|
テーマ:本日の1冊(3685)
カテゴリ:読書(ノンフィクション12~)
「図書2021年9月号」 吉田篤弘さんの「王子さまのいない星(下)」。8月号の(上)は謎の提示編でした。私は「アンチ星の王子さま」になるのだろうか?と予想していたのですが、普通の吉田篤弘版星の王子さま論でした。まぁそれでも、学びはありました。久しぶりに読んでみようかな。 大変おもしろかったのは、落語家・柳家三三さんの「無駄と遠廻りと、行きあたりばったりと」。私は書評だけでなく、映画評や凡ゆる文章も、遠廻りに他の話題から入る癖があって、三三(さんざ)さんが「マクラがどんどん脱線して何の話をしていたのか分からなくなってしまう現象」にはとても共感します。今回の三三さんのは巻頭寄稿なので、流石に綺麗にまとめています。 とっても共感したといえば、柳広司さんの「時差式」。編集者の「時事ネタでお願いします」という要請に、「6月末時点で時事ネタは(略)東京だけで大騒ぎしている五輪開催の行方でも、ワクチン接種段取りの不手際でも、お店でのアルコール提供は何時までといったことでもなく「重要土地利用規制法成立」の一事につきる」というチョイスの仕方です。「えっ?重要土地利‥‥何それ?」と思った貴方、それこそが現代日本を象徴している現象です。柳さんは「ひどいザル法」「戦前の治安維持法そっくり」と言っています。柳さん同様、私もこんな酷い法案、流石に今国会では通らないだろうと思っていたらしらっーと通ってしまいました。柳さんは字数の関係か書いていないけど、この法律明らかに憲法違反なんですよ。憲法第三十一条「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。」ところがこの法律、肝心の「法律の定める手続き」が一切書かれていない。全部政府に丸投げ、閣議決定でいくらでも細かいことは決められる。例えば辺野古基地を指定軍事施設にすれば「沖縄辺野古基地に反対する人々を逮捕できる」んです。例えば、貴方のすぐ側にも「軍事施設」はあるはずです。その周り10数メートルでは、総ての「不穏な動き」は監視されても文句は言えなくなります。土地を持っていたら、接収・利用されても文句は言えなくなります。知ってました?知らないでしょ。でも「私たちは知らされていなかったんです」というのは、先の大戦でも数多くの庶民が言っていたことなんですよ。「ザル法の弊害は時差式で現れる」。来年施行までに法律廃止が唯一の方法です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年09月03日 12時58分17秒
コメント(0) | コメントを書く
[読書(ノンフィクション12~)] カテゴリの最新記事
|
|