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カテゴリ:日本の歴史
日本と中国大陸に跨る壮大で大変面白い小説だ。私も最近になく3日で読み終わった。 最近私たちの高校の同期会「八期通信」のメール交換では、関東に住むNSくん、関西に住むKBくん、それに鹿児島本部の編集長である3人を中心とするちょっとした「古代史ブーム」が到来している。 「薩摩の歴史」一辺倒の私とは異なり、もともとこの3人は古代史にも造詣が深いということは、これまでの交流で私も知っていた。 そういうメールのやり取りの中で、先ずNSくんがKくんに「迷宮の月」を送ったのがきっかけで、私の妻も古代史や中国・朝鮮の歴史の本を読んでいると知ったNSくんから我が家にも「奥さんに送るので、その後クマタツさんも読んでみてください」ということで「迷宮の月」が届き、KBくんにも送ってくれたそうだ。我が家でも妻が読んで、その後私も読んだのだった。 前記3人の間では、その「迷宮の月」の読後感など行き交う中で次の段階ではどの本を読んだらいいかなど盛んに情報がいき交っている。 それによると、時代の順番でいけば、いずれも安部龍太郎の「姫神」「迷宮の月」「平城京」。 その他では井上靖の「額田女王」、松本清張の「壬申の乱」「神々の乱心」上下、「琉球王国 高良倉吉」、海音寺潮五郎の「大化の改新」、津本陽の「則天武后」上下などが面白いそうだ。 私もやっと「迷宮の月」や井沢元彦の「日本史の叛逆者 私説・壬申の乱」(これもNSくんが送ってれた)を読み終えて俄然面白くなってきたので、次にどれを読もうかと食指が動き始めたところである。 前書きが長くなったが、「迷宮の月」のことである。 遣唐使を命じられたのは大宝元年(701)、粟田真人(あわたまひと)は、この物語の主人公であり、第八次遣唐使の最高責任者の執節使(しっせつし)である。普通は遣唐使の長は大使とよばれるのだが、669年以来33年ぶりの今回は日本と唐の国交を回復するするための重要な使節なので、大使、副使の上に執節使をおいて、対外外交の権威である真人が任じられたのである。真人は14歳の時、達観という出家として唐に滞在したことがあるが、帰国後事情があって還俗する。 同行者の一人には秘書として後に万葉歌人として名を馳せる山上憶良や真人の娘の婚約者で4号船の船長である阿倍船人もいた。 今回の遣唐使の真人は朝廷一の実力者・藤原不比等から日本と唐との国交回復という密命を受けて、420人という使節を引き連れて4艘の船に分乗し荒波を超えて中国を目指したのだった。その荒波など天候に左右されて出港できたのは702年、その約40年前、日本の天智天皇は唐と新羅に滅ぼされた朝鮮半島の百済を再興させようと4万人の兵を送ったも白村江(はくすきのえ)の戦いで大敗を喫していた。 それ以降、日本は唐との外交関係を絶っていたのだ。 遣唐使のミッションは二つあり、一つは、唐との国交回復をすること、二つは、唐の優れた制度や仏教などの教理を学ぶため留学生や留学僧を送り届けることであった。 しかも大国・唐から朝貢外交を当然とする姿勢はともかく、外見上は唐と対等な立場としての条約を締結しなければならないという難しい使命を帯びていた。 中国の大周の楚州塩城権に到着したが、そこは唐の統治下にはなく、女帝・則天武后を皇帝とする武周朝となっていた。 そこから則天武后のいる長安までの道のりも接待役で個性的な宦官などに騙されたりの苦労がある。 しかし、悪人もいれば善良な人のいるのもこの世の習いで、真人も命にかかわるような仕打ちを受けながらもミッションを果たすべく一歩づつ進んでいく。そして雲上の麗人・太平公主との艶めいた接点もあり王宮の奥で妖しくも美しい月を見るのだった。まさに「迷宮の月」である。 全体を通じて感じたことは、対外関係なかんずくアジアにおける中国との関係は昔も今も大きくは変わらないということだ。歴史を知ることで現代を知ることができるというのが実感である。 真人は、朝一番の仕事として「遣唐日誌」を書いていた。帰国したとき、朝廷に報告する義務があるので、覚書を残す必要があったのだ。もう一つ真人の文がある。それは一人娘の真奈にあてた文を書き執節使になった自分の胸の内を包み隠さず書き記しておくことにしたからだ。それは万一遭難して命を落とすことになった場合でも、重要書類や日誌、貴重な経典などは防水性の高い櫃に入れて海を漂わせることになっていた。 その二つのものが随所にまとまった形で書いてあるので、読者としても頭の整理になって、助けられた。 これを機会にもうひと踏ん張りして、日本、中国、朝鮮の古代史にも挑戦しようと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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遣唐使から 日本 中国 朝鮮の歴史を見ることが出来ますね。先日 日本が 朝鮮を植民地にした時代 という本を 見る機会が有り 今のロシアさながら
朝鮮を 侵略 支配した時代を 知ることが出来ました。 (2022.07.01 21:15:42)
蕗さん8256さんへ
日本も今こそ平和憲法で侵略行為などやりませんが、昔のことでは「世界に誇れる日本」なんて言えませんね。 しかも、今回のロシアのウクライナ侵攻を日本の軍事予算の増加に結びつけようというような輩もいて油断できません。 (2022.07.01 21:49:41)
こんばんは。歴史が好きな方は最高の本でしょうね。自分は英語を聞くよりわかりません。大切なことだということは分かりますが、寝ているか運動でもしていた方がよさそうです。楽しんでください。もう暑くて、暑くて参りそうです。そちらは爽やかな暑さでしょうね。
