2008/02/04(月)23:54
本年28冊目『リスク・上』
●『リスク・上』ピーター・バーンスタイン_オススメ度★★★(満点5点)
一言で言って、「数学と苦闘した人たちの歴史を丁寧に描いた本」。
ああ、こんな風に数学って発展してきたんだなぁ、ということが
なんとなく分かる。
15世紀末の天才ダヴィンチが初等算術に苦労していた、という事実は
誰しも歴史の発展段階には逆らえないということを示す。
まぁそっからよくもまぁ発展したもんだよ。
「あるものの価値は、それについた値段によって決まるのではなく、
その物によってもたらされる効用によって決まる」
という言葉は含蓄がある。
18世紀、ベルヌーイの言葉だが、それまでの数字・確率の世界に
「効用」という新しい概念を持ち込んだことが意義深い。
そこから
「富の微量な増加から得られる効用は、それ以前にその人が保有している
財の量に反比例する」
という見解にもいたる。限界効用逓減の法則が生まれた。
知恵の展開が描かれていて興味深い。先人の知恵。
さあ上巻読み終えて、いよいよ先端リスク分析の世界が
下巻に書かれているんだろうなぁと期待して進む。
何が書かれていることやら。
#みんな偉いね