倍以上の分量は必要(それでも反証は難しい)なので、「諦めた」のかもしれないが、私はものすごく「無責任な文章」だと思った。
「世界は数秒前に誕生した仮説」を否定する証拠はないから、この仮説は有効なのだという(241p)。この本の1番の問題は、自然科学や物理科学と、歴史科学や経済科学(反証できないから科学と言ってはいけないと言っている)を、言っている端から「同じ土俵で」論じている点である。自然科学と社会科学を同じ土俵で論じてはいけない。これは論理的な問題であると私は思う。人は明日の天気を予測できるけど、明日のニュースを予測出来ない。こんな思想の竹内薫だから「戦争による殺人は許される」ということに結びつきかねない文章を平気で書けるのである。それは人間としての教養の問題だと思う。
上で私が出した「仮説」は証明された。竹内薫は、「ホントに書いていた」。よって、この本を読んで納得した若者から「広瀬健一」が出てきても全然おかしくはない。私の仮説で言うと、オウム真理教よりも質(たち)がわるい本だと思う。竹内薫が広瀬健一にならなかったのは、竹内薫が広瀬ほどは真面目ではなかったからだ、という仮説さえ成立するかもしれない。
私はそれでも世界を諦めたくはない。何故ならば、竹内薫ならば「諦めて」も全く生活に支障はないだろうけど、私の生活は諦めた端(はな)から壊されていくからである。私たちは、社会の全てに「優先順位」をつけて「白い仮説」を信じて生きていかざるを得ないのである。






最終更新日  2019年07月21日 07時32分49秒
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