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テーマ:本日の1冊(3683)
カテゴリ:読書(ノンフィクション12~)
「図書2019年10月号」 「漢字の植物園in広辞苑」(円満宇二郎)の連載が1年巡って12回目、最終回を迎えた。トリビアな植物情報を教えてくれて好きでした。最後は「菊」「金木犀」「藤袴」そして「サフラン」が扱われています。全て10月に咲きます。 「金木犀」の香りを嗅ぐと、私は何時も「何処からか花の香する」と書いた山本周五郎の小説を思い出し「さぶ」のことを考えます。ところで、金は花の色でわかるのですが、木犀がずっと疑問でした。そもそも何故「犀」が「セイ」なのか?答えは、「サイ」は奈良時代以前に伝わった呉音、漢音では「セイ」と読むらしい。立派な中国語なのです。何故植物に動物の名前?12世紀中国書物に「湖南では九里香、江東では岩桂、浙江では木犀という。木肌の模様が犀のようだから」とあるらしい。そこで我が家の金木犀をじっくり見てみました。色は土色で似ているかも知れないが、ぶつぶつ模様でソックリとは言い難い。そもそも浙江に犀は居たのか? 「サフラン」は「サ夫藍」と書きます。「サ」はかなり特殊な漢字で、表せれるか不安でしたが、最近のスマホは一発変換しました(でも楽天では機種依存文字で拒否られた)。すごいですね。 新連載は俳人・長谷川櫂の「隣は何をする人ぞ」。1回目は、昨年皮膚癌になって「考えたこと」をつらつら書いていました。 三浦佑之の「風土記博物誌」は、今回は「神」がテーマです。風土記に出てくる神さまは、たいていは「あらぶる神」のようです。舟の航行を邪魔し(播磨国風土記)、往来の人を殺し天皇が平定したので神崎と言ったり(肥前国風土記)、大和の人に頼んで荒ぶる神の引越しをしてもらったり(常盤国風土記)する。たいていは、天皇関係者が神を鎮めます。思うに地方役人の大和政権への「忖度」でしょう。何処でも、結局風土記における「神」は、西欧のように一神教でもなければ、福を授ける者でも、真実を伝える者でもないのです。日本人は、荒ぶる自然に対してのみ、何時も「神」を感じていたのでしょうか?古代では、恐れだけで神への感謝はなかったのか?新たな疑問が湧いてきました。 今回は連載記事以外に面白いものはなかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年10月08日 09時18分34秒
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