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テーマ:映画館で観た映画(8344)
カテゴリ:洋画(12~)
実は、今月の映画評は「グランパ・ウォーズ」の前に、もう一つ作っていた。これ以上字数を削れなかった為と、あまりにも過去の作品なので、締切直前になって方向転換した。勿体ないので、ここに記録する。
「初恋のきた道」 「家族で楽しめる正月映画ってないだろか?」 「では、とっておきの隠れた名作を紹介しよう」 「我が家は、難しい年頃の中高生がいるんだけど」 「そんな世代こそ観て欲しい。初恋はあらゆる世代に、心に響くと思うんだ。チャン・イーモウ監督の『初恋のきた道』(2000年作品)です。主演はチャン・ツィイー。デビュー作です。ブクブクの赤い服を来て、人形のようにコトコト走る田舎娘が超カワイイ。初めと終わりは、1998年のパートで白黒、間に1958年のカラーの昔話が入るという構成も新鮮でした」 「どんな初恋なの」 「簡単にいえば、村一番の美しい娘が、町から来た小学校のイケメンの先生に恋をして、ひたすら追っかけ回し、そして恋を成就するお話です」 「少女マンガみたい。何処が名作なの」 「当時、これは身分違いの恋だったの。娘をそれを自覚しているから、当番で先生の賄い食を作る時張り切ったり、子どもと一緒に歩いているところを毎日遠くから見たりすることしかできない。でも、そういう想いは必ず狭い村の中で、青年にもつたわるもので、もう少しで両思いになりそうになる。でも‥‥という話です。この時、2人に訪れる困難は、マンガにありがちな人の意地悪ではなく、時代なんです」 「時代って?」 「それらしきセリフがひとつあるだけなんだけど、どうも青年は毛沢東の権力闘争のひとつだった反右派闘争の煽りを食って、都会に嫌気がさして地方に来たみたい。そしたら地方は、貧しいけど、美しい。古いしきたりはあるけど、お焼きやマントウ、餃子は美味しく、瀬戸焼き直しのような物を大事にする文化もある。秋は白樺林の紅葉が綺麗で、冬の吹雪は厳しくも美しい」 「私たちの子供の頃とかぶるね」 「そういう家族の話もできるだろ?美しい少女の一途な恋と、それに応える誠実を絵に描いたような青年を見て、新春から少し福をもらって欲しい」 (2000年中国作品) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年12月24日 20時11分11秒
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