今年の旧正月に香港で公開された映画『2013我愛HK恭[喜喜]
發財』ですが、ソフトを入手したままだったので、この週末に観て
みました。
お話は、老舗の食堂を営んできた宋池雄(アラン・タム)は、その
昔に経営権を譲り受けてから何とか続けてきたが、古くからの悪
友である夏石森(ナット・チャン)が強引に物件の買収をしかけて
きた。家族や従業員との絆も薄れてきた事で、自らの命を絶とう
とビルの屋上に立った時、神様(エリック・ツァン)が現れ一命を
取りとめた。そこから70年代の回想となり、に中国から香港へと
渡ってきて食堂の従業員として何とか雇ってもらえた青年期の宋
池雄(ボスコ・ウォン)は、夏石森(マイケル・ツェ)から都合よく利
用されたり、恋仲となった洋洋(ケイト・チョイ)にプロポーズしよう
とやっと買った婚約指輪が同僚を救済するために水の泡となって
しまったりと、苦労が続いた。無事に洋洋と結婚して子どもが生ま
れるが教育方針で衝突したり、店の将来を託され経営権を譲り受
け切り盛りする苦労などいった事を思い出していき・・・という感じ
に進んでいきます。
毎年、ショウ・ブラザーズ(邵氏兄弟)とTVB(無綫電視)が製作
している旧正月映画の2013年版となり、今年はアラン・タムを始
めプロデューサーでもあるエリック・ツァンや約20年ぶりに映画に
復帰したヴェロニカ・イップが出演していたりと、とても豪華な出演
者となっていました。
本編の大半は1970年代を回想するシーンが続き、一昨年までの
作品と同様に古き良き昔の香港を懐かしむ内容となっていました。
ですが、単にドタバタとした回想ではなく、今まで苦労してきた話や
時代ごとの出来事とリンクさせたりしていて、香港人の中でも特に
中高年世代をターゲットにした懐かしさという感じでした。
アラン・タムの他に、ウィナーズ(温拿)のメンバーのベネット・パン
(阿健)、ダニー・イップ(阿強)、アンソニー・チャン(陳友)の3人や
前身のルーザーズ時代のメンバーだったナット・チャンも出演して
いるし、劇中で『L-O-V-E LOVE』の替え歌も使われていたので、
様々な諸事情はあるでしょうがケニー・ビーにも出演して欲しかっ
たです。
あとは、冒頭に韓国のPSYのパロディでサングラスをした小太りの
男が登場するのですが、日本だけでなく香港でも人気がイマイチ
だったような気がした事と、クライマックスでちょっとしたオチのネタ
にも繋がっている英語名としてサミュエル・ホイの事が少しだけ台
詞に出てきた事が嬉しく思ったりもしました。
(K)