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2021年05月02日
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「日本の名著(36)中江兆民」中央公論社

つい最近思い出すことがあり、紐解く。
中江兆民に関しては、苦い思い出がある。私は大学の卒業論文が中江兆民だった。もはや原稿も紛失しており、どんなことを書いたのかも思い出せない。いや、忘れようとしてきた。

思い出すのは、卒論提出の締め切り当日のことだ。徹夜明けの朝、論文(というのも憚れる)清書原稿を紐で纏めて下宿を出て、大学へ行くまでのその真っ白に積もった雪の長い道のことである。疲れ切った頭は、わざと何も考えまいとしてきた。かじかむ手をこすりながら、研究室に原稿を置いて、学食で250円の具の入っていないカレー大盛りを食べて、そのまま帰ってずっと寝た。

準備をしなかったわけではない。半年前の夏休みは、ほぼ喫茶店に籠ってわかりにくいオール漢文の第一次資料を読もうとしていた。研究書に当たるのは、その後だと思っていた。ところが一日一頁も進まない。時間だけは思いっきりかけた。就職活動は最終学年の10月から始めたのに、一発面接で一発で決まってしまっていた。毎日卒論のことを考えていたのに、何も進まなかった。考えれば考えるほど書けなくなる。これは「隠れアスペルガー」つまり病気だということは、つい最近になって感じ始めたことであり、昔はともかく自分を責めていた。最後は原文ではなく、この中央公論社版の現代語訳本を参考に論を書いた気がする。ほとんど読書感想文だった。就職が決まっていたため、お情けで「可」を貰い卒業した。

10年後、担当教授が大学を離れ東京に赴くためのお別れパーティー(同窓会)があり、出席した。その間に岩波書店が「中江兆民全集」を出していた。漸く本格的な中江兆民研究が始まっていた。私は全集を大人買いしていた。私は教授にお詫びを言い「いつか、まともな卒論を書くので、その時は見てもらえますか」と酔っ払いながら言ったと思う。「勿論です」教授は快諾した。全集は揃えたけど、やはりまともに読まずにここまで来た。まともな事は何一つ書いていない。教授は、おそらく歳からいってもはや論文をチェックしてもらえるような状況ではない可能性が高い。人生の悔いのひとつである。

今回本書をざっと眺めた。 
当時私は「三酔人経綸問答」の紳士、豪傑、南海先生の中で、兆民の真意は何処に有るか、というような誰もが考えることを考えていたと思う。明治20年、一介の知識人が日本のグランドデザインを構想して、それが実現するかもしれないと夢想できた時代だった。兆民の構想(小国主義)はかなり現実的なものではあったが、むしろ明後日(あさって)の方向に日本は向かってゆく。「君民共治の説」との関係、「一年有半」での総括、いろいろ感じるところはあるけど、此処に書くには原稿のマス目が不足している。感想文は、又何処かに書きたい。






最終更新日  2021年05月02日 22時54分19秒
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Re:「日本の名著(36)中江兆民」の苦い思い出(05/02)   まろ0301 さん
 「卒論」の件については、私の人生の中で最大の「思い出したくないこと」です。学生運動華やかなりしころですから、大学当局はおそらく、「下剤でもかけて一掃しよう」という魂胆からか、あのような代物を提出しても卒業させていただきました。
 兆民は、岩波文庫で拾い読みした程度ですが、ずーっとあの「日本には哲学なし」という言葉が引っかかっています。いまでも折に触れて思い出し、「倫理」を担当した時にも考えました。答えはまだ出ていません。 (2021年05月05日 22時17分38秒)

Re[1]:「日本の名著(36)中江兆民」の苦い思い出(05/02)   KUMA0504 さん
まろ0301さんへ、こんばんは。

そうかまろさんも卒論については悔いがあったんですね。
私は教授に約束して未だ果たせていないものどから、中江兆民については無理でも、加藤周一とか、なんとか生涯のうちにまとまったものを書きたいという、なんか人生の宿題みたいなものを背負ってここまで来てしまいました。

これを読んで刺激を受けて、光文社古典新訳版の「一年有半」を図書館で借りたのですが、訳文にケチをつけようとしたら、思いもかけず良書で、来週にも買おうと思っています。
「一年有半」に確かに「日本に哲学なし」と書いているのですが、じゃあその哲学というのはどういう意味なのか、果たして突き詰めて考えた論考があったのか?普通に読めば、哲学ではなく、「グランドデザイン」という風に読めるのですが、そうではなく「倫理感」という風にも読める。果たしてどうなのか?これだけで確かに卒論のテーマになるかもしれません。兆民の初期の論述「維氏美学」「理学沿革史」との関係はどうか?「(日本は)世界のルーマニアとならなければ幸いである」と言った時に、世界情勢を何処まで認識していたのか?そんなことまで書けば相当な論文になるはずだ。‥‥等々とちょっと読んだだけでも卒論テーマになりそうなのがたくさん出てきました。また書きます。 (2021年05月06日 23時10分20秒)

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