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全8件 (8件中 1-8件目)

1

アジア映画(08)

2008年11月05日
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カテゴリ:アジア映画(08)
ジョン・ウー'S「赤壁」は吉川英治タイプの「三国志」でした。

監督・製作・製作総指揮・脚本 : ジョン・ウー
出演 : トニー・レオン 、 金城武 、 チャン・フォンイー 、 チャン・チェン 、 ヴィッキー・チャオ 、 フー・ジュン 、 中村獅童 、 リン・チーリン

けれん味たっぷり。関羽、張飛、趙雲、甘興がこれでもかと言うほどに見せ場を演じ、劉備は家臣のために草鞋を組み、老成しているかのように落ち着いた青年孔明や、大人な周瑜、曹操は英雄色を好む。全く日本も中国もおんなじ三国志を愉しんでいるのだとなあ、と思った。それプラス、ゲーム感覚も取り入れている。

吉川英治版「三国志」は中学時代、「宮本武蔵」「新書太閤記」を読んだあとに間髪いれずに読んだ覚えがある。読み出したら本を置くあたわず、すぐに最後の方まで読んだ。さすがに英雄が次々と死んでいき、孔明のみが残り、「出師の表」を書くあたりで息切れがしたけども、講談調の三国志は嫌いではありません。この映画、「平安」を願う場面などは出てきますが、平和がテーマではありません。ただ、ただ、かっこいい男たちを描きたい、それだけなのだろうと思う。それはたぶん成功しています。ほとんどたいくつしませんでした。まあ、当然赤壁の戦いの直前で第一部は終わるわけです。それを覚悟して観にいくがよろしかろうと思います。一応次も見たいと思います。






最終更新日  2008年11月05日 23時13分22秒
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2008年10月19日
カテゴリ:アジア映画(08)
「密陽って、どんな街ですか?」

チョン・ドヨンが07年カンヌで最優秀主演女優賞を取った「シークレット・サンシャイン」をやっと見ることが出来た。高い瀬戸大橋を越えた。なぜならば、岡山ではついには公開しないということが分った為と、高松では今週限りと言うことがわかったためである。初めて高松の小さな映画館「ソレイユ」にいく。観客は4人だけだった。
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監督・脚本:イ・チャンドン
出演:チョン・ドヨン、ソン・ガンホ、ソン・ジョンヨプ、チョ・ヨンジン、キム・ヨンジェ

去年韓国を旅したときに、偶然にもこの映画のロケ地ツアーをしてしまった密陽のオールロケである。密陽(ミリャン)は典型的な田舎町である。去年記事に載せきれていない写真を一部紹介する。

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30分ほど商店街を歩くとほぼすべての道を歩けるぐらいの小さい町だし、映画を見てもわかるが、何の変哲もない商店街ではある。(しかしシャッター街ではない)店の裏側は民家があって、コミュニティーを形成している。隣にどんな人が住んでいるのか、みんな把握しているのだろう。

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女子中学生は帰りにはファーストフードや甘いもの店に群がる。映画の中の女子中学生もこのような白いなんのへんてつも無い制服を着ていた。

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100m歩けば、必ず教会か寺院が見つかる。そして、神はいるのか。赦すということはどういうことなのか、静かに緊張感を持って映画は語りかける。

冒頭、ソウルから少し垢抜けた子持ちの女性が引っ越してくる。やがて彼女の息子が理不尽にも殺される。女性はどのように気持を整理していけばいいのか‥‥‥。

最初のチョン・ドヨンは、普通の人として登場する。ちょっと若めの女優ならば誰でも演じることが出来るのではないか、と言うような存在感。ところが、息子が死んだ辺りから彼女の表情から一時たりとも目が離せなくなってしまう。まるきり表情をなくす顔、一挙に溢れて泣き崩れる顔、殺人犯との面接のときのなんともすごい表情、しだいに狂って行く表情、ラストの表情。これだけ表情だけで雄弁に語る現代女優を私は知らない。

