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2009年12月08日
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カテゴリ:わんこの健康


実は、くりのお誕生日を少し過ぎた頃から、我が家にはとてもつらい時期でした。

結論から言うとある病気を病院で疑われ、最終的にはそれがどうも違うとわかったのですが

病気自体がかなり深刻なものだったため、

いろいろな意味で覚悟をしなければなりませんでした。

今はまだ完全に疑いは晴れないものの、おそらく違うという判断を病院で頂いているし、

実際にこの病気と戦っていらっしゃるほかの多くの飼い主さんのお気持ちを思うと

ブログに書くべきかとても悩みました。

実際、何度も文を作っては消しの繰り返しで、

ただでさえ滞っているブログが完全にストップしてしまいました。

でも、自分が実際悩んで、少しでも情報を、とネットを探してみても

この病気は犬には比較的珍しいため、なかなか情報が見つけられなかったので

我が家の経験がもしかして誰かのためになるかも、と思い、あえて掲載することにします。

いつものおきらくブログではなく、しかもやたら長いので、

そういうお話が苦手な方はどうぞスルーしてください。



始まりはお誕生日記念にと気軽に受けた犬ドックで、ほとんど問題はなかったものの

ひとつだけ、血糖値が平均よりかなり低く(53mg/dl)、病院からの提案で

外の検査機関に頼んで、血液の再検査をお願いしたのです。

その結果が返ってきたのが5日後の日曜日、携帯に電話があり

血液中のインシュリン値がとても高く(31.72mu/ml、通常は20以下)、

原因はすい臓にできる進行性ガンだといわれました。

この日からの3週間、それはそれは長くてつらい時期でした。


お電話では、なるべく早く一度病院に来て頂いて、そのとき詳しいお話をしますが

すい臓はエコーなどでも写らず、レントゲンでもわかりにくいため

場合によってはそのときにそのまま試験開腹になるかもしれない
ので

朝ごはんは抜いてきてください、とのことでした。

あまりに急なことで、そのときは外出先で普通に振舞っていたものの、

家に帰ってオットの顔を見たら涙があふれ、きょとんとしてるくりを見てはまた涙が。。

結局、翌日朝一で以前避妊手術をしてもらった別の病院にアポを取り、

セカンドオピニオンを聞くことにしました。

そこはがん治療では全国から患犬が集まる、高度医療を受けられる病院なのです。

ここでは普通の病院ではまだ珍しい、内視鏡や腹腔鏡の検査もお願いできるし、

先生方も毎日のようにオペをされていて、信頼できる知人の強い勧めもありました。

犬ドックをしてくれた病院にはすぐに電話でその旨を話し、快く了承してもらいました。

その電話で最初の病院に改めて詳しく聞いたところ、病名はインシュリンベータ細胞腫瘍、

一般にはインシュリンノーマ(インスリノーマ)といわれているガンで、

すい臓の中でインシュリンを作る細胞のみにできる腫瘍なのだそうです。

糖尿病と逆で、インシュリンが出すぎてしまうそうで、その結果

血糖値が下がりすぎるとふらふらしたり発作を起こしたりしてしまい、

普通はこの症状がでて初めてこの病気に気づくそうです。でも、進行が早いので

ほとんどの場合この時点ではすでにリンパに転移していたり、手遅れな場合が多いと。

こんな風にまだ症状も出ないうちに血液検査で見つかるのは運がいいといわれました。

くり、見た目はまったく元気なのに、なんだか信じられない思いでいっぱいでした。


くりは5歳を過ぎた頃から毎年血液検査だけはしていたのですが、

今年の春の検査を見返してみると、血糖値は正常範囲内(87mg/dl)。

(インシュリン値は一般の血液生化学検査には項目がなく、このときは不明)

そういえば夏前くらいに元気のない時期があったっけ。ただのものぐさだと思ってました。

何でそのとき気づいてあげられなかったんだろう、とただ後悔するばかりでした。


その日の夜、旧杉並犬猫病院、今の名前は東京動物医療センター(東京AMC)

改めて話を聞き、今後の治療について相談しました。

インスリノーマの場合、かたまって腫瘍ができる場合は完全切除も可能で

その場合は完治もあること、

でもかたまらずにすい臓全体に点在して広がっている場合は切除が難しく、

また、どちらの場合もリンパに転移しやすいこと、

そして、切除できても再発の可能性がとても高いことなどをお聞きしました。

再発するとまた低血糖の状態に戻ってしまうのだそうです。

深刻な低血糖状態は脳に栄養がいかなくなり、命にかかわる危険な状態です。

少しは明るい話もあり、まれにすい臓のインスリノーマは切除できなくても、

リンパ部分に転移してしまった箇所を切除したことで、

その後低血糖の症状が出なくなった子もいることや、

外科的処置をせず、薬でインシュリンを抑える内科処置だけで

状態を保てている子もいるとの話も伺いました。

でも一般的には進行が早く再発も多いため、実際に開腹して腫瘍箇所が見つからなくても

だいたいの場所を予想して、すい臓を半分、または大部分切除してしまうのが

今現在の獣医師界では教科書的な回答になっているとのこと。

そして、インスリノーマが再発しなくても、すい臓を切除することで起こる弊害は、

もちろんインシュリンの分泌が低下してしまうため、

以降インシュリン注射が必要になること、そして消化酵素もすい臓から出されるため

吐きやすくなったりすることがあるとのことでした。



この日から詳しい検査が始まり、犬ドックを含めると、この短い期間に

血液検査すること5回、エコー検査3回、レントゲン5枚、

そして全身麻酔でのCTも、錦糸町の動物検診センターまで行って撮ってきました。

全身麻酔という言葉に抵抗があったけど、先生のお話だと

最近の麻酔は以前のものに比べ、かなり安全性が高いそうで(麻酔の種類にもよります)

