入院-不整脈治療
カテーテル・アブレーションを受けようと決め、家内と一緒に病院へ。先生から、その方法を説明して頂き、「まず100%治ると思っていてくれていい。あまり心配しないで、軽い気持ちで来て下さい」と笑顔でおっしゃった先生の言葉・・・この先生、黙っていると苦みばしったちょっと強面なんですが、笑うと極端に人懐っこくなる。この笑顔を見てまたまたほっと安心。9月26日に入院。翌日、施術なので、夕方には点滴用の針を左腕に・・(これは翌日一杯は射したままだそう)この日はこれ以外は血液検査と、携帯型の心電計を装着しただけで、自由行動。こんなもんかいな、とちょっとなめたのが翌日、間違いだったことに気付くことに。翌27日。昼前に主治医の先生が、心臓の模型を持って、治療の内容を詳しく説明してくれる。カテーテルは右足の付け根以外にも、右の鎖骨の下辺りからも入れるよう。足の付け根から心臓まで静脈を使って管を通す・・っていうのがなんとも怖いように思っているところに、リスクの説明。そりゃ、絶対心臓を傷つけないっていう保証は出来ないのはわかるけど・・ただ、リスクの説明の後にも、先生の自信に満ちた笑顔で、不安解消・・やはり、医師と患者の信頼関係がなによりも大事なんだと、改めて思った。13時30分から施術開始の予定が15分繰り上がって13時15分からに決定。手術着に着替えた後、手術につきものの剃毛。そして、手術後3~4時間は動けないため、導尿管を入れられた。剃毛の時はさすがに恥ずかしさもあったけれど、導尿管のときは恥ずかしいよりもその何とも言えない苦しさに絶句。(経験のある男性はわかりますよね)(この導尿管、3~4時間で外せる予定が、出血の止まりが悪く、動けないため、結局翌朝までつながれっぱなしになりました・・)13時15分にカテーテル室まで点滴しながら車椅子で運ばれ、手術台に。動くたびに導尿管がなんともいえない痛いような違和感・・手術台に寝ると、すっぽんポンにされて、両足の付け根から下腹部までたっぷりの赤い消毒液を3回塗られ、同じように右肩から右胸、右首筋まで真っ赤に。(見たわけではないですが・・)消毒が済むと、ようやくカテーテルを入れる部分のみ開いた布をかけてくれて、恥ずかしさも一段落。間もなく、開始。カテーテル・アブレーションは局部麻酔なので、先生はこちらに都度説明してくれます。「はい、ちょっと麻酔の針がチクッとしますよお。」(鎖骨の下は麻酔があまり効かず、途中でもう一度麻酔をしてくれたけど、最後まで少し痛かった。足の付け根は麻酔のおかげでなにも感じず。)「はい、カテーテル入れますねエ。」カテーテルは、右足付け根から3本、鎖骨の下から1本入れた。(すべて静脈)カテーテルを通すスピードの速いこと・・・ビックリするくらいの速さで腹部に違和感を感じる間もなく、右心房へ。先生の、「はい、カテーテル、入りましたよ」の声に、まずは血管を突き破ることもなく、無事、到着、と一安心。(その技術に感嘆)カテーテルさえ無事に入れば、後は熱で異常信号を伝える部分を焼くだけ・・と、ほっと一息。ところが、ここで、なめてかかったのが間違い。この治療、とにかく痛い・・・ああ、ここが右心房の右、下、左・・・と場所がはっきり分かるくらい痛い。考えて見れば、60度や70度の熱で筋肉を焼くんだから、熱いを通り越して痛いのは当たり前・・(のことに気がつかなんだ)特に、一番問題の箇所を治療する際は、最高瞬間温度70度、最長2分間の加熱(!?)さすがにこれは参った・・・ひえーーーーーーー、っちゅうくらい痛いし、ピークには「いてててっ!!!」と言おうとしても声が出ない・・・先生は「痛くて我慢できなかったら言ってねエ・・・」と言ってくれたので、回を重ねて、とことん辛抱できずに思わず「痛い!!」と囁いた(叫んでません。声が出ない・・・)すると先生、「ああ、痛いネエ、痛いネエ、ごめんネエ、でも、もう少し我慢できるかなあ・・。今、大事なとこ。わしはもうこれ以上どうしても我慢できん、ようになったら言ってくださいねえ。」と、治療続行。ここが大事、と言われては我慢せざるを得ないか・・とはいえ、痛さで息を止めてるとやはり気が苦しい・・思わず息を吸うと、先生「今、動いたよ!!」この声に、思わず「ゴメンナサイ・・・」と言っていた・・・なんか変だな?おまけに普通の呼吸ではなく、胸が出来るだけ動かないように、小さく、多く呼吸をしないといけない・・まさしく激痛が何回か襲う中、ようやく心電図の波形が正常に。念には念を入れて、5分待機でもう2回焼いて、治療終了。終わったのが3時でした。先生、「最後の2回で、止めをさしたので、再発はまず無い!!」と言い切りはりました。病室で待機していた、家内と家内の母親。90分もかかったので、「ひょっとしたら、何かあったんか・・・」と心配の極地だったよう。とにかく無事に病室に帰ってきたものの、それからがまた大変。とにかく初体験ずくめで、導尿管を蹴りそうで気になって殆ど眠れず・・・点滴もなかなか終わらず眠れず。点滴の針は、夜中に看護士さんが見に来てくれて、翌朝には導尿管も無事外れて、ようやく自由の身に。とはいうものの、寝不足と、微熱が続いて、かなり身体はえらい・・(翌日、退院してもいいと言う話もあったけど、結果として、もう1日伸ばしておいて正解。)翌々日の27日、心電計も外してもらい、昼前に無事退院。傷口もほぼふさがり、今日からはシャワーはオーケー。3日ほどで風呂も大丈夫とのこと。ただ、気のせいか、心臓の焼いた後が鈍痛のように残っている感覚はあります。ただ一日ごとに、心臓が落ち着いてきていると言うか、焼かれてビックリした心臓が平静さを取り戻してきている、ということは実感しています。ドキドキしても、そのリズムは規則正しい・・・本当、何日ぶりかの感覚。今回、信頼できるドクターにめぐり合えたことで、安心して入院することが出来ましたが、もうひとつ、この病院のスタッフの皆さんの優秀なこと。患者の気配を本当に良く見ていて、さりげなく、申し出てくれる。頼んだことはまず、忘れずに実行してくれる。当たり前のことなんだけども、なかなか出来ないことが普通に出来ている。そして何よりも、ここにも笑顔があふれていました。患者を安心させる笑顔。本当に辛かったけれども、貴重な体験でした。