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カテゴリ:読書フィクション(12~)
「そして、バトンは渡された」瀬尾まいこ 文春文庫 そして、レビューのバトンは渡された。 一周回って、今の時期に読んで、 「暖かな気持ちになった」「最後のシーンに涙した」「みんな愛に溢れている」 と書いても二番煎じな気がする。 わたしはひねくれているので それに、本屋大賞受賞作はたいてい映画化されるので プロデューサー目線で書きたいと思う。 本来そろそろ映画化発表ニュースが流れてもいいのに 何故未だグズグズしているのか それは、これが映画化がとても難しい作品だからである 17歳の時点で母親2人、父親3人、名字は4回変わったけど 「困った。全然不幸ではないのだ。少しでも厄介なことや困難を抱えていればいいのだけど、適当なものは見当たらない。いつものことながら、この状況に申し訳なくなってしまう」 と呟いてしまう優子ちゃんが主人公である。 小説ならば、彼女の心理はその度ごとに描かれるので 問題はない 映画ならば、本来ならば理不尽な行動をしてしまう 親たちを許してしまう主人公に 鑑賞者は、果たして共感できるだろうか いくら親たちが真から優子ちゃんを愛していて 名優がそれらしき演技をしても それを信じてしまうためには、 17歳と10歳の少女に かなり説得力ある演技をしてもらわなくてはならない そんな俳優が果たしているのか 人選に困っていると思う。 確かにみんな良い人たちばかりで みんな愛に溢れている から、こんな奇跡が起きたのだと思う。 でも、リアルに映像化すれば (リアル感のない映像化は考えられない) 小説の中で言葉にされていないことを 表現しなければいけない 優子視点で語られた物語は、 梨花さん視点、水戸さん視点、泉ヶ原さん視点、森宮さん視点が必ず入る。 すると全く違った景色になる それでも愛の奇跡を起こせるのか 優子は自覚していなかったけど、 普通の子供よりも遥かに強くなり そしてホントは傷ついていた それを描かないとホントの感動は取れないと思う 一つの可能性は、17歳役は(既に20歳近いけど)「義母と娘のブルース」で好演した上白石萌歌。でももう一皮剥ける必要がある。 少女役は思いつかない。 親たち役は上手い役者が多いからなんとでもなる 難しいのは脚本家と監督だ。 頭が痛い。やっぱり映画化は無理かな。 というわけで、誰かにバトンを(^_^;)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年10月14日 12時11分39秒
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