ベトナム見聞録

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2005年06月26日
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カテゴリ:ベトナム生活雑記
「英語に標準語はない」

何かの本でそう読んだことがあります。その根拠として、以下のような説明がなされていたと記憶しています。

アメリカ、イギリス、シンガポール、ナイジェリア、オーストラリア・・・。それぞれの国で話されている英語はそれぞれの特徴があり、どれが正しくてどれが標準と決めることはできない。さらに世界の多くの人々が己の母語が通じない相手とコミニケーションする手段として、英語を用いている。日本人と中国人、タイ人とイタリア人が英語で会話をする。日本語でもなく中国語でもなく。そのような「世界言語」であるため、標準がどうのこうのというより、通じ合えばそれでよし。英語とはそういう言語なのだ、と。

日本人は英語の発音が下手だと言われています。おそらく多くの日本人がそう自己採点していると思います。私もその一人です。実際、私の英語は文法も発音もデタラメ。でもたいていの場合、それでも通じました。デタラメ過ぎて通じなかったこともありますが、多少のデタラメだったら大丈夫。英語は「ぶれ」に強く、許容範囲の広い言語なのです。上記の本の影響もあり、デタラメだって別にかまへん、通じりゃええねん、そう曲解して開き直っていた私ですが、ベトナムでさっぱり理解できない英語に出くわしてしまいました。

ベトナムでも普段から外国人と英語で会話する機会の多い人は、理解可能な英語を話します。ここで問題にするのはそのような実践経験はほとんどないが、英語の勉強はしているというベトナム人です。

私はハノイで英語の家庭教師をしているという男子大学生に会い、彼は何事か早口で話しかけてきました。私はまったく理解できないばかりか、何語を話しているのかさえ分かりませんでした。いままで相手の英語が理解できなかった経験は自慢じゃないが山ほどあります。英語のニュースを聞いてもチンプンカンプン、その程度のレベルなので。でも解らないなりにも英語が話されていることぐらいは理解できました。

「何語で話してんの?」
「えっ!?英語やけど・・・」

ベトナム語の会話で彼が英語を話していたことが判明しました。気を取り直して耳を傾けてみると、確かに英語だった。でもほとんど解らない・・・。

何度か同じような経験をし、「なぜ一部のベトナム人の英語が理解できないか」という疑問に、私は自分の英語力の未熟さを棚上げして、私なりの回答を出しました。

結論から言うと、ベトナム人の英語と日本人の英語は非常に相性が悪い、最悪のマッチングだということです。そしてその相性の悪さが如実に現れるのが末子音です。例えば「mac」、「mat」、「map」、「mach」。アメリカ人なら「マッ(ク)」、「マッ(ト)」、「マッ(プ)」、「マッ(チ)」と、()内は微かに発音するのだと思います。日本人なら「マック」、「マット」、「マップ」、「マッチ」でしょう。ではベトナム人ならどうか。

ベトナム人なら「マッ」、「マッ」、「マッ」、「マッ」です。正確に言えばそれぞれ微妙に違う「マッ」なのですが、日本人の耳には同じ「マッ」に聞こえます。ベトナム語では末子音は発音しないので(発音しなくても口や舌はc、t、p、chの位置に動かす)、英語にもそのルールを適用してしまう傾向があります。逆に日本人は末子音の発音を強調し過ぎてしまう。日本語にはn以外の末子音で終わる単語がないからです。

「パッポー、パッポー」
ホテルのレセプションでそう言われて、理解できる日本人がどれほどいるでしょうか。私は何度も聞き返してやっと理解できました。彼が「パスポート」と言っていることを。

「アイックリ、アイックリ」
これは「アイスクリーム」のことでした。

多少デタラメの英語でもかまわない、通じればいいのさ、私はいまでもそう思っています。でも逆方向にずれたデタラメ英語同士だと、お互い通じない。許容範囲の広い英語といえども、やはり範囲はあるのです。

おそらく通常の観光でベトナムを旅行する場合は、外国人との会話に慣れない「純粋越式英語」にはあまり遭遇しないと思います。ですが、もし幸運にも遭遇することがあったら、想像力を駆使して相手の英語の末子音を補い、自分の英語はわざと末子音を落として話してみたりという「高等テクニック」をたのしんでみてください。もしくは「純粋日式英語」で相手も面食らわせてやりますか。







最終更新日  2005年06月26日 11時14分37秒
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