韓国はキリスト教社会である。熱心なキリスト信徒の日常をここまで描いて、そして最期は突き放す、さすがイ・チャンドン監督。一筋縄ではいかない。

なんのへんてつもない街で、なんのへんてつもない一人の女性が、事件とはなんのか変わりもない自分の父親を天空に睨みながら「まけるものか」と呟く。思えば、彼女と父とは何10年間の戦いだったのだろう。右往左往しながら、狂気に逃げ切ることもできない彼女の戦いはこれからも続く。監督にとって、決して特別でない女性と言うことが何よりも大切なことだったのだろう。傍らにいるジョンチャンのことはすでに気がついていると思う。彼を赦す(愛する)ことが出来るのはいったいいつのことになるのだろう。

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香川に来た以上は当然昼も夜も讃岐うどんでした。三軒梯子をしましたが、うどん市場天神店の温玉ひやかけうどん(小)270円のうどんのコシが絶品でした。







最終更新日  2008年10月19日 15時57分14秒
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2008年10月04日
カテゴリ:アジア映画(08)
韓国ドラマ「ファッション70's」(28話)を見終えました。
「光州5.18」で主演女優のイ・ヨウォンの主演だということだったので見たのです。彼女は映画「子猫をお願い」でペ・ドゥナの向こうを張り、上昇志向の強いキャリアウーマンを演じて実質デビューを飾り、李朝時代の商人を描いた「大望」で主人公の恋人の女医者を演じて存在感を示していたのですが、そのあとすぐに結婚したらしくいったんは芸能界を引退、そしてこのドラマで復帰したというのです。

イ・ヨウォン、なかなかいいんですが、チョン・ドヨンのような演技派のオーラは感じません。後しばらく様子を見ようと思います。

ポニーキャニオン ファッション70’s BOX-I
製作: 2005年 韓国
監督: イ・ジェギュ
出演: イ・ヨウォン(ドミ) / キム・ミンジョン(ジェニ) / チュ・ジンモ(ドンヨン) / チョン・ジョンミョン(ビン)
ファッション界に身を投じる女2人とそれを見守る男二人との四角関係という韓国ドラマの王道なのですが、いくつか違うところがあります。

ひとつは始まりが朝鮮戦争だということ。韓国ドラマとしては珍しい時代設定です。朝鮮戦争が勃発、親とはぐれてしまったガンヒとジェニの女の子仲良し二人組は二人だけで軍隊のズボンを盗んで売りながら生きていた。将軍の息子ドンヨンとデザイナーの息子ビンとジェニの父親、ガンヒの母親は二人を捜していたのだが、あともう一歩のところで、2人は軍隊の哨兵に撃たれて行方不明になる。ジェニは死んでしまったと思い込んだジェニの父親はガンヒをジェニとして育てることにする。ガンヒの母親は養生所で記憶喪失になったジェニを見つけ、貧しいながらも養女ドミとして島で暮らす。それから17年後の1970年、繊維会社の社長の娘として育ったガンヒことジェニは努力して美しく聡明なデザイナーの卵に。島の娘として育ったジェニことドミはたまたま訪れた大統領補佐官のドンヨンと再会するがお互いまったく気がつかず。二人は恋に落ちるが、政変に巻き込まれて秘密裏に帰ったドンヨンを追ってドミもソウルへ。その途中で会った有名デザイナーの不良息子ビンはドミに一目ぼれ。そしてソウルではなんとドンヨンとピンとジェニ(ガンヒ)は友人関係。しかもジェニはドンヨンにべたぼれ。……とまあ、こんな展開です。
北朝鮮の戦線が突然動くことで、多くの住民が大移動を余儀なくされ、その過程で離ればなれになったり死んでしまった家族も多いことだろう。そのあたりがかなりリアルに描かれています。

注目すべきは、典型的な四角関係なのですが、どろどろの恨み関係ではないのです。ドミはジェニにとってはドンヨンをめぐる恋敵、またドンヨンはビンにとってはドミをめぐる恋敵のはずなのですが、一方では、ドミとジェニは別れ別れになった昔の友人、ドンヨンとピンは兄弟ともいえる友人関係。……わかりますか?この関係。20話ほどまでにドミの記憶が戻るまで、思った以上にどろどろの関係にはならないのです。ジェニは早くからすべてに気がつくのですが、だからこそドミを恨みきれないのです。本当は「生きていてうれしい」と言いたいのにいえない。ドミとジェニは70年大阪万博に出品するデザインをめぐるライバル関係にもあります。このあたりが案外さわやかな対決になっていて興味を続けさせます。

