不気味な映画「ファンタスティックフォー」
映画の日と言うことで、二本梯子をしました。その一本目。アメコミのヒーロー者である。何も考えずに楽しめばいいものではあるのだが、私はどうしても穿った見方をしてしまう。純粋に楽しみたい方は以下を読まないように。「ファンタスティック・フォー[超能力ユニット]」 監督 : ティム・ストーリー 出演 : ヨアン・グリフィズ マイケル・チクリス ジェシカ・アルバ どんな滑稽無等の作品をつくろうとも、ハリウッド作品というものは、必ず綿密なマーケットリサーチをするのである。数年前から次は何が「受ける」のか、きちんと調査してないと次の作品はつくらないと思う。このリサーチにおんぶに抱っこしているのが、日本の少年漫画の世界で、次に流行りそうな映画の約半年前に必ずその企画に似た大型連載が始まるのである。 (そうやって無理やり描かされた漫画家が何人潰されていったか)それはともかく、滑稽無等であればあるほど、ハリウッドはきちんと世情に合った企画を立てている。だからかえって時代を先取りした企画が多いのである。「インディペンデンスデイ」「ハルマゲドン」のあとにブッシュが誕生し、「スパイダーマン」のあとに悩めるアメリカが顕在化してくる。そしてこの映画、異常なほどに主人公たちは悩まないし、もっとひどいのは世論があまりにも単純なのである。ここに出てくる騒動の全ては四人に原因があるのに、世論は「ありがとう」とか言ってパーティまで開くのである。この世論の馬鹿さかげんは現在のハリケーンのブッシュ批判とあまりにも対照的なのだが油断は出来ない。ハリウッドのリサーチ能力はバカにできないのである。