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テーマ:ベトナム好き集まれ(2184)
カテゴリ:ベトナム文学
「子供の結婚」 タック・ラム著 岩井訳
家に帰る 昼時に花嫁宅を辞した。巡察の若い男が数人面倒を起こしてきた。すでに4ハオも渡したというのに、彼らは満足しないのだ。父は怒って紐を引き千切り、花瓶ごと机をひっくり返した。 連中は罵り喚きながら走り去って行った。 家に着いたけど、あっちの儀式が終わればこっちで儀式が待ち受けている。もう疲れて膝に力が入らないけど、まだまだ終わらない。これから行われる婚姻の儀がもっともヤバイのだ。 ぼくは既に恥ずかしさの絶頂だというのに、紳士淑女の皆様方は、「夫は小さいのに妻はでかい」とか、「夫はネズミ、妻は巨象」とか、「夫があんな子供では何も分かっちゃいないのよ」など、好き勝手に品定めしてくださる。 本当に恥ずかしい。さらに儒者がすべて漢読みで朗唱したとき、ぼくが木偶の坊のように呆然と立ちすくんでいたら、人々の間からクスクス笑い声がもれた。チラッと柱の陰に隠れているスー嬢を見てみると、彼女は口をもぐもぐ動かしながら熱心に拝んでいたが、何を祈願しているのかぼくには知る由もなかった。 つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年06月24日 20時56分29秒
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