一方では、朴正煕(パク・チョンヒ)大統領が割と「いい役」で出演になっていて、現代韓国国民にとっての朴正煕像の一端が分かるというおまけもあります。

ところが、最後の最後になってまるで今までの設定をかなぐり捨てるように一気に悲劇モードになってしまうのです。これには全く驚きました。以下はネタばれ。それでもいいという人は文字を反転してみてください。
ジェニはドンヨンがドミを選んだこと、父親がドミを娘として迎えジェニを養子として迎える決定をしたことで捨てられたと思ったこと、母親が自分にもとを去ったことで捨てられたと思ったことで、自暴自棄になり睡眠薬を飲んで死のうとしたところ誤って父親が飲み、死んでしまう。ジェニはショックを受けてそのまま父親殺人犯人として死刑を受けてしまうのである。
もとは朝鮮戦争が生んだ親子の離別の悲劇でした。その悲劇の交差した糸をとき解すのに途中まで成功するのに、最後のところで失敗するのである。最後はドミのデザイナーとしての成功ドンヨンとの恋の成立で終わるのですが、
私にはとってつけたようなラストとしか思えませんでした。(ところがこのドラマラストのあたりで視聴率が急上昇、最初15%から始まったのに、30%を越えたようです)視聴率に困ったプロデューサーが突然悲劇に切り替えたのではないかと推測します。

韓国には「恨(ハン)」という言葉があります。よく「恨を解く」というようです。この韓国ドラマも子ども時代はすべて「恨」の発生物語です。それを24話くらいかけて解いていく。死んでいたと思っていた友人や親子が生きていた、けれどもそれに気がついた時には素直に喜べない状態になっている。私なんかは時々、どうしてそんなにこだわるのだ、水に流せはいいじゃないか、と本気で思います。だって不幸になるのが見ていられない。けれども不幸になってもいい、解くということ事態が彼らの生きがいなのだ、とふと思いました。

つまり韓国の人たちは、物事が「流れる」「なる」ことに耐えられないのでしょう。戦争は庶民にとっては「なる」物語です。だから「恨」が生まれる。それを解くためには行動を起こさなければならないのでしょう。そのために新たな「恨」が生まれたとしても。(だから大規模なデモが起こる)実際、このドラマもいくつかの「恨」は生れて終わったはずです。けれどもそれは次の時代が解決する問題ではあるのです。






最終更新日  2008年10月04日 20時47分32秒
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2008年08月25日
カテゴリ:アジア映画(08)
この半年で見た韓国ドラマの鑑賞メモです。韓国ドラマは会話の聞き取り練習のために週に一本以上は借りるようにしています。よって、基本的にドラマに対しては感想辛口です。


DVD 大望 BOX 1【送料無料】李朝時代の商人が権謀術数の政治世界にかかわりながら、正しい商人のあり方を模索するという内容。DVDのジャケットでは、ソン・イェジン(「私の頭の中の消しゴム」)が大きく顔が写っているが、実はチャン・ヒョクとイ・ヨウォンのラブストーリーなのである。ソン・イェジンは途中で退場して二度と出てこない。この作品はイ・ヨウォンが女性医者を演じている。アン・ソンギも重要な役どころで出ていて、「光州5.18」を予見したドラマになっている。もっとも、ドラマのイ・ヨウォンはお嬢様の役で生彩がない。映画「子猫をお願い」のときはペ・ドゥナをむこうにまわして頑張っていたし、「光州5.18」の彼女は素晴らしかった。不本意ながら人を殺してしまい、死体に泣きながら謝り続ける看護学生を演じていて、突然市民に襲った軍隊と言う暴力に翻弄されるさまを見事に演じていた。聞けば、02年の「大望」のあとに彼女は結婚、芸能界を引退していたが、また復活したらしい。後でも述べるが、女優は結婚したほうが演技の幅が広がるようだ。


