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ジージの南からの便り

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2022.08.04
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カテゴリ:日本の歴史



同じ姉龍太郎著「迷宮の月」を読んだことは先日ブログに書いたが、古代史に造詣の深いKくんがその頃私達の同期生でやっているメール交換の中で「『平城京』を読了したが、『迷宮の月』の続編みたいだった」と書いてきた。それを見た私は「迷宮の月」が面白かったこともあり、すぐ「平城京」も入手して、4,5日で読み終わった。

 「迷宮の月」はいうまでもなく遣唐使の話だったので舞台が中国大陸が主であったが、「平城京」は文字通り日本の新都・平城京をつくる話なので大和・奈良が舞台である。
時代は「迷宮の月」の第八次遣唐使 大宝2年(702)~慶雲元年(704) 執節使・粟田真人(あわたのまひと)に対し「平城京」は慶雲4年(707)~和銅3年(710)の物語であり、主に平城京造営に関することが中心である。

 このように時代も第八次遣唐使帰還ごわずか3年後のことから始まっており、登場人物も主要な部分で重なっている。執節使であった粟田真人は藤原不比等などと並び朝廷の実力者になっている。
しかし、この「平城京」の小説の主人公は本の帯封に「国家の命運は、一人の青年に委ねられた」とあるように遣唐使の4号船の船長であった「安倍船人」(あべのふなひと)その人である。

  (以下3枚の写真は2014年クマタツ撮影で当ブログ2015年3月4日の記事から転写した)
                                 朱雀門


 それまでの藤原京から平城京への遷都は文武天皇在世中の慶雲4年(707)に審議が始まり、その亡き後、天明天皇により勅が発せられた。そしてわずか3年後には平城京遷都がなるのである。
その新都造営の責任者に任ぜられたのが阿倍船人の兄・安倍宿奈麻呂(あべのすくなまろ)であった。
当時、船人はある事件の責任をとらされて謹慎中であったが、そこに兄・宿奈麻呂が訪れて長安に倣って新都を奈良山の麓につくるようになったので手伝ってほしいというのだった。安倍家の父・比羅夫は元はと言えば孝元天皇の皇子・大彦命を祖先とする名門阿部家の生まれであった。しかし、白村江(はくすきのえ)の戦いで唐と新羅に大敗したのは水軍の大将だった阿倍比羅夫が戦法をあやまったためとの意見が根強くあった。そういう阿部家にとってはこの造営の責任者に取り立てられたことは名誉挽回のチャンスであった。そのような背景もあったので、船人も兄に協力して現場の指揮を執ることになる。

 平城京は唐の都・長安に倣って造営する都市そのものであり、東西約4、3キロ(外京を含むと約5、9キロ)南北に約5,9キロという広大な都市にしなければならない。
短期間での造営は突貫工事であり、川の付替え工事や道路建設、整地作業、大極殿の移築などに一日約1万人の役夫が必要とされた。そればかりか彼らの宿泊施設などの問題もあった。
そして何よりも厄介だったのが、造営予定地に住む人民の立ち退き問題であった。
それらを一つ一つ解決しながら、また造営中にも遷都を良しとしない一派との戦いなど立ちはだかる困難を克服していく。

 現在のゼネコンの日進月歩の技術などをいくらかでも知る私は、1300年前の何もない時代にどのような方法で都一つをつくっていくかという過程は大変興味深いものがあり、ミステリー風な物語の展開にぐんぐん惹かれていって読了することができた。
                                  全景?


 「平城京」を読んだ後、kくんが歴史的には「迷宮の月」「平城京」の前にくるのが同じ安部龍太郎の「姫神」だろうと書いていたが、それも読了することができた。
このことも気が向けばいずれ書くことにしようと思う。
                                   大極殿





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Last updated  2022.08.04 21:02:11
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