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2019年09月10日
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テーマ:本日の1冊(3020)

『「坊ちゃん」の時代』関川夏央 谷口ジロー アクションコミックス

思うところがあって、再読した。再読、再々読、再々再読に耐え得る漫画は少ない。その数少ない作品のひとつ。その度にもちろん発見がある。


ほぼ20年ぶりに読んだ。その間、私も経験をつんできた。p66の明治38年東京の街並みの風景。千駄木の漱石邸から東京帝国大学まで2キロほど歩いて通ったらしいが、私も2年前たまたま歩いて踏破した。確かに歩いて通えないことはない距離だ。約10人の群衆の中に1人洋装の紳士(漱石)、あとは車夫の2人、和服の侠客1人、和服の婦人3人、屋台の親父、和服の子供2人。本瓦の二階建て土蔵造の商家、後ろに晩鐘が見える。谷口ジローの誠実な仕事は驚くばかりだ。この時は際物扱いの連載だった。ここまで丁寧に描く必要はどこにも無かったのである。編集者も原作者も全5巻の長編になることなど考えもしていなかった。第2回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞。


この20年間に、私は本郷区丸山福山町の元樋口一葉が居たという長屋のあった階段を眺めたことがある。本書には、その同じ風景に、漱石と森鴎外、そして森田草平、平塚明子(らいてう)を配している。もちろん創作ではあるが、そんなこともあってもいいではないか、と思わせるのが「画」の力である。


漱石は、「坊ちゃん」のモデルとなったという車夫(坊ちゃん)と侠客(山嵐)、警視庁警視(赤シャツ)を思いつき、森田草平(うらなり)、山縣有朋(校長)、桂太郎(野だいこ)、平塚らいてう(マドンナ)などをモデルにして坊ちゃんを創作した、と関川は創作した。そうすることで、「坊ちゃん」が単なる痛快活劇ではなく、鬱々たる気持ちに居た漱石から見た明治の姿だったのだと世に問うた。思うに名作である。


赤シャツと野だいこは中学校すなわち日本そのものを牛耳りつづけるだろう。
坊ちゃんも山嵐も敗れたのだーしかし
坊ちゃんには帰るべきところがあった
それは清のいる家、すなわち反近代の精神のありかであった
(p238)

名作は1巻目までだった覚えがある。そのあとは、力作だが、冗長になった。






最終更新日  2019年09月11日 10時12分05秒
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