2006/03/08(水)01:54
チェ ヘッタと韓国文化
長男の柱君が夜中に吐いてしまい、朝起きても具合が悪いらしくずっと泣いていた。
どうやら、韓国語で言うと「チェ ヘッタ」、日本語で「食もたれ」の様子。
韓国にはこの「チェ ヘッタ」のときの荒治療法がある。
ヒョンビン主演の映画『百万長者の初恋』にもそのシーンがでてくる。
その荒治療法とは、まず、肩からひじ方面へ何度か強くさすって血をめぐらせ、親指の爪と関節の間あたりに針を刺して血を出すのだ。
針で指をブスッと刺すと黒い血が出てきて、しばらくすると「チェ ヘッタ」状態が緩和される。
映画のネタバレになるのだが、『百万長者の初恋』ではチェギョン@ヒョンビンが寝込んでいるときに、級友たちが勝手に「チェ ヘッタ」状態と勘違いし、嫌がるチェギョンを押さえつけながらチェギョンの指を針でブスッと刺す。
級友たちは「さあ、真っ黒い血が出るぞ!」と期待するのだが、実際にチェギョンの指から出た血は黒くなく真っ赤だった(=チェ ヘッタではない)ので、級友たちはその場を逃げてしまうのだ(観客大爆笑)。
柱君が「チェ ヘッタ」状態なので、アッパが縫い針を持ってきてブスッとしたのだが、父親心にかわいそうで手加減したのか針を刺す勢いが弱かったらしく、柱君の指からは血も出なかった。
さすがにもう一度刺すわけにもいかず、小児用消化剤を飲ませて休ませることにした。
ちなみに韓国では、この「チェ ヘッタ」時の治療に使う針セットも薬局で販売されている。
ボールペンのような形で、指にあててノックすると専用針が飛び出す。
適切な強さで針が出るので、痛いだけで血が出ない ということもない。
しかも、針は取替え式になっていて衛生的だ。
そして「チェ ヘッタ」の時は小麦粉製品の摂取は禁物らしい。
ついでにもう少し映画『百万長者の初恋』に出てくる韓国独特の文化を紹介しようと思う。
(ネタバレになります)
チェギョンが転校初日、図体のでかいミョンシギに「ちょっと来い」と呼び出すのだが、ソウルでは呼び出されて行く場所と言えば屋上らしく、田舎では売店らしい。
屋上に呼び出したはずのミョンシギたちがいつまでたっても上がってこないのでチェギョンはしびれを切らすシーン。
「『ちょっと来い』と呼び出したら当然屋上だろう?」のチェギョンの問いにミョンシギは「当然売店だろう? チョコパイを買ってくれて」(観客大爆笑)。
その日の夜 チェギョンがミョンシギの家に行くと、ミョンシギアボジが夕食を食べて行けと食事を出してくれる。
韓国では最年長者が箸をつけてから、自分たちも食べることが出来るのだ。
チェギョンもミョンシギも、ミョンシギアボジが箸をつけるのを待ってから食べ始めた(個人的に好きなシーン)。
そしてチェギョンが一人暮らしだからと、おかずをいろいろ包んでくれるのだ。
家庭で親しい人と一緒に食事をすることと おかずを包んで持たせることは、韓国では良く見られる光景だ。
もうひとつ、鳳仙花で指先を染める「ポンスンア ムルドゥリ」も代表的な韓国文化の一つ。
この『百万長者の初恋』以外にも、いろんな映画やドラマに出てくる。
実際に色がつくまでにはかなりの時間がかかるらしくて大変らしいが、ようやくついた色がいついつまで(初雪が降るまでだったかな、、、?)落ちなければ、初恋の人と結ばれると言われているらしい。
今は化粧品屋でムルドゥリしたときのような色のマニキュアも売ってる。
なんか話がだいぶずれちゃったけど、柱君はもう元気になって、またもりもり食べている。