2010年12月20日

堤美果さんは素敵です

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カテゴリ:社会時評
12月18日、堤美果さんの講演があったので聞きに行きました。本では共感と刺激を一杯もらっている著者ですが、やっぱり実物を見たいと思ったのです。

「希望をみすえ、貧困と格差社会を考える」という演題でした。印象を一言で言うと、才気煥発ですね。ロングヘアーはいつもの通り。スーツでキャリアウーマンのようです。意外にもアナウンサーとしても十分通る綺麗な声で、早口だけどしっかりとした発音です。この声が武器で、アメリカ社会をインタビューしまっくっているのだろうと感じました。素敵でした。

カメラを忘れたので、いつものような写真はありません(今、携帯で撮ればよかったと気がつきました)。今年は四冊本をだし、来年二月にも岩波ジュニア新書が出る予定です。現代日本で最も「乗っている」ルポライターであるといっていいでしょう。一方、時代が要請しているという面があります。

9.11以降、この10年でアメリカは大きく変化しました。それはいろんな形でダイレクトな波となって日本を襲っています。彼女は9.11が生んだ初めての本格的国際女性ジャーナリストかも知れない。そんな彼女がどうして「みんなの党」の川田龍平と一緒になっているのかが不思議なのですが、さすがに質問では出てこなかった。一応、彼女だけはその方向性は信頼してもいいかな、と思いました。

話の骨格は「グランドゼロがくれた希望」「ルポ・貧困大陸アメリカ2」だったが、幾つかは初めて聞いた話や改めて重要な指摘だと思った点があった。その幾つかをメモする。

9.11の教訓として、国民全体がパニックに陥っているときおかしな法律が通る。それは愛国者法。これは盗聴自由、個人情報はすべて見て、怪しいと国が判断すれば逮捕が出来る。これで監視カメラが全国で一挙に3000万台増えた。アメリカ国民はやがて気がつく。テロを監視しているのではない。私たちだ。学費反対の学生は一度デモに参加すれば、テロ容疑としてブラックリストに入る。そして、デモ前に逮捕される。

外に分かりやすい敵がいて、いつ狙われるか分からないという宣伝が起こったとき、アメリカ国民はやすやすとこの法律を通した。
……アメリカ国民は郊外ではほとんど新聞を取っていないらしい。だから、テレビの影響はあまりにもおおきい。この話を聞いて、私はすぐに北朝鮮のことを思った。日本にとって北朝鮮の存在は、アメリカのテロ組織と同じ役割をしている。北朝鮮が何かをして、パニックが起きたとき、有事法制は発動されるだろう。それだけではない、日本ほど空気を読む民族はいない。なにかとんでもないことが起きる気がする。事実、この前の砲撃騒ぎのときに、有事法制、国民保護法制で確立されている「連絡網」は動いているのである。果たして、自治体のどの部分まで「連絡」が行ったのか。マスコミ、病院等の公的、民間機関まで行ったのか、どのような「連絡」が行ったのか、私は知りたいと思う。

アメリカは本来空気を読まない人ばっかりだったのに、このときばかりは空気を読んで反対する議員はいなかった。一度、持った権利を国は離さない。去年この法律の期限が切れるとき、議員の過半数はこの法律に反対だったのに、なぜか12月テロ危機が起きた。オバマはこの法律を恒常法とした。
……この一点だけでも、オバマを信頼するというのは間違いだ、ということが分かる。

イラク戦争に行った兵士がこれだけは日本に伝えてほしいと言っていました。「イラクやアフガンから帰ってくる兵士の中で、日本のことを知りたいという人が増えている。アメリカは劣化ウラン弾を使っていて、兵士の中でも癌が増えている。アメリカでは報道されない。彼らはまったく補償が無い。日本の被爆者は長い間の戦いで、最近補償を勝ち取った。興味があるらしい。日本には憲法九条がある。憧れの憲法ではある。けれども、もしアメリカに九条があっても、私はイラクに行っただろう。九条があっても無くても、当たり前の生存権(25条)教育権(26条)が奪われたならば、戦争に行かざるをえなくなる。いろんな権利をセットで守らなくちゃいけないのです」

「若い人にメッセージをください」という声に対して。
高校生から聞こえるのは「将来が不安だ」という声、大学生からは「五年先が考えられない」という声。私は言いたい。そんなに若いときから将来を悲観しないで。もっと、大人に頑張らせて!と。





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最終更新日  2010年12月20日 08時50分16秒
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