うちでも毎週全身麻酔で歯科治療を受けてる子もいるから安心してください、と。

でも実際、CTのあとけろっとした顔でつれてこられたくりを見るまでは

それはそれは心配でした。2時間の待ち時間の長いこと・・・。

検査でこんなに気持ちが消耗するなら、

ほんとのオペのときはどうなるんだろうとまた不安になりました。。

えっへん♪
えっへん♪ posted by (C)snow-wan

CT後に元気な顔で出てきた様子です。静脈点滴を打った右手の包帯が自慢げ(*^_^*)

こんな顔でこの時期本当に救われました。


でもくり、ほんとによくがんばったよね。

お医者さんのすることにじっとおとなしく従っているくりを見てると

そんなにイイコでいないで。神様にも好かれて早く呼ばれちゃう、と本気で思いました。


こんなに検査をしなくても、試験開腹をしてしまえばすぐに結果が出るし

たぶん最初の病院でそのままお願いしていたら、そうなっていたと思います。

それなら検査費用も全然少なくてすむけれど、くりにとって

できるだけ負担のかからない方法をとってあげたいと思いました。

それがせめても、私たちがくりにしてあげられることだから。



いろんな検査をして、結局、どの画像にも腫瘍らしきものは映らず、

それでもすい臓は見えないところで、安心はできないので

血液検査でやはりインシュリン値が高いようなら

おなかに穴を開けて腹腔鏡でまず確認して

それで見つかるならそのまま開腹、ということになりました。


そして、血液検査でもう一度インシュリン値を確認してもらったところ

(東京AMCでも外注の検査で、10日ほど時間がかかりました)

なんと、正常範囲内の数値(29pmol/L、基準値36~237)が出たのです!

それは、ほんとにインスリノーマなら、この数値は出ない、といわれる数値でした。


実はもうほとんどあきらめていて、12月はオペの予定だったので

しばらく気が抜けてしまったくらい。

もちろん基本の血糖値が低めなのは間違いなく、ほかの病気の疑いもまだありますが

インスリノーマの存命率を思うと、ほんとに神様仏様に感謝してもしきれません。

では、最初の検査の結果はなんだったのか、疑問も残りますが

担当の先生に伺ったところ、考えられるのはインシュリンの単位が違うことから

出した先の検査機関がもしかしたら犬猫用の機械ではなく

人間用の検査機械を使用している可能性があり、そうすると微妙に違ってくるとのこと。

でも、実際夏ごろからなんとなく元気もなく、検査の頃体重も急に落ちていたので

実際その頃何かの問題もあったのかもしれません。


この3週間、とりあえず自分だけの予定はすべてキャンセルして、

でも、くりとのお出かけはなるべく普通にして、できるだけ一緒にいた3週間。

病気かもしれないと報告を聞いた最初の晩は涙が止まらなかったけど、それ以降は

くりには沈んだ様子を見せないように、なるべく普通にしました。

でも、一人で運転してるときとか、シャンプーしてるときとか

油断すると簡単に涙があふれ、参りました。。

オットも、口では泣き言は言わなかったけれど、

くりをぎゅっとする回数がむやみに増えた気がします。

でも今思うと、この期間も、なにせできるだけ一緒にいたのでとても貴重な時間でした。

うちにいても注文の絵付けもまったく手をつけず

(注文主さんがこれを見ていませんよう!)

くりとごろごろしたり、くりのセーターを編んだり、なにげに幸せだったかも。

いくつもの検査も、たとえばほかの部分には特に異常がないこともわかったので

無駄だったとは思っていません。かなり痛かったけど。。

痛いといえば、今まで比較的何の問題もなくきてしまったため、

動物保険も10歳くらいでいいかなあと漠然と思っていたのですが

(代わりにくり貯金を毎月微々たる額ですが、だいたい保険料くらいしてました)

これを機に真剣に探すことにしました。

そして、今まではいつかはくりが先に逝ってしまうことは頭ではわかっていても

具体的にはまったく考えられなかったのですが、今回はそれを切実に感じ、だからこそ、

一緒にいられる時間をできるだけ大事にしようと思いました。


血液検査は今後もしばらくは頻繁にすることになりますが、

先生に「インスリノーマの可能性は低い」といわれてから、

くり自身もうそみたいにさらに元気になりました。

こういうところ、犬って本当に敏感です。

そして、犬を飼っているいないにかかわらず

たまたま病院の予約日と重なってお会いできなかった方や、用事で連絡した方などに、

くりの病気の相談にのっていただいたり、泣き言を聞いて頂いて

ほんとにどれだけ心強かったことか。

改めて、心よりお礼を申し上げます。













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最終更新日  2009年12月23日 03時00分49秒
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