[KI]1%の奇跡 Full story DVD-BOX
カン・ドンウォン、キム・ジョンファ共演のロマンティック・ラブコメディ。ハンサムなのに荒々しい性格の財閥御曹司と、平凡だけれど心優しい女教師との恋の行方を描く。‥‥‥のだそうです。韓国ドラマの定番、「契約結婚」もの。ヒロインの声優を担当した真木よう子が「あまりにも彼女がいい子すぎてリアルじゃない」と特典映像で言っていたのが、本編以上に印象に残っている。(真木ってそんな女優なのね。なるほど、癖のある役柄をやらしてあげたい。)


「フルハウス」
両親が遺してくれたフルハウスでインターネット小説を書いて暮らしているジウン。ある日、旅行で上海に向かう機内で俳優のヨンジェと最悪の出会いを果たし、しかも上海でもさんざんな目に遭ってしまう。やっとの思いで帰宅した彼女だったが、フルハウスはもぬけの空になっており…。アジアのスーパースターとして今や世界から注目を集めるRAIN(ピ)×『秋の童話』ソン・ヘギョ出演のドラマ!
ヨンジェの気まぐれで、一文無しになったジウンは「契約結婚」に同意する。そしてだんだんとふたりは恋を始めるというわけです。ラブ・コメディです。ソン・ヘギョという童顔の女優がどうしてこんなによく使われるのか、私にはよくわからない。


以下は途中で挫折したドラマシリーズ

[DVDソフト] 愛情の条件 DVD-BOX(3)
なぜ見たかと言うと、大好きな「マルチェク青春通り」のヒロイン、ハン・ガインが出演しているため。彼女はいったん結婚のため引退していたと聞いていたので、どうやら完全復活しているらしい。道理で二年前から韓国を旅していると、彼女の写真つき看板を見ると思った。しかも今回は同棲していた男の子供を身ごもり、結婚の準備に取り掛かったが結婚式の当日に逃げられてしまう女性を演じていて、突然汚れ役である。決してうまい役者ではない。けれども前作の可憐な役柄から一転して(実生活のことも反映しているか知らないが)社会の荒波に翻弄されながら、一所懸命生きる女の子としての存在感だけは持っていて、私としてはそれだけで嬉しくて、15巻近くまで我慢してみていたのだが、いかんせん、話の内容はお昼のメロドラマであり、途中で挫折せざるを得なかった。









最終更新日  2008年08月25日 23時10分52秒
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2008年07月27日
カテゴリ:アジア映画(08)
監督 : リー・イン
製作国 : 日本=中国

上映時間の八割方は「靖国の英霊の御霊に謹んで哀悼の誠を奉げる」人たちの映像である。しかし、だからといってこのドキュメンタリーがその人たちを肯定した作品だということではない。一部で囁かれているどっちつかずの「客観的」な作品でもない。

この作品の中心は、戦後60年を迎えた95年8月15日の靖国の周辺で起こった出来事と、靖国刀を作る刀匠の姿を交互に映す。そうして最後の方では、その靖国刀が中国で使われたときに何人もの中国人を切ったときの写真を挿入する。そうすることで監督の主張は明らかになる。

刀匠の刈谷さんは、映画を観ればわかるが、聖人でもなければ、思想家でもない。朴訥なただの職人である。そうして素朴な思いで作った刀が、戦争においては、例えば百人切りをする将校の刀となる。8月15日の朝から夜にかけて次々と靖国神社を訪れる軍人コスプレや日の丸パフォーマーたちも、主張しているのは、ただひたすらに「お国を守るために散っていった英霊の御霊を尊重しよう、敬おう」と言うことである。映像を見る限り、彼らは決して戦争賛美ではなく、素朴な人々であることを映し出す。それが、なぜか最後の帰結は中国での残虐な行為になるのである。日本と中国、台湾、ならびに韓国とはこれほどまでに「想いがすれ違っている」ということを示唆したのが、この映画である。

ドキュメントならではの面白さがある。

8月15日、パフォーマンスしている人たちの周りをその倍する人々が取り囲み、写真を撮っている。靖国神社の中でさえ、彼らはまだ孤立している。
あるいは米国不動産屋が「小泉首相を支持する」と書いて、星条旗とともにパフォーマンスしている。その米国人に友好の握手を求める日本人、一方でその星条旗に反発して「ヤンキーゴーホーム」と叫ぶ日本人。現代の靖国支持派が二つに割れた瞬間を映し出す。

