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カテゴリ:SF
![]() 監督 M・ナイト・シャマラン 主演 メル・ギブソン M・ナイト・シャマラン監督のSFサスペンス映画です。 事故で妻を亡くしたことにより信仰を捨てた牧師グラハム(メル・ギブソン)が、宇宙人の襲撃を撃退することを通して、信仰と家族のきずなを取り戻すという映画です。 結論から言いますと、シャマラン監督はSF映画をつくらない方がいい、ということです。SF関係で突っ込みどころが満載だからです。 まず、ミステリーサークルについてです。ミステリーサークルとは、1980年代イギリスを中心に、穀物畑などで、円形を中心とした幾何学模様を、穂を倒して描いたもので、突然現れることから、UFOの着陸跡とか、宇宙人のメッセージとか、いろいろと憶測され、話題になったものです。1990年代になって、製作者が自ら名乗りを上げ、意外と簡単に作れることがわかり、急速にブームが去っていきました。そのミステリーサークルを21世紀になってから、あらためて宇宙人の「サイン」として取り上げる神経がわかりません。 また、このミステリーサークルは、だれが作ったのでしょうか。宇宙人の宇宙船(確認できているのでUFOではない)が、このミステリーサークルを目印にやってくるということになっていましたが、ということは、作ったのは宇宙人ではないということでしょうか。宇宙人の味方の地球人がいるのでしょうか。それとも宇宙人の先発隊が作ったのでしょうか。結構世界中にできていたように思われますが、先発隊はいったいどれくらいの数、来ていたのでしょうか。世界中にたくさんの宇宙人がやって来られているのに、なお目印としてミステリーサークルを作る意味は何でしょうか。この宇宙人の目的が何かはいまひとつ分からないのですが、わざわざ、目立つことをするよりも、こっそりと活動する方が都合よいのではないでしょうか。 次に、宇宙人の弱点についてです。水に弱いということでしたが、では、どうして、この水のたくさんある地球に来たのでしょうか。地球は、その表面の70%が水で覆われています。また、大気中にも、雲あるいは水蒸気という形で、かなり大量の水が含まれています。宇宙空間から、電波などで調べれば、地球に水がたくさんあることを知るのは容易です。おそらくは太陽系外から、宇宙船でやってくることができるほど、技術の発達している知的生命体なら、簡単にできるはずです。わざわざ、自分の弱点の物質が大量にあるこの地球に、やってきたこの宇宙人の目的は何でしょうか。 ほんの短い時間しか出てきませんが、宇宙人の造形、どうにかならなかったのでしょうか。怖い印象を与えるためにグロテスクなのはいいですが、どう見ても、高度な科学技術を持っている知的生命体には見えません。しかも、水がついて苦しんでいる様子から察するに、裸のようです。ふつう、よその天体に行くとしたら、宇宙服を着ているでしょう。その星の空気が自分たちに合っているかどうかわからないから。たまたま、地球の空気に含まれる酸素や窒素、二酸化炭素などで呼吸をする生物だとしても、空気中には、様々な目に見えないウィルスがたくさんいます。そして、彼らの苦手な水も水蒸気の形で、たくさん含まれています。宇宙空間を渡ってきた知的生命体ならきちんと分析してから、やってくるはずです。あのパロディ映画「マーズ・アタック」でも、火星人たちは頭に透明なヘルメットかぶっていました。 あのボーが赤ちゃんの時使っていたという、おもちゃのトランシーバーのような電波を受ける器械は何でしょう。宇宙人が近づくと電波を受信するようですが、なぜ、宇宙人が発する電波と、そのおもちゃの受ける電波が合っているのでしょうか。たまたま偶然、周波数が合ったということでしょうか。それとも合わせたのでしょうか。後述の本に宇宙人の発する電波の周波数でも書いてあったのでしょうか。そもそも、宇宙人は裸なのに、電波を発するのでしょうか。不思議です。 グラハムの息子モーガンが、街で買ってきた本、宇宙人に関する情報を集めた本、つまり、ビリーバーの妄想を集めた本のようです。その本を読んで、すっかり内容を信じきったモーガンと妹のボーが、宇宙人のテレパシーから頭を守るため、アルミ箔で作った帽子(ヘルメット?)をかぶっています。2人は子どもだからしょうがないですが、その後、TVで宇宙人の映っている映像を見てしまった伯父のメリル(グラハムの弟)も同じものをかぶっている場面(上記の写真)には、笑ってしまいました。コメディですか。 以上、長々と書いてしまいましたが、まだまだ突っ込みきれません。とにかく、科学的に無知なことが多すぎです。 物語の本筋としては、事故で死ぬ間際の妻の、意識が混濁する中で発した最後の意味不明の言葉(サイン)の通りに行動したら、危機を脱することができたことから、それを神の啓示と信じ、グラハムが信仰を取り戻すところがオチだと思われます。だったら、事件は宇宙人の襲来でなくてもいいと思います。強盗でもいいし、事故でもいいし、殺人鬼でもいいでしょう。わざわざ、不慣れなSFにする必要はないと思います。そこが、今回の敗因でしょう。 しかし、主役にメル・ギブソンを起用した意味は何でしょうか。メル・ギブソンって「マッド・マックス」のイメージが強すぎて、やっぱりアクションを期待してしまいます。宇宙人やっつけるのも弟まかせだったし、意味わかりません。元牧師のくせに、元野球選手の弟より体格いいんだから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.09.02 01:09:16
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