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2019年10月12日
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テーマ:本日の1冊(3683)

「友情について 僕と豊島昭彦君の44年」佐藤優 講談社

佐藤優さんの高校の同級生・豊島君が、すい臓ガンで余命幾ばくもないことがわかった。佐藤優さんはそのことを聞いて豊島君に「2人の自伝を書かないか?」と提案する。

すい臓ガンは怖いガンだ。気がついた時は既に遅く、ある事情で私も他人事ではないと感じている。しかも、この2人とはほとんど同世代ということがわかった。私と違い、優秀な成績で社会に出た後に98年の日債銀経営破綻で人生がガワリと変わった豊島君は、しかし同世代だけに遠い世界ではない。

「それで豊島君は何がしたい」あえてビジネスライクに佐藤優さんが聴くと
「自分がこの世に生きた証を遺したい」
で、2人の自伝を提案すると、豊島君は怯む。佐藤優さんは畳み掛ける。バブルがはじけた時代を語ることは意味があるはずだと。
「でもそれは、あの時代に特有だった特殊な事例であって、今の時代には通用しないのでは」
「そんなことはない。時代は繰り返す」
豊島君の想いは、とてもよく理解できる。佐藤優さんの判断も正確だ。とても理性的だけど、限りなく情に溢れている。これが「友情」というものなのかもしれない。

2人の高校生活を見ると、2人を合わせて1/3にしたようなのが私の大学生活だったと思う。私の3ー4歳先を既に歩いていたのである。なるほど、これが秀才の歩く道なのだ。

90年バブル破綻、97年北海道拓殖銀行破綻、豊島君は、悪循環に落ち入る日債銀の中にいて「一度マスコミに対して弱みを見せるとマスコミは一気呵成に徹底してその弱みを追求してくる」と強く感じた。「結局誰か犠牲を作らないとこの攻撃は終わらないのだ」。この構造は20年経っても1ミリも変わらない。

「外見の強そうな男がメンタルも強いとは限らない。(略)普段は温厚で柔和だが一度決めたことはブレない意志の強さ、そして地頭の良さを兼ね備えた豊島君のような人間こそが、どんな修羅場も毅然と乗り越えられるタイプであることを私は経験的に知っている」(163p)

会社が経営破綻して、外から外国人上司がやってきたときに、いち会社員としてどのように接したかということは書いてあるが、当然だがバブル崩壊そのものの全体像は描かれていない。平成会社員「史」としては興味深かった。上司との付き合い方には普遍性がある。差し障りがあるので詳しい事は書けないが、私は頗る共感した。

数年前に豊島君は両親と死別した。似たような経験を私もしている。また、最後の人生8訓も、私は頗る共感する。やはり、同世代なのだ。





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最終更新日  2019年10月12日 11時50分10秒
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