国指定名勝 旧島津氏玉里邸庭園を訪ねる(その二)
庭園全体を眺めると何とも言えない佇まいである。大小の自然石や石造物が緑の木々や芝生、池に溶け込んで風情がある。散策しながら、それらを見ることにして歩き始めた。 石燈籠の数々 珍しいキリシタン燈籠を見つけた 説明板によると「ここには9個の燈籠があり、形と配置がよく考えられています。中でも注目されるのが、この『キリシタン燈籠』です。この燈籠は、27代斉興(1809~1851)の娘『勝姫』が、ひそかに拝んだといわれており、形・デザインともにたいへん変わっていて、珍しいものとされています。ただ、はじめからこの場所にあったかどうかは、はっきりしていません」とある。島津家とキリスト教はいろいろな史実からみても、縁が深い。 次に少し奥に行くと「水道高舛」がある。 パンフレットに次のように書いてある。「玉里邸の東方540mにある紙屋谷の湧水を水源として、水は、石管(およそ32cm四方、長さ90cm、中央の直径12cmの孔)をつないだ水路を地中に埋設し、玉里邸まで引いていました。自然流下による圧力給水方式の水道で、当時としては全国唯一のものでした。高舛は、水圧を調整したり、水を分配する役割があります」 巨石(磯石) これは島津家別邸(現在の仙巌園)の前方に広がる磯の海中にあったものを運んだと伝えられる。縦・横およそ3,5m、高さおよそ3mのこの巨石を53個に分割し運び込み再び継ぎ固められたという。上面には、柱穴が残されていることから。何らかの祠が祀られていたとも考えられる(パンフレットより抜粋) さいごの写真は茶室である。