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テーマ:映画館で観た映画(8349)
カテゴリ:洋画(12~)
今月の映画評「パラサイト 半地下の家族」 「こんにちは。いつもこの時期はアカデミー賞の話題を振っているようだけど、今年は2ヶ月も発表がズレていますね」 「コロナ禍だからね。でも去年は感染爆発直前の授賞式だった。そして歴史的な賞になったんだ」 「この作品がカンヌ最高賞をとってアカデミー作品賞もとったのは65年ぶりだそうだね」 「それどころか、非英語作品で作品賞をとったのは初めてだった。韓国では勿論初めての快挙だ。しかも、監督賞、脚本賞、外国語映画賞の主要部門もとってしまったんだ」 「韓国の格差社会を、半地下の家族と高台の豪邸という見た目で対比させて描いたという批評を見かけたよ」 「全員失業中のキム一家はその日暮らしの厳しい生活を送っていたんだ。長男のギヴ(チェ・ウシク)が、たまたまIT企業のCEOであるパク氏(イ・ソンギュン)の子供の家庭教師のありつく。味をしめて妹のギジョン(パク・ソダム)も身分を隠して家庭教師に。父親のギテク(ソン・ガンホ)も運転手、母親のチュンスク(チャン・ヘジン)も家政婦として潜り込む‥‥。彼らは寄生虫(パラサイト)の様に、金持ちのお裾分けを貰えれば良いと思っていたんだが‥‥」 「社会派の映画なの」 「韓国を旅すれば直ぐ思うけど、坂の斜面にへばりつくように家が建っているんだ。決して計画的に建てられたわけではない。よって道も迷路のようになっているし、階段も多い。おそらく最初の頃は上に行くほど不便になるので、下層民は下へ下へと家を密集させたと思う。ある時、坂の上に大きな道が通る。そうして、上層民は坂の上に家が建てられるようになる。だから、これは韓国の普遍的な景色を描いた作品なんだ。最初コメディで描いた後に、ホラーやサスペンス、そして結局人生の不条理へ我々の感情を持ってゆく」 「なんか、よくわからない説明ですね」 「金持ちだから悪いヤツとは限らない。奥さん(チョ・ヨジョン)はお嬢様育ちの世間知らずなだけ。頭は良いのに貧乏なギヴやギジョンたちは、そこにつけ込んだわけだね。どっちが悪いかわからない。途中から建物にまつわる秘密が現れて、どんどん驚愕のラストに持ってゆく。ジェットコースターに乗ったときの感じはあるかもしれない」 「好きな人にはエンタメだけど、苦手の人には後味悪いみたいな?」 「血もドバドバ出るしね」 「おい、脅かさないでくれよ」 「まぁ、ラストに救いがあると見るか、無いと見るかは人によるだろうね」 (2020年韓国ポン・ジュノ監督作品レンタル可能) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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この映画は本当に半ばくらいまではとてもおもしろかったのに後半は気味が悪い上に後味も悪かったです。
ラスト、私は夢も希望も救いもないと思いました。 (2021年03月15日 12時49分04秒)
はんらさんへ
私も「バッドエンド」だと思っています。明確にそうだと思っています。何故監督がこれを選んだのか? ハリウッドがリメイクするそうですが、どう決着をつけるのか?とても興味あります。 (2021年03月16日 19時59分33秒)
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