2007/04/08(日)10:56
1つの文で1つの知識を聞いている。
択一試験は、論文試験の一行問題と異なり、1つの文で1つの知識しか聞いていないのがほとんどです(すべてそうだといってもいいと思います。)。
例えば、H18-21をみてみると…
「ア 死因贈与は、契約であり、贈与者と受贈者の合意によって成立する。遺贈は、遺言者の単独行為であり、遺言者の死亡前に受遺者が遺言者に対し、承認の意思表示をする必要はない。」
という文章があります。
これは、前半の文で「死因贈与は契約であること」、後半の文で「遺贈は相手方のいない単独行為であること」という1つの知識をそれぞれ聞いているのです。
こういったことから分かるように、択一試験では、「この文で何の知識を問うているのか?」ということを掴むことができれば正答しやすくなります。
これは当然のことなのですが、「この文で聞いている知識はこれこれだ」ということが的確に把握できるようになれば、長文であろうと複雑な事例であろうと正確かつ素早く正誤の判断ができるようになります。
問われている知識が関係する事柄だけを注意深く見ていけば正解できるわけですからね。
いわば、解き方が「大胆かつ繊細に」「メリハリのついた」ものになるというわけです。
「この文で聞いている知識はこれこれだ」と把握できるようになるためには、過去問や模試を通じて演習を積んでいけばよいと思います。
ちなみに、H18-21ですが、アが絶対に正しいことになるので、肢1と2が消去されます。
ということは、僕の解法でいけば、次にウをみることになります。
仮にウが絶対に正しいといえれば、消去法により正解は肢4になるので。
「消去法をガンガン使って正解を導き出す」ということの意味は、こういう解法のことをいいます。
異論も多々あるところなのですが、僕は、残ったイエオを見ないで次の問題に行ってしまいます。
刑法で時間をかけたいというのがその趣旨です。
ということはです。
「消去法をガンガン使って時間短縮」するためには「ガチガチの基本知識」が頭に叩き込まれていなければならないのです。
僕が「基本知識がガッチリ頭に入っていれば、択一は(もちろん論文も、そして口述も)受かりやすくなる。」とよく言うのは、こういったことが理由なのです。