作品上の欠点もある。

最初の方で有名な小泉元首相の靖国参拝をする言い訳のコメントが映し出される。
「私はこの靖国の参拝の問題は外交問題にはしない方がいいと思っています。一国の首相が一政治家として一国民として戦没者に対して感謝と敬意を捧げる。哀悼の念を持って靖国神社に参拝する。二度と戦争を起こしてはいけないということが、日本人から、おかしいとか、いけないとかいう批判が、私はいまだに理解できません。まして外国の政府が一政治家の心の問題に対して、靖国参拝はけしからぬということも理解できないんです。精神の自由、心の問題。この問題について、政治が関与することを嫌う言論人、知識人が、私の靖国参拝を批判することも理解できません。まして外国政府がそのような心の問題にまで介入して外交問題にしようとする、その姿勢も理解できません。精神の自由、心の問題、これは誰も侵すことのできない憲法に保障されたものであります。」(06年1月年頭記者会見)このコメントに対して、映画では、男兄弟三人とも戦死したオバちゃんから、刀匠の刈谷さんに至るまで、そしておそらくここに出てくる靖国支持派のほとんどが「その通りだ」と言うわけです。反対にいえば、この映画を見る限り、靖国を支持する人たちの唯一の理論的な根拠がこのコメントなわけです。

「心の問題だ」と言う小泉と、「心の問題だ」と言う一般民衆との思いは果たしてイコールなのか。
しかしこの映画ではそこに鋭く切り込んではいない。それがなんとも残念である。


刈谷さんが監督のために水戸光圀の漢詩を吟ずる場面が最後にある。
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「詠日本刀」
蒼龍,猶お未だ雲霄に昇らず
潜んで神洲剣客の腰に在り
髯虜鏖(みなごろし)にせんと欲すも、策無きに非ず
容易に汚す勿れ日本刀

詳しい訳は避けるとして(^_^;)要は少なくとも刈谷さんの思いは、日本刀を容易に殺すことに使うのはやめましょう、と言うことなのだと思う。刈谷さんは「一国民として戦没者に対して感謝と敬意を捧げる。」「二度と戦争を起こしてはいけない」と言う一民衆であるということがきちんと分る場面であった。それと「憲法改正」を言う政府とのギャップを出来たならば映画は切り込んで欲しかった。

浄土真宗の住職の言葉は少し切り込んでいるが、もう少し展開して欲しかった。あそこに「魂の錬金術装置」としての靖国神社の秘密がある。

あとドキュメンタリーとして、冗長な映像が幾つか散見されたが、長くなるので省略する。

総評。ドキュメンタリーとしては、普通の出来。これを見て隣の人といろいろと議論するのには、(出来たら靖国支持派の人と議論するには)いい映画ではある。






最終更新日  2008年07月27日 22時37分10秒
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2008年07月06日
カテゴリ:アジア映画(08)
寝ている犬を蹴とばすと吠えるだろう。
吠える犬は制裁しないといけない。
そうして、その犬を棍棒で殴る。
そうやって軍は
暴徒を鎮圧した実績を作りたかったのだ。


一般の市民にとり突然始まったかのように思える1980.5.18の市民弾圧のあと、ミヌたちはそのような意味のことを教会の牧師から説明される。

「光州5.18」を観た。岡山シネマクレールは一日一回、一週間のみの上映ということもあり、日曜に10分前に行った時には私が最後のいす席になってしまった。この映画館で立ち見が出るのは久しぶりである。

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監督 : キム・ジフン
出演 : キム・サンギョン 、 イ・ヨウォン 、 イ・ジュンギ 、 アン・ソンギ 、 ソン・ジェホ 、 ナ・ムニ 、 パク・チョルミン 、 パク・ウォンサン 、 ソン・ビョンホ 、 チョン・インギ

