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2019年11月02日
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「魔性の子 十二国記」小野不由美 新潮文庫
恐ろしいと思う。
物語の内容が、ではない。あの菊池秀行氏でさえ解説はホラー小説として評価していることが、である。91年の8月に書いていて、十二国記シリーズが始まる前の記述なのだから仕方ないのではある。私とて、第一部を読まずに、このエピソード0から読み始めたら、同じような感想を持っただろう。ただただ、理不尽な異世界からの厄災はホラーでしかない(映画の『来る』もこんな感じだった)。学園の中で、「異端の少年」は初めは小さないじめに遭い、その度に祟りのような厄災が起きる。周りの扱いは無視・忌避そして恐れ、攻撃、追従へと移ってゆく。やがてマスコミという巨大な暴力装置が発動し、それらに対する大厄災が起きる。ホラーというよりも、日本人特有の「荒ぶる神」に対する感情を扱った「神話」のような気がする、というような感想を第一部を読んでいなかったならば持っただろう。少し切り口は違ったがホラーエンタメを描いてきた菊池氏にとってはあの解説は当然であった。

ところが、本質は違ったのだ。今や十二国の地図さえ知ってるいる私は、この厄災の意味が半分以上は推察がつくようになっている。シリーズ全部を読んでいるファンたちには尚更だろう。これほどまでの死者が出たことの原因を私は知っている。そんな風に、あたかも「神の視点」を持つようになった自分が恐ろしいと思う。(物凄く不謹慎なので書くのを憚られるのだけど、仮の発想として今回の台風19号の大厄災の本当の意味をもし知っていたとしたら、貴方は『とても恐ろしい』と思いませんか?)

冒頭と終わりに八世紀唐の人、王維の阿倍仲麻呂との惜別の詩が捧げられている。「滄海の東の果てのことはよくわからない」「音信はもう届かないだろう」という詩なので、2つの可能性を考えた。一つは十二国の始まりが唐の時代だったという可能性だが、これは熟考した結果「無い」と思う。ひとつは、「東」を無視すれば、正にラストのある主要人物の気持ちそのものを代弁しているだろう。それはそれで、とても哀しい感情である。





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最終更新日  2019年11月02日 13時49分35秒
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