(2022.07.01 22:05:20)
木昌1777さんへ
皆さんそれぞれの楽しみ方で人生満喫しましょう。 鹿児島は暑さの本場を関東辺りに持っていかれましたが、湿度が高いので熱中症には気をつけないといけません。 夜中もエアコンこそつけませんが、それなりの対策をしています。 しかし猛暑になれば、夜もエアコンを使います。 (2022.07.02 06:43:06)
重要書類や日誌、貴重な経典などは防水性の高い櫃に入れて海を漂わせることになっていた。…ワーびっくりしました。初めて知ったことですが、なかなかそう言ったご本を読みませんので、全く無知もいいところで、お恥ずかしい次第です。
しかしまたいいお友達ですね。そうやって友人の中で読書の輪が広が志、奥さまも参加されての読書・・・かっこいいなあー。インテリゼンスなおつきあいですねー。 私もた置賜高校時代の友が本を貸してくれますが、いまはすすんで本を読むこともありません。英語も早くものにして、本の世界にも入り込みたいものですが・・・。そんな日が来るかどうか。 (2022.07.02 07:00:02)
ローズコーンさんへ
高校時代はほとんど話をしたこともなかったような仲間も多いですが、今頃になって急に花が咲いたという感じです。 当時は若くてまだ未熟なときでしたので、それぞれが社会で鍛えられて、成長し、老齢期に入ってやっと自分の生きてきたことを噛み締めながら読書や旅などに喜びを見出しているのだと思います。私を含まて。 いずれにしてもこの高校でこの仲間と出会っていなければ私の後半生もあじけないものになっていたでしょう。仲間に感謝しかありません。 (2022.07.02 11:41:54)
こんにちは。
歴史は苦手で本も歴史物は避けています 遣唐使だと朝鮮ですね 高校生の同級生の方同士で迷宮の月を送ってくださって 奥様の次がクマタツさんの順にそして次の方に 同じ趣味同士で話が弾みますね (2022.07.02 16:40:08)
楓0601さんへ
私は理数系に弱く、高校時代も物理とかは選択せず、地学とかをとっていました。 その代わり国語や社会・歴史などが好きでした。偏りがあるので全体の成績は、あまりよくありませんでした。 しかし、こうして好きなことだけをできる老齢期に入ってから歴史を思い切り楽しんでいます。 (2022.07.02 17:00:37)
この時代の話、簡単ですが私も「西暦535年の大噴火」のブログで触れたことがありますねぇ。
歴史は詳しく見ていくと本当に興味深いなぁと思います。 それではまた。 (2022.07.02 21:05:02)
わー、古代史ですか。
話を聞くとも白いと思うのですが、勉強するとなるとつかみどころがなくて、実は苦手です。 順番は後先になるようですが、今日のご本、読んでみようかしら? 少しは古代史に近づく手がかり足がかりになるかも。 クマタツ家のご夫妻はいつまでも仲良しですね。 ところで奄美大島の花螺李、今日届いて、とりあえずシロップ作りました! (2022.07.02 22:10:36)
mamatamさんへ
「薩摩の歴史」だけしか知らない私が、友人たちに刺激されて、おまけに本まで送ってもらい読み始めて俄然興味を抱いたのがこの本です。 おっしゃるように神話と現実も入り混じっていて「つかみどころ」がないですが、私は「天皇家の系図」をダウンロードして知ったことを書き込むようにしました。少ない空白部分に書き込むのは大変ですが、もう一工夫すればなんとかなります。島津も系図を作ってやったので同じ様にしたのです。 (2022.07.03 08:31:47)
kopanda06さんへ
図書館といえば、最近は新しくできた繁華街・天文館の市立図書館の分館には数回行きますが、歴史の専門書などは置いてないです。依頼すれば取り寄せて貸してくれるのですが。 そうなると、慣れた県立図書館ということになるのですが、しばらく行っていません。コロナと暑さも影響しています。 (2022.07.03 08:36:21)
こんにちは。
中国史・古代史、ハードルが高いです。 ご友人のお勧めとはいえ、読破して感想まで…すごいですね。 私は日本の時代物はよく読みますが、感化されやすく(光秀は生きていた、秀頼は九州で生涯を終えた、等々)子供たちは「また始まった(;^_^A)」とあきれています。 話は変わりますが、南点の執筆に川田達也氏ですね。 楽しみが増えました。 (2022.07.03 11:07:27)
yokota115さんへ
今日は朝からテレビで(CSテレ朝チャンネル2)で女子プロゴルフを見ながら、パソコンもという欲張ったことをしています。 いつもの勝みなみちゃんの応援です。現在-9でトップに2打差まで迫ってきました。同級生のラインが賑わっています。龍作おじいちゃんも現地に行っていますよ。 川田さんは「南点」の執筆者になられて良かったです。歴史家として認知されてきたからだと思います。メールで祝意を伝えました。 古代史もかじっては止めの連続でしたが、今回小説から入ったので、良かったようです。今回ははまりそうです。 万葉集に詳しいyokota115さんは、得意な分野だと思いますが・・・。 (2022.07.03 12:03:29)
やすじ2021さんへ
当地も台風の影響で時々横殴りの風が吹いて、窓を明けたり〆たり大変でした。 明日は用心が必要のようです。 気を引き締めて過ごしたいと思います。 そちらもご用心を。 (2022.07.04 20:31:57)
クマタツさん、高校の先生あたりに読ませたい感想文ですね!
(2022.07.04 22:16:28)
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