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カテゴリ:読書フィクション(12~)
「月の影 影の海 十二国記(下)」小野不由美 新潮文庫 下巻に取り掛かって数十ページで「面白くなかったらシリーズは撤退する」という方針は、あっさり「シリーズ読破する」にとって変わった。上巻のゆっくりとした展開は、秀才のネズミ半獣・楽俊の登場によって急速に変わった。「世界」の全体像はうっすらと立ち現れた。以降怒涛の展開に至る。すみません、「陽子が実は麒麟の生まれ変わり」という私の事前認識は間違いでした。それぐらい私は、このシリーズのことを知らなかったと思って許していただきたい(「許す」と言われても貴方様にお仕えはしませんが^^)。下巻は久しぶりに1日で読み切った。 理想国家論に「民主主義か、名君による独裁か」という議論がある(cf.「銀河英雄伝説」)。この世界の構造は、とりあえず各々の弱点を克服したものように感じた。それでもやはり綻びがあるらしい。まぁそうだろうな、とも思う。 キャンベルの英雄理論に則して考察するに、陽子は未だ「究極の恵み」と「英雄の帰還」まで至らない。倭国(日本)に戻ることが「帰還」とは私は思わない。「帰還」には長い歳月が必要だと私は予測する。しかも、倭国と十二国との時間軸が同時に進んでいるっぽい。この作品が描かれて、未だ完結していないのはその辺りに秘密があるのではないかと、ふと思った。私の予測が当たっているかどうかは、このシリーズを読み終わって又考察してみようと思う。 また、私の大胆な考察を(未だ第一部しか読んでいないのに)もう一つ披露する(←何の与太話かと笑って貰っても良い)。十二国の地図が下巻で披露された。先ず思ったのは、これは宇宙の自然が造る姿だろうか、ということだ。その規模がいくら巨大だとしても、千年以上の歴史があろうとも、この世界は人造物である可能性が高いと思う。一応メモとして、此処に書いておきたい。 もし気に入ってシリーズを読み始めたら、当初は月2冊ぐらいのテンポで楽しみながら読み切ろうと思っていた。困ったことになった。そんなテンポに我慢できるだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年10月25日 11時36分26秒
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