2003年光州をぶらりと旅をした。主な目的は遺跡めぐりと食べ物めぐりなのだが、地元の観光パンフを手にとり、ふらっと「5.18国立墓地」にタクシーで行った。市内を30分ほど走ると、広い敷地に整備された墓地と記念館、抵抗する市民たちのブロンズ像などがあり、日本語が出来るかわいい受付嬢が迎えてくれた。「どうしてここを知ったのですか?」「光州に来た以上はこの事件のあとを見てみようと思ったんです。何が起きたのか知りたかった。「ペパーミント・キャンデー」という映画があったでしょ?あの映画でこの事件のことを知ったのです。」受付嬢はもちろん事件のことには詳しかったが、この映画のことは知らなかった。「なんか聞いたことがある」程度であった。「ぜひ一度見てみることをお勧めします。」と私はいらないおせっかいで言ったものだ。この旅のことはここで書いてあり、写真も少しだけ載せている。そこではこのように書いている。

韓国はほんのつい最近まで軍事独裁政権下にあった国である。第二次世界大戦後の南北分断、1960年以降の軍事政権下のあと1980年の光州事件でそれは頂点に達する。民主化運動を軍隊を使って弾圧しようとして、運動と関係ない市民も含めて多大な犠牲者を出したのが光州事件である。今は完全に当時の政府の処置は誤りとされ、犠牲者の墓地は「国立」として整備されている。長期軍事独裁政権を武力に拠らず、民主化運動で覆した韓国の運動の雰囲気を少しだけでも味わいたかった。バスセンターの観光案内所に行くと「光州広域市5.18宣揚課」が作ったカラー24Pに渡る日本語無料パンフがある。

5.18墓地に行くと20才、17才、15才等の墓が目立った。全員1980年5月18日前後に死んでいる。17才、15才は明かに「巻き込まれ型」の死亡である。体験館でドキュメントビデオを少しだけ見る。若者が大集会を起こし、そして整然とデモをしている。そしてその通りの向こうから戦車がやってくる。この墓地の入り口に立ったとき、受けつけのガイドの人が目ざとく見つけてくれて幾つか説明してくれた。なんと彼女は日本語が出来る。さすが国立墓地である。彼女の説明によると、「光州は金大中の生まれ故郷。当時でも民主化運動のもっとも激しく象徴的な都市でした。チョン・ド・ファン大統領はここを潰せば、全国の運動は下火になると踏んだのでしょう。」この事件に関わったチョン・ドファンとロ・テウ両元大統領が囚人服姿で法廷に並ぶ映像も見た。(日本でも「元首相」のこういう映像がながれても決しておかしくはない国なのだが)ドファンは終身刑、テウは18年の刑が下った。「でも今は釈放されて悪い事をしています。」「親戚にお金をまわして、自分は財産を持っていないと税金逃れをしたり…」ガイドの人とはバス乗り場でもいっしょになり、いろいろと話を聞いた。光州という土地ガらか、元大統領に対する目は冷たい。

12月2日(火)
朝が来た。三日間たまっていた(大)をする。すこぶる快調。(※)やはりキムチは凄い。博物館が開く9時まで、朝の散歩をする。道庁前の5.18広場は今は単なるロータリーでしかない。しかし1980.5.18はここは人でぎっしり埋まっていたのだ。身の危険を感じながらも数万の人たちが集まるという事はどういう事なのだろうか


※すみません。この文で不快に思う人もいたようです。私はたんに本場キムチの整腸作用は抜群であり、韓国の旅の特徴の一つだということを書きたかっただけなのです。

どれくらいのの墓があったのかは今では思い出せない。ショックだったのは、ちょっと歩いただけで、ここに書いているように10代の墓がいくつもいくつも見つかったということだ。もうそれだけで、軍は「暴徒鎮圧」のために殺したのではなく、市民もすべて無差別に殺したのだということが分かる。歴史的な事実の検証など全く必要ない。

映画では、私が朝に散歩した道庁前の広場が主な舞台になっている。あのように何度も市民と軍が対峙し、そしてあれほどの市街戦といってもいいほどの戦闘があったとは思っていなかった。後半は肉親を殺された「恨」のために、市民軍にかかわった人が多かったのだろうと推測される。もう一度あのロータリーを丹念に歩くと、銃弾の跡ぐらいは残っているのだろうか。もう一度光州を旅したくなった。

