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カテゴリ:読書(ノンフィクション12~)
「大英博物館マンガ展図録マンガ!」ニコル・クーリッジ・ルーマニエール、松葉涼子編 松葉涼子日本語版監修 山川早霧、飯原裕美訳 三省堂 2019年大英博物館セインズベリー・ギャラリーで開催された「Citiマンガ展」の図録である。現代マンガとアニメを歴史的ツールと合わせて展示したらしい。50人の漫画家が俎上にあげられ、70作品とデジタル合わせて162点が取り上げられた、国際的に稀に見る規模の展示会だったらしい。 規模だけではない。図録を見ると、チョイスにはかなり違和感はあるが、大まかに「間違ってはいない」紹介の仕方をしている。流石に大英博物館というべきだろう。 ニコル・クーリッジ・ルーマエールの冒頭論文について述べる。 ・マンガ定義や歴史等よく勉強している。しかし、いい足りない事も多い。仕方ない事なのかもしれない。それよりも構成が独特だ。定義や歴史は半分以下で済まして、あとは「産業としてのマンガ」「国際的な影響」「アニメについて」述べる。つまり国際的視野でマンガを見るということはそういう事なのだろう。 ・例えば‥‥西洋のマンガは、イラストと「吹き出し内のテキスト」が協同してストーリーを伝える、というものらしい。日本のマンガはそうではない、という。テキストの役割はかなり従属的である。イメージを補完するのは、オノマトペや擬態語、擬声語だという。間違ってはないが、正確ではない。しかし視点は良いと思う。 何しろ、350頁超の珍しく大部な図録なので、言っておきたいことは山ほどあれど(例えば星野宣がインタビューで述べているように、未だ取り上げなければ「ならない」作家は山のようにある)、仕方ない。マンガ展に来た外国人に言いたい。この展示会で、日本のマンガが「だいたいわかった」などと思うなよ! あ、そうそう。この貴重な図録。いち早く日本語版を出してくれて、しかも流通に載せてくれてありがとうございました! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年02月05日 11時43分37秒
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