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カテゴリ:戦争
![]() 監督 エドワード・ズウィック 出演 ダニエル・クレイグ リーヴ・シュレイバー ジェイミー・ベル ベラルーシの森の中で、多くのユダヤ人をドイツ軍から守りぬいた、ビエルスキ兄弟の実話の物語です。 ビエルスキ兄弟は、ドイツ軍に両親を殺され、森に逃げ込みます。同じように逃げ込んできた同胞と森で暮らし始めます。 この話で、ユダヤ人集団の指導者となるビエルスキ兄弟は、シンドラーのようなお金持ちでなく、杉原千畝のような外国人の外交官ではなく、自分自身がユダヤ人で、肉体労働者です。はっきり言って、平和な世の中なら、指導者になるはずのない男たちです。それゆえに、長男トゥヴィア(ダニエル・クレイグ)は、苦悩します。 食料の調達はもちろん、病気の流行と薬品の調達、仲間の受け入れ、意見の対立、反乱分子への対処、ルールの構築と徹底、問題は山積みです。 食料を調達してきたからと言って、順番を守らず、人より多く食事を貰おうとした男が居ました。彼は自分の取り巻きを従えて、反抗的な態度を見せています。トゥヴィアは、拳銃で射殺してしまいます。周囲の空気は一瞬で凍りつきました。 しかし、恐怖政治では、集団をまとめられません。 最初、新たに子どもを産むことは禁止していました。むやみに集団が大きくなるのを抑えるのに、やむおえないルールでしたが、ひとりの女性が、妊娠していることが発覚します。女性陣のかたくなな反対にあい、トゥヴィアも許さざるを得ませんでした。 また、冬が来て、森が雪でおおわれたころ、どうにも食料が確保できず困り果てた時には、トゥヴィアは、大切にしていた愛馬を食料として提供します。 ドイツ兵が迷い込んできたときには、森の住民たちは、その迫害された経験から、思わず誰とはなしに、リンチが始まってしまいました。トゥヴィアは、みんなの憎しみがわかるだけに、渋い顔をしながらも、見ていることしかできませんでした。 そんな試行錯誤を繰り返しながら、弟のズシュ(リーヴ・シュレイバー)とは考え方の違いから袂を分かつことになってしまいましたが、成長した3男アザエル(ジェイミー・ベル)にも助けられながら、何とか森の中の村をまとめてきたトゥヴィアでした。 とりわけ、ドイツ軍に見つかり、襲撃を受けた時には、やむを得ず村を捨て、逃げ出したわけですが、若い戦える男たちは後方で銃を持って戦い、子どもや女性、年寄りたちを率いて、トゥヴィアは集団を先導していました。やがて、森を抜け、目の前に大きな湿地帯が現れました。トゥヴィアは、湿地帯を抜けていくべきか、迷ってしまいます。結局は、後方で戦っていたアザエルたちが追い付いてきたため、湿地帯を抜けていくことになるわけですが、決断ができず、迷っているトゥヴィアの姿が印象的でした。 実際には、食料の調達は、近隣の農家などを襲って盗むことを繰り返し、山賊まがいの生活をしていたわけで、必ずしも、彼らのすべてが肯定すべきものではありませんが、最終的には、シンドラーが救ったユダヤ人に匹敵する1200人もの集落になったということで、彼らの業績は評価できるのではないでしょうか。 そんな、ドイツ軍に屈することなく、自ら道を切り開いて生き延びることができたユダヤ人たちがいたことがよくわかり、その暮らしぶりなど非常にリアルに表現できている秀作でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.11.02 06:46:37
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