自然発生的な市民デモ。
そのことへの制裁をきっかけとする市民運動の過激化。
報道統制。
一部過激になった運動への軍隊での徹底的な弾圧。
軍隊による市民への暴力(棍棒で殴る、蹴る)。

それは光州市事件の特徴でもあり、そして今まさに韓国で起きているBSE牛肉規制緩和に発する市民のロウソクデモの特徴でもある。BSEの市民運動の弾圧も、まさに28年前と同じ道をたどろうとしている。1980年のときは、20年の長きの間、軍事独裁政権が続いていても、韓国市民は決して委縮せずに、あのような抵抗を試みた。もちろん勝機はほとんどなかった。けれども戦わずにはいられなかったし、アメリカの態度いかんでは、勝機はあっただろうと思う。翻って日本の場合はどうか。

すこし気をつけると日本でも既に同じようなことが起きている。機動隊がデモ行進の前で自ら転んで不当逮捕したというのである。日本の報道は何も伝えない。

映画のことを書くのを忘れた。中盤から最後に至るまで、観客の半数以上が泣いていたのではないか。たたみかけるように、感情に訴える映画作りは韓国映画の伝統芸である。少し型にはまる展開もあったけれども、俳優の力演もあり、いい作品だったと思う。






最終更新日  2008年07月07日 07時43分07秒
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2008年04月20日
カテゴリ:アジア映画(08)
「王妃の紋章」を観て、最初の感想は擬似黒澤明を観たようで興ざめしていたのですが、現代中国の現状をチャン・イーモウとして批判的に描いたのだと思い至ると俄然面白く思えてきました。

話は黒澤明「蜘蛛巣城」「乱」を彷彿させるが、美術演出は意識的に金と原色を使い豪華絢爛。豪華絢爛になればなるほど、骨肉争う権力闘争が浮だつという仕組み。

大まかな粗筋は事前に知っても支障はないので少し紹介。

■STORY《菊の節句》とも称される9月9日の重陽節―――王家の人々が一堂に集まり、永久の繁栄を祈る祝祭の日を前に、遠征に出ていた王(チョウ・ユンファ)と、外地に赴いていた第二王子・傑(ジェイ・チョウ)が王宮に帰ってくる。しかし、そのめでたさとは裏腹に、王宮内に渦巻いていたのは秘密の匂いと不穏な空気・・・。
王と王妃(コン・リー)のあいだは、とうの昔に冷え切っており、王妃は継子である皇太子(リウ・イェ)と長年にわたって不義の関係を続けていた。一方、病気がちな王妃をことさらに気遣い、自ら腹心の宮廷医に命じて“特別な薬”を調合させる王。それを毎日、決められた時間に、決められたとおりに飲むことが王妃に課せられた絶対の掟。皇太子は王妃との関係を断ち切りたいと願いながらも叶えられず。ひそかにつきあっている宮廷医の娘・蒋嬋(リー・マン)と王宮から脱出することを夢みている。
久しぶりに母親と再会した第二王子は、明らかに衰弱している母の様子を気にかけながらも、病身を押してまで一心不乱に菊の刺繍を続けるその姿に不吉な予感を覚える。
宮廷内に密偵を放ち、自分が飲んでいる薬の中身を突き止めてもなお、薬を飲むことをやめようとしない王妃の決意。密偵を務めたのは宮廷医の妻・蒋氏(チェン・ジン)。彼女にも、王に恨みを抱く理由があった。誰もがそ知らぬ顔で、表面だけを取り繕い、それぞれ胸に秘めた策略を練り上げていく。それは王家の中で唯一、汚れを知らない無邪気な存在に思えた第三王子も例外ではなかった・・・。
重陽節の夜、ついに解き放たれる黄金の一族の憎悪と陰謀。数百万の菊花に埋め尽くされた荘厳華麗な宴の夜に、国をも揺るがす惨事が起こる!
■CAST,STAFF
監督:チャン・イーモウ
出演:チョウ・ユンファ
  コン・リー
   ジェイ・チョウ
   リウ・イェ
   リー・マン

