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2011.08.15
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カテゴリ:戦争
「プライベート・ライアン」 Saving Private Ryan 1998年 アメリカ映画

監督 スティーヴン・スピルバーグ
出演 トム・ハンクス マット・デイモン

今日は終戦の日、ぴったりの映画を紹介します。

 スピルバーグ監督の、唯一の戦闘シーンたっぷりな戦争映画です。たったひとりの二等兵を8人で救出に向かう部隊の苦悩と戦闘を描いた作品です。

 第二次世界大戦、ノルマンディー上陸作戦のオマハ・ビーチでの死闘を、多くの部下を亡くしながら生き残ったミラー大尉(トム・ハンクス)は、特別な任務を与えられます。
 それは、ほぼ同時に3人の兄を亡くしたライアン二等兵(マット・デイモン)を発見し、帰還させることでした。ライアンは第101空挺師団パラシュート部隊に属しており、部隊は、降下目標地を大きくそれ、バラバラに降下していたため、ドイツ軍が点々といる中、探さなければならなかったのです。
 ミラーは7人の部下を連れ、理不尽な任務に疑問を感じつつ出発しました。途中情報を集めながら、2名の仲間を亡くし、ある破壊された市街地にたどり着き、ライアンを発見しました。

 発見した後もひと波乱あり、結果的には、悲しい展開になるのですが、語るのはやめておきましょう。

 この映画、まず目につくのは戦闘シーンの悲惨さです。冒頭で30分近く続く、ノルマンディー上陸作戦で最も激戦地だったといわれるオマハビーチでの戦闘の描写はすごいです。
 事前に予定していた空挺部隊の作戦がうまくいかず、海岸のトーチカの機関銃座が生きている中、さえぎるものが何もない海岸を上陸していく歩兵部隊、もちろん次から次へと倒れていきます。ヘルメットではじかれて助かったと思っているところを撃たれる兵士、落とされた自分の腕を探す兵士、腹から内臓を出し「ママーっ」と叫んでいる兵士、飛び散る血や肉片、非常にリアルで悲惨です。
 劇中でミラー大尉が上官に聞かれます。「こっちの死傷者は。」「35人だ、負傷者はその倍。」ミラーは中隊長だったので、調べてみたら、だいたい一個中隊で百数十人、そのほとんどを戦闘不能にさせられた戦いだったわけです。実際、オマハビーチの作戦は失敗だったといわれているそうです。
 後半の市街戦でも、爆弾で飛び散る兵士、火炎ビンを投げられ燃える車から火ダルマで出てくる兵士、60ミリ機関銃で撃たれ飛び散る兵士、もみ合いになりナイフでゆっくり刺される兵士など、思わず目を覆いたくなるような描写がたっぷりです。スピルバーグ監督は戦闘の悲惨さを表現するために、いろいろな技術を駆使し、わざわざ悲惨な映像を作ったということです。

 そして、何より気になるのが、ひとりの二等兵を8人の兵士が命をかけて救出に行くという任務の理不尽さです。
 戦死報告を作成するところで、たまたま発見された3枚の同じ家あての戦死報告から、上層部の話し合いにより、残った一人を守るという作戦が企画された感じで描かれています。この場面から、偶然なのか、期間が開いていたらどうしたんだ、全く別方面で(例えばアジア戦線)死んでいたらどうなんだ、とか思ってしまいましたが、調べてみると、実際、兄弟が戦死し、残った一人を除隊帰国させたり、後方に回したりということはあったみたいです。でも、この映画のように救援部隊を出すということはなかったみたいです。
 出発した時から兵士たちは任務に疑問を持っているようです。「どういう計算だ?8人が命をかけて1人を助ける?」「息子を亡くしたお袋のためだ。」「おれにもお袋はいるぜ。」という会話をしています。また、仲間を一人失ったとき、思わず「ライアンめ」とつぶやいています。
 ミラー大尉も実は心が揺れているようで、部下をひとり亡くした晩、「部下が死ぬと、それは10人の部下を救うためだったんだ、と割り切る。」「今度はひとりの兵士のために。」「その価値があるやつかな?難病の特効薬とか切れない電球を発明するやつ、カパーゾ(死んだ兵士)10人分に値するやつでなきゃ。」と会話しています。
 2人目の犠牲者が出てしまった後、とうとうケンカになってしまい、一人が命令違反を承知で、帰ろうとし、もうひとりが拳銃を構えて止めるという騒動になってしまうのです。ミラー大尉が間に入り、何とか最悪の事態は免れましたが、それは任務に納得したのではなく、大尉の人望で収まったというのが正しいところでしょう。
 人と人が殺しあう戦争、そんな非人道的な行為の極みの中に、人道的な行動を持ち込むことに無理があるのです。理不尽を感じて当然でしょう。

 戦争の悲惨さ、理不尽さを表現するため、話が組み立てられ、よりリアルな映像が製作された映画だと思います。疑問や、嫌悪感を持って、観る映画だと思います。





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Last updated  2011.08.15 13:58:31
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