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再出発日記

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2021年11月24日
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「コケはなぜに美しい」大石善隆 NHK出版新書
私はこのコケの本を手に入れるまでに約10年以上の月日をかけている。ずっと苔のことが気になっていた。常に私たちの身の回りに居るのに、どの種ひとつも、名前さえ知らない苔たち。古代からどのように生きてきて、今どのように生きているのか、それさえも知らない。それなのに時々ハッとするような美しさを見せる。

図鑑を手に入れて、その名前ぐらいは知らなくてはならない。でも、それはかなり難しいのではないか?と思ってきた。一度展示会場で見たけど、何処がどう違ってこの種になったのか、さっぱりわからなかった。机上の学習では心許ない。かと言って重たい図鑑を持って外を歩き回るほどの時間は持てない。と思いながら10年が過ぎた。

一念発起。やっとキッカケとなる本を手に入れた。入門編の記述が豊富で、入門図鑑になりそうな本書が、電子書籍で安く手に入ったのである。

序章は苔の歴史。後は、都市、庭園、農村、里山、高山に分けての美しい写真を交えながらの代表的な苔の解説。これだとスマホ片手に、都市、庭園、農村までは直ぐに確認出来そう。

苔愛好者には悩みがあるそうだ。
苔観察は、普通の道で立ち止まり、こそこそ塀や街樹を見たり、しゃがんだりする。明らかに不審者である。それを避けるための動作が更に不審者ぽくなる。
更には、半日のコケ観察会で数メートルしか移動しなかったことは「あるある」だそうだ。
こういうマイナーな苔の立ち位置は、長年の遺跡愛好者の私には既視感ある立ち位置で、好感を持った。やはりお付き合いしたい。

ホモ・サピエンスの歴史は20万年しかないが、苔の歴史は藻類が進化して誕生したと言われる。4億5千万年前である。約2250倍もの差がある。この可憐な小さな生命が、そんなにも大先輩で、そんなにも長い間の風雪に耐えているかと思うと、光り輝いて見える。

苔に、諸星大二郎「生物都市」のような集団意識があったならば、地球の数億年の歴史はどう見えるんだろうか。

実は、本書を手に入れて約4ヶ月。何度か市中観察を敢行したのであるが、確信を持ってお名前が判明した苔はいない。なぜならば、まだルーペなどないので、細かい観察が出来ないことと、いくつかの苔は胞子を見ないことには見分けがつかないからである。

苔は、大型植物の「雑草」と競争したら負けは決まっている。それではどうするか。重要な戦略は、雑草が芽吹く前に芽吹くのである。立春(2月初め)が、苔の勢力拡大の時期らしい。その時に、私はさまざまな苔の名前を知ることになるだろう。

そうは言っても、名前判明の目星は付いている。
街の中で、コンクリートの隙間にモコモコと生えているのはホソウリゴケ。その他コンクリートにはハマキゴケ、ヘラハネジレゴケがいる。白い苔はギンゴケだろう。荒れ地にぽつんぽつんと生えてゆくのはヒョウタンゴケ。かもしれない。
街路樹に生えるのは、ヒナノハイゴケ、コゴメゴケ、コモチイトゴケなどがいる。
庭の中の代表選手は、ウマスギゴケである。春から初夏に雄株と雌株の胞子体の違いが顕著になるので、楽しみ。それを侵食してゆく背の低いコケはハイゴケだろう。暗がりにいるのはオオスギゴケの可能性が高い。農村にもいる、晩冬から芽吹くのはコバンチョウゴケかもしれない。

早く君の名を聞いて、本格的なお付き合いをしたいと思っている。





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最終更新日  2021年11月24日 21時52分37秒
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