第96回選抜高校野球 準決勝
第1試合[星稜対健大高崎]能登半島地震被災者の皆さんの期待を背負う「星稜」,機動破壊の「健大高崎」の対戦です。以前から健大高崎の野球を手本としてきた私としては健大高崎の「機動破壊」に興味があり,どのような試合になるのか注目していました。痺れる試合になりました。機動力に長けているのは健大高崎だけではありません。星稜もかなり機動力を使うチームです。投手力,守備力,打力,どれを取っても高いレベルにある両チームです。序盤,星稜が先行して試合が動いていきました。お互いに素晴らしいバッティングを見せていました。健大高崎の方は6回表にセフティーバントを試みて失敗,7回表の送りバントも失敗,なかなか上手く行かない場面がありました。しかし,7回についに逆転しました。両チームともに大事なところの失策もあり,なかなか流れを引き寄せられません。またミスによって流れを手離したりもしていました。8回裏の星稜の攻撃は四球で出た走者を二塁に置き,1死二塁のチャンス,ここでセンターへ打球が飛びましたが,走者が飛び出し併殺,星稜の焦りを少々感じた場面でした。健大高崎は継投が上手く行きました。これは大事なポイントです。試合は5対4,健大高崎が勝利して決着しました。準決勝に相応しい手に汗を握る好ゲームでした。第2試合「報徳学園対中央学院」この試合も痺れる試合でした。1回裏,報徳学園が2死からの中前タイムリーで先取点を挙げました。効果的な先制点であり,精神的に優位に立ったと思います。4回表に中央学院はタイムリー三塁打で同点に追いつきましたが,その裏すぐに突き放されてしまいました。報徳学園の4回裏のスクイズをちらつかせながらのヒッティング,結果タイムリーヒットは見事でした。低めの変化球(フォークボール?),決して甘いボールではなかったように見えました。そしてその後スクイズ,素晴らしい攻撃でした。報徳学園は5回にも1点を加え,主導権を渡しませんでした。中央学院は8回表に1点を返しました。この時の走者の本塁へのスライディングは見事でした。本当にホームベースに触れているのかと思うほどでした。中央学院は9回表に一打同点という見せ場を作りましたが及ばず,4対2で報徳学園が勝利し決勝戦に進出しました。報徳学園が放った8本のヒットは全部単打でした。これも興味深い数字だと思います。.準決勝に残ったチームに共通しているのは堅い守りと思い切りのいい走塁です。勿論打力も素晴らしいものがあります。非常にバランスのとれたチームが残ったと言えます。そして,基本技術を突き詰めているチームであるように見えました。.バントをせずに打ちまくる,という風潮が近年増えていましたが,今大会は明らかに減りました。新基準バットの影響であることは明白ですが,個性がなくなったという見方もできるかもしれません。.31日の決勝は「東西対決」ということになりました。私が注目しているのは「走塁」です。. 木津川俊彦投稿は必ず氏名と居住地(またはチーム名)を記載して下さい。匿名での投稿は個人攻撃や誹謗中傷につながるのでご理解願います。意見を述べるなら堂々と名乗りましょう。