権力欲、色欲、復讐、独占欲が後半見事に収斂していく。戦闘場面があまりにも機械的だなあ、と思っていたら意味ある様式美でした。

シェイクスピアは男が滅びていくのに、なぜこの映画は違うのか、考えていたらつい最近の中国の権力闘争を思い出しました。四人組つまり毛沢東の妻の失脚です。この映画の舞台、重陽節が毛主席の命日であることを知り「確信」に変わりました。この映画の妻と三人の息子の役割ももしかしたら意味があるのかも知れません。

そのような寓意が万が一なくても映画をみれば権力闘争批判であることは一目瞭然、この監督は一方では北京オリンピックの開会式というマスゲームの監督をするのです。なんというしたたかさでしょうか。

でも本音をいえば監督には早く「初恋の来た道」の世界に帰ってきて欲しい。そのためには新しいミューズが必要なのでしょうけど。






最終更新日  2008年04月21日 16時22分17秒
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2008年04月12日
カテゴリ:アジア映画(08)
「南京1937」という映画を観た人はいるでしょうか。これから書くことは全て私の曖昧な記憶にもとづいて書くので事実の間違いがあれば指摘してもらいたい。

「南京1937」は幻の映画になっている。今から約10年前、所謂右翼の反対行動にあい、映画上映の中止が相次ぎ、ついにビデオも発売されなかった台湾・香港映画である。私はたまたま事が大きくなる前に岡山松竹(現在は閉館)の短期間上映で観た。

題名から解るように1937年の南京事件を正面から扱った歴史ドラマである。日本人の妻(早乙女愛)と中国人の夫が南京の街で侵略してきた日本軍から逃げ惑う。松井大将は日本人の知識人らしく歴史的建造物には敬意を払うが南京市民には関心を持たない。日本軍団は南京の街で無差別殺人、略奪、暴行を繰り返す。

主人公夫婦は市内の外国人住居地に逃げ込む。そこで赤ん坊を産む。ところが日本軍は治外法権のはずのここにまで入ってきて、中国人を捜しだし、あまつさえ主人公の夫を殺し、妻に乱暴を働く。また数え切れないくらい多くの南京市民を谷に連れていき、一成射撃で皆ごろしにする。
どうやら中国側の資料を丹念に映像化したらしい。リアルな絵造りをしていた。

さて、この映画に反対していた人々は何を恐れていたのだろう。この映画で南京事件の「真実」が固まるとでも思ったのだろうか?

私の感想は違う。私は歴史ドラマ映画の良し悪しを決める規準を「どれだけ気持ちよく私たちを騙してくれるか」にあるとおもっている。だからたとえ映画は素晴らしくても単純にそれで映画の中味を「真実」とは思わない。

また映画が傑作になるためには徹底的な歴史考証が必要だし、役者の迫真的な演技が要求されるだろう。
歴史考証は私にはわからない。けれどもこれがもし生存者の証言をもとにつくった映像ならどうかんがえても虐殺がなかったと証明するのは不可能だと思えた。早乙女愛は見違える位の力演をしていた。しかし、いかんせん、ほかの日本人役者並びに日本軍人役があまりにもひどい。全体的にこの映画が傑作だとは言えなかった。

監督の狙いは明確だった。最後、赤ん坊は南京郊外の川から逃れて終わる。南京事件を明らかにしながら、未来は日中友好を強く願うというものだった。その意味でも反対していた人はどこまで作品の内容を把握していたのか。

映画は見てみないと本当にわからない。そして映画とはドラマであれドキュメンタリであれ、監督の強烈な主張をうけて創られるものである。「公正中立」な映画などありえない。

今回の「靖国」騒動を眺めながら、日中友好は確実に進んでいることをあらためて感じた。なにしろ「靖国」は幻にはなりそうにない。どんどん観てどんどん批判すればいいのである。私の昔の記憶がそのことに資すれば幸いである。

追加
すみません。「南京1937」を。「南京935」と書いたり「南京1935」と書いたりしていました。私のあいまいな記憶をそのまま記事にしたせいです。ほかにもあれば、ご指摘ください。松根大将は松井石根大将の間違いでした。直しました。日中合作映画でもなく台湾と香港の映画だったらしいです。製作は95年。日本公開は98年です。(ウィキより)






最終更新日  2008年04月17日 13時36分29秒
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